其の九十参「37人目」
これから語るのは、もしかするとこれから広まるかもしれない
いや、広まってしまうかもしれない「怖い作り話」です。
全部で壱百八話。どれも短い物語です。
しかしその中には、時に背筋に冷たいものが走り抜け、
時にひそひそと誰かの囁きが聞こえ、
時に見てはいけないものが見えてしまうこともあるかもしれません。
そしてひとつだけ、どうしても言っておきたいことがあります。
これらの話は、すべて作り話です。しかし、ただの作り話ではありません。
この話、本当なんです。
最近の学校の怪談は、時代に合わせてデジタル化している、という話を聞きました。
例えば、スマートフォンで撮った写真にまつわる七不思議や、
授業で使うタブレットにまつわる七不思議――。
それを聞きながら、自分の学生時代とは大分違うのだなぁと、
興味深く聞き入っていました。
それとは異なりますが、私の学生時代に聞いた
古き良き(?)学校の怪談を今日はお話ししようと思います。
きっとアラフィフ年代の方でしたら、多くの方が
「ああ、あったあった!そんな話、聞いたことある」というようなお話です。
◇◆◇
これはとある学校の怪談。(場所、学校名は控えさせていただきます)
その学校の2年C組の人数は36人。
36人なのですが、時に“37人いる”と認識されるという現象が起きていました。
霊感の強い生徒や先生が37人目の存在を見ているのであれば、
それはよくある学校の怪談話でしょう。
しかし、この学校の2年C組は少し違いました。
なんと、このことをクラス全員、担任教師、授業の担当教師、別クラス、
さらには全校生徒に至るまで、
“2年C組の人数が時に37人いる”と認識しているのです。
ただ、それを認識していても、
“それが誰なのか”は誰一人として分かっていません。
この37人目というのは、いったい何者なのでしょうか。
◇◆◇
クラスの人数がいつの間にか1人増えている。
私と同年代の方には馴染み深い学校の怪談だと思います。
そして、いつの間にか増えている“37人目”とはいったい何者なのでしょうか。
しかしここで、“深読み”をしてはいけません。
分からないものごとを知りたくなるのは人間の心理です。
ですが、時に“分からないままにしておいた方がいいこと”も
世の中にはたくさんあります。
そういうことです――。
この話、本当なんです。




