其の八「これから広まるかもしれない令和時代の創作迷信?」
これから語るのは、もしかするとこれから広まるかもしれない
いや、広まってしまうかもしれない「怖い作り話」です。
全部で壱百八話。どれも短い物語です。
しかしその中には、時に背筋に冷たいものが走り抜け、
時にひそひそと誰かの囁きが聞こえ、
時に見てはいけないものが見えてしまうこともあるかもしれません。
そしてひとつだけ、どうしても言っておきたいことがあります。
これらの話は、すべて作り話です。しかし、ただの作り話ではありません。
この話、本当なんです。
どの時代にも様々な怪異のいわれや迷信があったと思います。
霊感少女風間さんと呼ばれていた小学・中学時代には、口裂け女、人面犬という怪異の話であったり、コーラを飲むと骨が溶ける、お腹を出して寝るとお化けにおへそを取られるという迷信があったのを覚えています。
怖い話、怪談、オカルトが好きな方は、これらの怖い話が“その時代やその頃の親の思い”から生まれた怪異や迷信だという話を耳にしたことがあると思います。
口裂け女や人面犬は、夜に子供たちが出歩かないようにと生み出された怪異の話、という説。
コーラを飲むと骨が溶けるは、炭酸飲料の炭酸が「強い酸」という誤解から、子供に飲ませないようにと生み出された迷信、という説。
お腹を出して寝るとおへそを取られるは、「お腹を冷やすと体調を崩す」という生活の知恵から、親たちが子供を怖がらせて布団を掛けさせるために生み出された迷信、という説。
私は、その時代その年代でこういう様々な怪異の話・迷信は生まれるものと考えるのですが、これを今、この令和の時代に当てはめるとどんな迷信が生まれるのでしょう。
少し気になりませんか?
そこで今回は、小学生の子供を持つ令和の親が「子供にやめさせたいことベスト3」を調べ、それをもとに令和の迷信を創作してみようと思います。
◇◆◇
まず、小学生の子供を持つ「令和の親」が子供にやめさせたいことベスト3を検索してみたところ……
① 長時間のショート動画視聴
② 基本的生活動作を親任せにすること
③ あいさつ・コミュニケーション不足
この3つらしいです。私が小学生時代を過ごした昭和とは大分違う印象です。当時はショート動画はありませんでしたし、近いものとすればテレビの見過ぎを心配する親かなと思います。
比較参考のため、小学生の子供を持つ「昭和の親」が子供にやめさせたいことベスト3を検索してみたところ……
① 危険な外遊び(川・線路・工事現場)
② 夜更かし・テレビの見すぎ
③ 駄菓子・ジュースの過剰摂取
身に覚えがありすぎます(笑)
駄菓子・ジュースの過剰摂取はまさに「コーラを飲むと骨が溶ける」に繋がりそうですね。
こうしてみると、昭和は「外の危険・身体の危険」、令和は「内(屋内)の危険・心の危険」と、真逆なことを強く感じます。
◇◆◇
それはそれとして、話を本題に戻し「令和時代の新しい迷信:新しい怪異」を考えていきましょう。
① 長時間のショート動画視聴
昭和で言う「テレビの見過ぎ」とよく似ていますが、私の記憶では「テレビを見すぎると頭が悪くなる」という迷信があったことを覚えています。これは……そのまま当てはまりそうですね。
長時間ショート動画を見ていると頭が悪くなる、みたいな。
では、次へ。
② 基本的生活動作を親任せにすること
なんというか……これには私、時代もあると思いますが親に対しても少し言いたいことがあります。
ですが今は迷信作りです。それは置いておくことにして――
これは怪異を想像してみましょうか……基本的生活動作ができないのなら、できるまで帰らせてもらえないお化けが出たら?
例えば「できるまで帰しません女(仮)」
令和の小学校に現れると噂される怪異。
子どもが「自分でできない生活動作」を抱えたまま帰ろうとすると、
スーッとどこからともなく現れて“それができるまで学校から帰させない妖怪”。
姿は人間の女性に見えるが、顔は常に伏せられているため表情は見えない。
出来るまで帰しません女は、子供を見つけると
「〇〇は出来るよね?」と声を掛け、
「出来ない」と答えると校舎のどこかにある“説教部屋”に連れていかれ、それができるまで家に帰してくれない。
「出来る」と答え、その場でやって見せると、スーッとその場から消えていく。
説教部屋に連れていかれた子供は、それができるまで家に帰してもらえないが、出来るようになると「よくできたね」と褒めて帰してくれる(または瞬間移動で送ってくれる)。
そのとき伏せられて見えない彼女の表情が「とてもやさしい笑顔」であることを子供たちは知る。
口裂け女も、当初あまりにも怖い存在として広まったため、後付けで弱点がたくさんつけられた経緯もあります。
なので、出来るまで帰しません女にも何か弱点を設定するといいかもしれません(笑)
何だか考えていたら楽しくなってきてしまいました。
令和の新怪異、「出来るまで帰しません女(仮)」。
子供的には怖いかもしれませんが、怖い以前に親のクレームが出そうな怪異ですね。
まあ、だからできないという側面も私はあると思うのですが――
ではでは、次へ。
③ あいさつ・コミュニケーション不足
私の自宅や仕事場の近所の子供たちは、大きな声でとても元気に挨拶をしてくれるので、調べている中でこれが問題になっていることに「そうなんだ」という驚きがありました。
私もコミュニケーションについては苦手で、それもあって一人仕事を選んでいるところがあります。
なのでこれは……私自身への戒めも含めて考えてみようと思います。
3分ほど、私自身のことを思いながら考えるとこんな言葉が浮かび上がりました。
「あいさつや会話ができないと、声が出なくなるよ」
私の経験談になりますが、この仕事をしていると、1日誰とも会話をしない日、またはほとんど会話をすることがなかった週が時によってあります。
それが明けたとき、気のせいとは思いますが「人と何を話していいかがわからない感覚」に陥ることがあります。
ちょっと大げさかもしれませんが……
なのでこれについては、「あいさつや会話ができないと、声が出なくなるよ」を、自身への戒めも含めて私は提案したいと思います。
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何だか長くなりました。その上、出来るまで帰しません女のイメージが膨らみすぎてまだまだ語り足りない気分です(笑)
ですがここで、このお話は終わりにしようと思います。
皆さん、あなたなら「令和時代にどんな迷信を、どんな怪異を創作しますか?」
そしてもし、「出来るまで帰しません女」が世に広まったら――
タイトル通り「これから広まるかもしれない怖い作り話」ですね。




