89/180
85.人生の役割
アベリアが走ってやって来た。
「お弟子様。水難の日が判明しました。明日です!」
「えー、休む暇なしか。」
計ったように順番に難事がやってくるのは神様の仕業に違いないと思った。
逆に考えれば、異世界に来てからの俺は、一つ難事をこなすと、次の誰かが次のボタンを押して、次の行動が決められるというのを、繰り返してここまで来たような気がする。
(人生というのは、案外、そういうものかも知れない。)
自分の意思で動いているようで、実際には人に動かされており、ある時は、自分がボタンを押して、誰かを動かす場合もある。
そういう意味では、人生には色々な役割があり、嫌なやつというのは、そういう役割を与えられてしまったかわいそうな存在とも言えなくはない。
それはそうと、次の日、ジェットに乗って偵察に出てみると、昨日の雨が川の上流に降り注ぎ、川が増水していた。
「農場が危ない!」
俺はそう確信したが、敢えて今回は、ゴブ達を退避だけさせて、自然に任せるままにすることにした。




