79.仲間が増えた
有名人が道を踏み外すとニュースになる。そういうニュースを見る度に思うのは、「せっかく有名に成ったのに道を外した」というのではなく、「道を外すような人間でも、かんばれは有名に成れる」という方だ。
(この子達も、ちゃんとした環境があれば道を踏み外すこともなかったろうに・・・・)
俺は戦争孤児になってしまったこの子達の厳しさを考えた。
・・・・・・
俺はアジトに戻ると、早速料理をはじめた。
「ユーコは火の番をしててくれ。脱獄王は皿になりそうなものを出来るだけ見つけて来てくれ。」
俺はそう依頼しながら、簡単だがボリュームたっぷりのジンギスカンもどきを作った。
「さあ、いっぱい食べろ!」
どうにか夕食には間に合った。
子供たちはいずれもあちこち怪我だらけだったので、食事が終わったら、ヒールコンニャクで傷を直してやった。
こうして、慌ただしい時間が終わると、その日は皆満足そうに眠りに付いた。
・・・・・・
この世界の仕事と言えば、冒険者もふくめて、だいたいが自営業であり、誰かにきちんと雇われるような仕事はほとんどなかった。
したがって、戦争孤児になってしまうと、若いうちから奴隷のように働くしか選択肢がなくなってしまう。
次の日の朝、俺は脱獄王にある提案をした。
「ホワイトバード、この子らを連れて、俺の農場に来ないか? 土地はあるから、働く気があれば好きに使っていい。」
ゴブ達が移動したため、遺跡の近くの農場が空いているのだ。
「どうして俺が? この子らだけ連れて行けばいい。」
「俺は面倒なことは嫌いだ。これからもこの子らを見て欲しい。」
と、そこまで話を進めた時に、
「ピコリーン!」
ユーコのお約束が始まった。
「今、神様から通信きた。リョータ第三試験合格おめでとう。子供達よろしく。脱獄王も今回は逃げられないのじゃ。一緒にくるべし。」
こんな感じで、遺跡の村の住民がまた増えた。




