78.脱獄王
アジトに行くと、ほかにも子供達が10人ぐらいいて、大人は1人だけだった。
「お前は、脱獄王ホワイトバード。」
「ぬっ」
あれ? あっさりとユーコが正体を見破った。
「知ってるやつか?」
「知らない。メガネのお陰で正体わかる」
俺はむちゃくちゃ驚いて、そのホワイトバードやらをほったらかしにして、ユーコに詰め寄った。
「はあ? もしかして、それは『古代アーティファクト』なのか? 買うとき教えてくれよ。」
「リョータはアホ。あのとき騒いだら、値が吊り上げる。お陰で、ただ同然で買えた。」
「まじかよ、もう。」
俺は気を取り直して、ホワイトバードに向き合った。
「ウホン、なぜ、こんなことをしている?」
俺はアジトにいた他の子供達にもコンニャクプリンを食べさせながら、ホワイトバードに尋ねた。
「こいつらはみんな戦争孤児だ。こいつらだけで生きているところに、俺がたまたま遭遇して、それからは一緒にいるだけだ。」
子供達には好かれていそうなので、悪い奴ではなさそうだ。
「しかし、盗賊の真似事は危険だ。」
「それは俺も子供達も分かっているが、俺達みたいな底辺のものはこうするしかないだろう。」
先のロージアの侵略はこんなところにも影響しているようだった。
・・・・・・
オレはこの子らを俺の農場に連れてい行こうか考えていた。
しかし、見知らぬ俺がいきなり言っても信用されないと思い、その日は食事を、たんまりとご馳走することにした。
「ユーコ、来たばかりで悪いが、また一緒に町にいってくれ」
「わかった。脱獄王には逃げないように釘を挿しておく。」
こうして、ユーコと町に戻って、充分な食糧を買い占めた。
それから、(こちらのほうが俺の本命だったのだが、)骨董屋に行って、メガネを全て買い占めた。
「なぜ、試してから買わない?」
当然、ユーコから質問が来た。
「まあ、ほとんどははずれだろうが、怪しまれないように、選ばずに買い占めただけたよ。」
「なんだ、そんなことか、たったらワシのメガネで鑑定したのに。リョータはアホ。」
「えー、そんなことも出来たのか?」
「まあ、ガッカリするな。当たりも混じっていたから、元はとれてるはずだ。」
それを聞いて、俺はまじで安心した。




