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55.手合わせ
2人は冒険者ギルドにある道場へと向かった。
少なからず、野次馬も付いて来ている。
「邪魔。」
ユーコは、20億はするであろうダイアモンド付きの首輪を外して、俺のほうに投げた。俺は慌ててそれを拾い、宝箱に入れてリュックに閉まった。
それから、お互いに木刀を選んで、道場の真ん中で向かいあった。
「おれの名前はケサギ。」
「私はユーコ。先に行かせてもらう。」
そう言って、ユーコが構えると同時に木刀を振り下ろした。
「チェストー!」
気合い一閃、木刀と木刀がこすれ、摩擦による白い煙があがって見えた。
10度、木刀を交えたあと、ケサギの木刀が折れた。
「くっ、俺の負けだ。」
「左肩がさがっている。初めの少しのゆがみが、あとには大きくゆがむ。 今のうちに直せ。」
どこで覚えたのか、ユーコがそう言うと、
「剣聖ムサシの言葉か。若いのによく知っている。」
ケサギが感心して、そう言ったが、
(いやいや、あれはきっと、そのムサシとかやらに直接聞いたのだろう)
と、俺とランケが思ったのはもちろんのことだった。




