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46.表と裏
ひどまず、金策がついたので、ユーコの学校の話を進めた。まずはクリスティーナが通っている学校の土曜学校に1か月ほど通い、問題がないようなら、通常クラスに編入させる予定となった。
ユーコの学校が決まった夜、俺は『赤毛のアン』の話を聞かせた。
プリンス・エドワード島のマリラとその兄マシューは、孤児院から男の子を養子に迎えることに決めたが、実際に送られて来たのは、おしゃべりな女の子のアンだった。
アンは一泊だけマリラ達の家で過ごし、孤児院に送り返そうとしたが、その道中、近所の3人の子持ちのおばさんが子守にアンを欲しいと言い出した。
アンに少なからず情が湧いていたマリラは、勢いでアンはうちで預かると言い出し、アンは大喜びをした。
「変わりの子、かわいそう。」
と、ユーコが変なことを言い出した。
「ん?」
「アンの変わりに、誰かが子守のために孤児院から送られた。きっと苦労した。」
「ああ、そういう見方もあるな」
何事にも表と裏がある。
「私は、子守りでいい。マニラの家には行かない。」
ユーコの純粋さには驚かされる。
これなら、学校でも上手く行くだろうと、俺は思った。




