27.ダークエルフ
地図が仕上がるには1ヶ月程度は掛かるということなので、俺とユーコは、冒険者ギルドに行って、冒険者登録をすることにした。
(ここからは俺の知らないルールになるはずだ。)
どんなルールになっているのか分からなかったため、5000P貯めたポイントもまだ割り振っていない。
「ダークエルフ」
冒険者ギルドに向かう途中、ユーコがそう呟いたので周囲を見ると、俺の知識の中にあるのと同じイメージのダークエルフの少女が、道端で何やら商売をしているようだった。
「マッチは入りませんか~」
声は出してはいるが、少女はずっと下を向いて絵を描いていた。
「お嬢ちゃん、絵が上手いね」
「あ、お兄さん、ありがとう。」
「絵を書くのが好きかい?」
「うん。大好き。」
少女の明るさは俺のイメージしていたダークエルフのそれとは違っていた。
ダークエルフは本来、主のために働くが、その主のためというのが、余りにも本質すぎて、人間には理解されなかった。
例えば、裕福な家に仕えたダークエルフは、そのお金が家族を不幸にすると知っていたため、お金をわざと盗ませたりした。
そんなこんなで、欲深い人間にはダークエルフは理解されず、奴隷としてしか雇っては貰えなくなってしまったのだ。
「お嬢ちゃん、この町や世の中は好きかい?」
俺が続けて質問をすると、ダークエルフの少女は再び笑顔になって、
「うん。大好き。」
「どうして好きなんだい?」
「だって、神様が造った世界なんだから、嫌いになったら神様がかっかりするわ。私も自分の描いた絵が貶されたら悲しいもの。」
(おい、神様ちゃんと聞いているか?)
俺は神様が聞いたらうれし泣きをするんじゃないかと、感動した。
・・・
後に、あるダークエルフが旅の絵描きを始めると、何故か、行く先々で最高の景色をタイミング良く見ることができ、それを絵にしたため、一流の絵描きとして有名になったというのは別の話である。




