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24.日記
日記は不思議なものだ。明日の日記を今日書こうとしても書けない。明日以降は真っ白なページでしかない。
しかし、明日の夜になると、書きたいことでいっぱいになる。それも、全然想像していなかったことばかりで真っ白だったノートが埋められる。
「とりあえず、今日のところは、こちらで宿をご用意いたしますので、そちらでお休みください。」
急な出来事で、お店がバタバタしていたので、主人に会うのは明日ということになり、今日のところは宿でゆっくりすることになった。
(ベッドで寝るなんて久しぶりだな・・・)
宿にはペンとノートが置いてあったので、俺はこれまでのことを日記に記した。
「何をしている?」
同じ部屋に泊まることになったユーコが聞いて来た。ユーコは会話は出来るが文字は読めないらしい。
「これは日記というもので、話を後から思い出せるように、字というものを使うんだよ。」
「ふーん」
「ユーコにも少しずつ、字を教えてあげるよ」
「うん。分かった。」
「そろそろ、晩御飯が出来たころだろうから、下に降りよう。」
急な宿泊になったため、ご飯が準備されていなかったので、少し遅れての晩御飯になったのだ。
「うん。美味しい」
俺たちはこの世界の料理を堪能した。
(また一つ日記に書くことが増えたな)
俺は料理とともに、生きている実感を十分に味わった。




