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それは正に空中に浮かぶ生命のゆりかご

それは機械によって守られた最後の希望

でもそれは生け贄と引き換えに得た未来


朔望月の内部空間に浮かぶ二つのメガフロート。

それは金属ともコンクリートのような人工物とも思えない朔望月の外壁と同じ素材で作られた人工島。

そこは生命の温かさも気配も感じない、冷たい空気と止まった時の包む空間。


俺の休息とバトルドールの調整の為に上陸した一つ目のメガフロートには、最初の地球から運んだ人間や動植物、そして第二地球などの新天地で新たに生まれた優良種の遺伝子が冷凍保存されていた。

そしてここには加工食品や日用品、医薬品などの生産施設と、朔望月の運航に最低限必要とされた生きた人間と亜人が暮らした今は無人の居住区画…あからさまに区別された二種類の建物が存在した。

デミヒューマンやビーストたち亜人が押し込まれた簡素なものと、上級船員とされた人間が暮らした豪華なもの…

そこは今の今まで人々が生活していたかのように、埃ひとつないテーブルに、キレイに洗われたベッドのシーツにはシワひとつない。

でも…何の匂いも音もしない。

キレイだけど、ただそれだけの生活感のまるでないモデルルームのような無機質な部屋。

人がここを離れてからも、ドローンたちは毎日欠かさず掃除していたようだね。


3体の宇宙マンボウ進行の際に一度使用されたらしいが、その時その人たちはどんな感想を抱いたのかしら…

緊張から解放された喜びか…

それともまた0から始めなければならない絶望か…

どちらにしろゴールの場所もわからないマラソンのスタート地点としては、この部屋は寂しすぎるね。


「マスター。ちょっとよろしいですか?」

バトルドールの調整を終えてやってきたアップルの顔は、アンドロイドだから顔色まではわからないが、その声のトーンで良くない報せだという事がわかる。

外に出てアップルの見つめる先を見てみれば、それは空中に浮かぶもう一つのメガフロート。

そこでちょっとした問題が起きた。


何かいる…


事前に入手した情報では空中のメガフロートには、いま生物はいないはずだった。

だが冒険者の数名が同時に目撃したその何かは、メガフロートの奥へと姿を消した。

…とはいえ空中のメガフロートにも多くのドローンが稼働しているし、海上のメガフロートにはここで生まれた新種の生物が多数存在する。

その中には鳥類や巨大昆虫の類いもいるだろうし、飛べない生物も飛行型のドローンに忍び込み、ここまで運ばれてきた可能性もあるのだが…

「徳川社長はなんだって?」

「それが…アースガルズに連絡を取ってもらったのですが…いま…ネイさんを連れて何処かにお出かけ中とのことです。」

「…。」

「…みんなも怒ってました…」

━〈マスター心の叫び〉━━━━━━━━━

自分で言い出した作戦の真っ最中なのに!

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


「…それでアルフヘイムのみんなは、マスターの判断に任せますって。」

「…そう。」

異変のあったもう一つのメガフロートにあるのは、新しい生命を生み出す実験施設ともう一つ…


第五地球を発見するまでに捕獲した星喰の研究施設。


その何かが稼働中のドローンや、害のない生物なら問題はない。

だがそれがもし目覚めた星喰や、その一部だったとしたら…

「でも警報とかも出ていませんし、大丈夫じゃないですかね?」

「う〜ん…」

先ほど聞こえた音が、その何かが発したものだったら…

その時感じた嫌な予感が的中したら…


やっぱり一度確認したいね。


…ただどうやって移動するかだな…

俺たちはコンピュータのカスパールに細工をする事で朔望月のセンサーや、稼働中のドローンに認識されないようになっている。

だが朔望月中心部の球状建造物にいる黄金の林檎に直接見つかるようなことがあれば話しは別だ。

だからここまで飛行型ドローンに隠れるようにやってきた。

でもいま…あのメガフロートに向かうドローンがない。


「明日の朝になら定期船が出るようです。」

「…一晩ここで足止めか…」

予定にないドローンを細工して動かせば、さすがに怪しまれる。

それにそこまで時間をかけてもいられない。

俺たちは当初から、最初の地球の座標はあの球状建造物にあるとふんでいる。…まああればだけど。

そこは黄金の林檎のお膝元…

そこから最初の地球の座標を奪う。

それも彼らに見つかることなく、何事もなかったかのように。

そうでなくては、この世界に残していくみんなの、この世界での立場が悪くなる。

それだけは避けないとね。


時間を掛ければ掛けるほど、彼らに見つかる可能性も増す。

…バトルドール単機ならいけるかな?

ブリュンヒルデなら、もし大型の星喰が現れてもいける気もするが…

「それでしたら、こういうのは如何でしょう?」

「…?」



アップルの出した作戦は、如何にもアンドロイドらしいアンドロイドじゃなければ出来ないような無茶苦茶なものだった。

…でも確かにそれなら上手くいくかも…

俺は一つ条件を出し、その作戦を実行させた。


バトルドールの手のひらに乗った数名の冒険者は、次々ともう一つのメガフロートに向かってぶん投げられていく。

これがアップルの立てた作戦。

ようは海中を移動したのと同様に人間サイズの物体なら見つからんだろうということだ。

それにアンドロイドなら、この速度や着地の衝撃にも耐えられる。

「…でも帰りはどうするの?」

「帰りは海上のメガフロートに飛び降ります。ただここまで戻るには時間が掛かりますから、そこでリタイアですね。」

「…なるほど…」


もう1,000人くらいは行ったかしら?

時間もないということで、座標の捜索とメガフロートの確認の二手に分かれることにしたのだが、ここに来た目的はあくまでも最初の地球の座標を奪うこと。

だから確認作業にこれ以上の人員を割くわけにはいかない。

「ではお願いします!」

「…やっぱりやめませんか?マスターの身体じゃ危ないですよ!」

「ダメです!行きます!」

「無理ですって。」

「そこをなんとかするのが君たちの役目です。」

「…。」

「大丈夫!なんとかなるよ!」


俺が出した条件は、俺も確認作業に同行させること。

同時進行で行われる捜索と確認。

大事なのは座標を手に入れることだけど、嫌な予感のすることに彼女たちだけを行かせる気にはならないからね。

「…わかりました。ではこれも着けて下さい。」

アップルに手渡されたのは、小さく折りたたまれた紙状のもの。

「…何これ?」

「生産施設から拝借してきた成人用の紙オムツです。万が一のことがあってはいけませんから。」

「…いや、これはさすがに…」

「それではお連れ出来ません。」


頭皮がピンチで紙オムツ…

俺の心が折れるのを期待したアップルの考えか…

だが甘い!俺の覚悟をその目に焼き付けるが良い!

俺は着ていたスペーススーツを脱ぐと、アップルたちに見えないように後ろを向き、その場で一気にズボンとパンツを下ろし躊躇うことなく紙オムツを装着した!


「おおぅ…」

目の前に現れた張りのない俺のお尻を見せられたアップルは、諦めたように声を漏らす。

「これで文句はあるまい!」

「…困ったひと…」

アップルは呆れ返る他の冒険者たちに、俺の移動と捜索組に出発するよう指示を出す。

「パンツはオムツの上に履くべきだろうか?」

「知りません!!」

とりあえずパンツも履き準備を終えると、アップルは突然俺をお姫様だっこで持ち上げる。

「えっ!!」

「私も行きます。」

「いや…アップルは捜索組で指揮をとってよ。」

「妹たちも確認組ですし、私がいないとマスターは死んじゃいますから。」

「…でも。」

「なんとかするのが私たちの役目なんでしょう?」

「…やさしくしてね…」


アップルは俺をお姫様だっこしたままバトルドールの手のひらに飛び乗ると、小さくうなずきバトルドールのパイロットに合図を送る。


やめときゃ良かった…

俺は目をつぶりアップルの首にしがみついているので周りは見えない…

…だけど感覚でわかります…

バトルドールは俺たちをそれまでとは違い、やさしくふわっと大きな弧を描くように放り上げた。

それでも感じる凄い風圧。

それも徐々におさまると、今度は一気に急降下…


なんだか魂が抜けそうですよ…

「あっ!やべっ…」


ଘ(੭*ˊᵕˋ)੭✩‧₊˚0(¦3 )=~


数時間ぶりの幽体離脱です。

その時のことは一瞬だったので良くわかりませんが、アップルと妹ズたちの言い合いを見ていると、どうやらアップルが途中で俺を落とし、妹ズはそれをキャッチしそこねたようです…

冒険者の一人が嫌な感じに平たくなったスペーススーツを中身ごと引きずると、そこは血の海…

…これはさすがにあかんか…

〈それじゃあ逝こうか。〉

いやいやいやいや…


するとアップルはブリュンヒルデのコクピットから持ってきた梓が用意した謎の袋を取り出すと、中身を確認し一本のアンプルを手に取った。

まさか…

俺は必死にアップルを止めようとするが、幽体の身体ではアップルの身体に触れる事すら出来ない…

アップルは俺のヘルメットを外すと、アンプルの中身を俺に飲ませる。

すると潰れていたスペーススーツの中身がボコボコ膨ら…


「ぐはっ!!」


「…目が覚めました?…気を失っていたみたいですよ…」

「えっ?」

「…ラグナロクのギルドマスターが、そんな事では情けないですよ?…」

「いやっ!おおっ…」

なんだこれは?

慌てて身体を起こすと鈍い痛みが全身に走り声が漏れる。

それなのに、どうしてみんな目を合わせようとしないんだ?

周りを見ると先ほどまであった血の海は、すでにお掃除ドローンが跡形もなくキレイにしている。

その横で口笛を吹く妹ズたち…


こいつら……誤魔化す気や……知らんと思って、無かったことにする気や……鬼の子や!


「…マスター…落し物です…」

「あっ?…あっ…ああっ…」


涙がでた。

それは…ごっそり逝った俺の毛髪。

…こうなることも可能性は当然あった…それは覚悟の上で志願した…でも、こんなに?

…他に方法は無かったの?…ここの施設を使えばいけたんじゃん?


「ザビエル…じゃなかったマスター。そろそろ行きませんと。」

ザビ…慌てて手袋を外して頭頂部を触ってみれば……

━〈マスター心の叫び〉━━━━━━━━━

頭頂部逝ったーーー!!!

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

あるはずのモノがそこには無く、指先に触れるのはつるんとした地肌のみ…

メガフロートに吹く風も、ハゲ散らかした頭頂部だけが悲しく冷たい…

「あああっーー……」


なんという悪魔の所業!

そしてごめんなさいの一言もなし!

これはいかん!お父さんはお前たちを、そんな子に育てた覚えはありませんよ!

文句を言おうと顔を上げると…


そいつと目があった。


正確には目かどうかもわからないが、真っ白な体に空いた二つの黒い穴。

物陰からこちらを見ていた人の背丈より少し大きい程度のその何かは、慌てたように通路の奥へと姿を消す。


「散れ。」


俺の声とほぼ同時に1,000人近い冒険者が、俺とアップルたちを残して一瞬で消える。

あの何かが、あれ一匹とは限らない。

後を追った者たち以外はメガフロート全体に散らばり索敵を開始してくれたようだ。

ただ…

散らばるのは私たち?それともマスターの…という声を確かに聞いた!

犯人は後で必ず見つけ出す!絶対にだ!


「…星喰ですよね?」

「…初めて見たね。」

妹ズが携帯端末でエネミー図鑑を確認しているが、おそらく出てこないだろうね。

うちのギルドは全ての星喰を撃破し捕獲してきたが、あんなものは見たことがない。

そもそもゲームの戦闘はギルド艦やバトルドールでおこなうのだから、人間サイズなんて用意する必要はない。

…でもあの姿形は間違いなく星喰だ。

「…設定上は存在したのかも知れませんね。」

「…そんな設定見たことないと思うけど…」

「私たちが戦闘以外にいつもやっているギルド艦の艦内巡回…必要あるのか疑問でした。私たちに悪さをしようと考える人間が、この世界にいるとも思えないのに…」

つじつま合わせで生まれた存在という訳か…

でもそれならいつからいたんだ?

今まで見たことも聞いたこともないものが…何故ここで?


「後を追います。マスターは…」

「もちろん一緒に行く。」

アップルは小さな溜め息の音を出すと、ヘルメットと小さなビニール袋を手渡してきた。

俺は愛しき髪の毛たちを袋に入れると、細心の注意を払いながらヘルメットを被る。

「それでは行きます。…今度は気絶しないで下さいね。」

━〈マスター心の叫び〉━━━━━━━━━

まだ言うか!!

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


アップルはビニール袋を受け取るとそれを謎の袋に大事そうにしまい、再び俺をお姫様だっこで持ち上げる。

「先に行って。私たちは後からゆっくり行きます。」

アップルが妹ズに指示を出した次の瞬間、視界が一気に暗くなり身体がきしむ。

…これでゆっくり…


アップルのたくましい腕に包まれた俺は、超高速のジェットコースターに乗せられたように右へ左へ上へ下へとグルグル回り、超高回転の脱水機にかけられたように精も根も絞り尽くされる。

…薄れゆく意識の中で…笑顔のネフィリムがこっちにおいでと手招きしている…あかん!


何かを察したアップルの急ブレーキ!

そして砕ける俺の骨!!


アップルは俺を床に降ろすと、俺のヘルメットを外し顔を手でパタパタと扇ぐ。

やれやれ…超回復の副作用がまだ残っていたようで助かったけど、ここはいったい何処かしら?

何層にも分かれたメガフロートの内部は複雑に入り組み、そこを何も見えない状態で運ばれたもんだからますますわからん。

「…マスター。あれ…」

まだ視界ははっきりしないが、ぼやけていても良くわかる。

床から天井まで伸びる巨大な柱のようなそれは、この空中に浮かぶメガフロートを管理するコンピュータ〈バルタザール〉


そしてこのフロアの壁を埋め尽くす巨大な透明のカプセル。…その中には…


「…これ全部、星喰か?」

「どうやらここがこのメガフロートの中心部みたいですね。」

「お姉ちゃん〜!こっち〜!」


手を振る妹ズの声に緊張感はまるでない。

でもその横のカプセルは…問題だらけだ…

床には中に入っていた液体が溢れ出し、脱皮でもしたかのような気持ちの悪い物体が散乱している…だけど…空になったカプセルは内側から破壊されたわけではない。

何者かがバルタザールを操作し…こいつを解き放った…


「マスター!やったよー!」

「えっ?」

「でもごめん。捕獲には失敗しちゃった。」


えっ!?…いきなり問題解決?

後を追っていた冒険者のひとりが、下半分が吹き飛んだ状態の、元は星喰だったんだろう物体を引きずってやってきた。

「ぐちゃぐちゃじゃない…」

「びっくりしましたよ。みんなで取り囲んだら、いきなり自爆するんですもん。」

まあこいつを生かしたまま捕獲できたとしても、情報を聞き出せた訳じゃないけどね。

「みんなに怪我はないの?」

「ピンピンしてますよ。みんなはいま飛び散った肉片を集めています。…でもおかしいんですよね。お掃除ドローンがまったく反応しないんですよ。」

「…故障ってわけじゃないよね。」


一つのカプセルが開き、その中にいた星喰が逃げ出したのに、警報のひとつもない。

…カスパールに細工した事の影響かしら?

…それとも…

「とりあえずこいつの画像をアルフヘイムに転送してちょうだい。それと念のため、みんなにメガフロート全体の安全確認を。」

「もうやってます。」

「…。」

俺が指示するより早く、アップルは携帯端末を使ってみんなへの一斉送信を終えていた。

それと同時に舞い込む確認済みの音声通信。

おそらくみんなクリアと言っているのだろうが、人数が人数だけに聞こえるのはクリクリクリクリ…

まあ、空になったカプセルは一つだけだし、心配はないだろうけど…


その時。


◤◢緊急事態発生◤◢◤◢WORNING◤◢

◤◢緊急事態発生◤◢◤◢WORNING◤◢

◤◢緊急事態発生◤◢◤◢WORNING◤◢


耳をつんざくような警告音が朔望月の防衛システムではなく、アップルの…だけじゃない…俺や妹ズの携帯端末からも鳴り響く。

しかも索敵中のみんなからの知らせではなく…ヘイムダルから?

《 ((((;ºДº;))))) なんじゃこりゃー!朔望月内部のそこら中にちっこい星喰が大量発生!只今みんな交戦中!! 》

…このメガフロートではなく、朔望月全体に?

《 (((;°∅°:))) あわわわわ… 》

「数は!?」

《 ヾ(°ω。ヽ≡ノ°ω。)ノ゛ えっ?あっ?うっ?…うじゃうじゃいます! 》

━〈マスター心の叫び〉━━━━━━━━━

まさかのアバウト!!

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


外部からの進入なら朔望月を監視しているヘイムダルが気付いたはず…

逃げ出した星喰が一匹だけなら今みんなが交戦している星喰はいったい何処から…

でも…その答えはすぐにわかった。

メガフロート全体に連続する振動と轟音。

それと同時に引きずられてきた肉塊と、空になったカプセルの前に散らばる物体が膨れ上がる…


なるほど…増殖か…


こいつは俺たちに見つかる前から何度も自爆を繰り返し、数を増やしていたわけか…

まったく…見たこともない新種の敵に、これまでに無かった新しい能力とは…この世界も楽しませてくれる。


あっという間に俺たちを取り囲む数十体の小型の星喰。

どうやら肉片の大きさは関係ないようで、どれも同じ大きさに復元している。

が…それも俺たちに襲いかかろうとした一瞬、無数の肉片に姿を変え壁に叩きつけられる。

アップルたちは手に付いた肉片を振り払うと、口から炎を吐き肉片の焼き払う。←そんな事まで出来るんですね!!

俺はといえばただ立ち尽くし、身体の一部をあったか〜くしていただけ。←オムツを履いていて本当に良かった!!


「現時刻をもって作戦は中止。これより黄金の林檎のメンバーの保護と小型エネミー群の掃討戦に移行する。」

俺は自分の携帯端末で朔望月に潜入している全て冒険者と、ヘイムダルを通じアルフヘイムにいる全ての冒険者にもそう指示を出す。

「マスター!!」

「それしかないよ。」

燃えさかる炎は肉片を黒く焼いていく…

だが…それでも肉片は再び元の姿に戻ろうと再生と消滅を繰り返している。

炎が消えれば元通り…これでも時間稼ぎにしかならないか…


《 ヾ(°ω。ヽ≡ノ°ω。)ノ゛ マスター?あれ?アルフヘイムと連絡が取れません。あれ?でもこちらの状況は送信は出来たのかな?ああ〜もうなんだかわかんない… 》

どこもいっぱいいっぱいかな?


「…でもそれではマスターが…」

アップルはうつむいたまま、まだ燃えている肉片を踏み潰す。

「言いわけは後で考えるよ。それより今はこの朔望月をなんとかしないと、この世界が大変なことになる。」

「こんな世界どうなったって…」

最後まで言わせないよう俺はアップルの頭を軽く小突く。

こんな…じゃないよね?

でも、そんなことはアップルも分かっているよね?

「…ごめんなさい。」

「さあ、なんとかしよう!」


メガフロートのあちこちに散らばっていた冒険者も集まり、外にいるバトルドール部隊からも通信が入る。

だがその内容は予想通りか…


「ヘイムダルもこちらに来てくれるかな?」

《 ╭( ・ㅂ・)و もう向かってます!みんな!私が行くまでマスターを頼むよ! 》

「それとアルフヘイムと連絡が取れたら教えてちょうだい。」

《 (・ω<)-☆ 了解!でもなにやってるんだろう?あの子らはこの忙しい時に! 》

「…そうだね。」


朔望月内部に星喰が出現した途端、アルフヘイムとの連絡が取れなくなる…

これはもう偶然では片づけられない。

あの子たちなら、もうマスター不在でもなんとかするだろうが、最悪増援は望めないかもしれないな。

「…でもどうしたら?」

「まずは俺と黄金の林檎のメンバーの保護を最優先でお願いします!もう死にたくありませんよ!それにはまず球状建造物に向かい、ヘイムダル到着までの籠城戦だ。」

妹ズはそっぽを向き口笛の音を出ししらばっくれる。

こいつら…だがまあ良い!倒せないならヘイムダルに搭載している捕獲器になんとか押し込んで封印するしかない。

あとは…


しかし…何処のどなたが用意したシナリオかは知らないが、これで終わってくれるのかね。

台本があるのなら最初から見せておいて欲しいものだが、そのシナリオでの俺の役回りは、はたして世界を救う正義の味方か、世界を滅ぼす悪の親玉か…

子供の頃の学芸会で森の木Bしかやったことの無い俺には、どちらにしても大役だね。


しかし俺にこの先の生存ルートは用意されているのかしら?


アップルは俺をお姫様抱っこで持ち上げると、今度は本当に先ほどと比べればだけれどゆっくりと走り出す。

まずはみんなと合流しないと。

立ち回り方はそれから考えるとしよう。


◤◢緊急事態発生◤◢◤◢WORNING◤◢

◤◢緊急事態発生◤◢◤◢WORNING◤◢

◤◢緊急事態発生◤◢◤◢WORNING◤◢


「今度はなに!?」

《 ((((;ºДº;))))) マ…マスターの毛根がー! 》

『やかましいわっ!!!』




m(_ _)m

あれは5月末…投稿しようとしたのです。

が!誤って削除を押してしまいました!

涙がでた…

バックアップをとっているわけもなく、なんとか思い出しながら書き直しましたが、全く別物になったなぁ〜(´д`)


またやったらどうしよう…

私はたまにやるのです…


THEダメ人間な十でした…

気をつけます…

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