031 Hello, World
朝起きる→ゲーム
ごはんを食べる→ゲーム
ゲーム三昧→寝る
毎日それの繰り返し…
暇すぎる…ここに来て、はや半年…
よもや忘れられてはいないよね?
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暴君:お兄ちゃん!ぼさっとしてんな!
下僕:すいません…
千葉県:まあまあ、下僕さんもお疲れですから。
民号:そうですよ!今日は御隠居さんもいますし、ゆっくり行きましょう!
御隠居:すいません…足手まといで。
〼田:マイペースですよ御隠居さん!
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ここは第五地球のホッカイドウにある更生施設《Abashiri》
東京ドーム20個分の広さを誇る巨大ドームの外は、バナナで釘が打てるほどの極寒地獄だ。
ちなみにこの世界に東京ドームは無い。
それなのに、東京ドーム◯個分という広さを表現する言葉だけは何故だか存在する。
ただでさえ良く分からない表現なのに、誰も実物を見たことがないもんだから俺だけじゃなく、この世界の誰もがそう自慢されても、まったくもってピンとこないのです…
この広大なドーム内には人工的に作られた森や小川などがあり、天井には空が映し出され、人工的な雨も降る。
ここには入所者たちを集団で閉じ込めるような建物はなく、小さなコテージが各自に割り振られている。
とは言っても、このAbashiriには俺とあともう一人、小さな女の子の二人しかいないんだけどね。
このAbashiriはSランクという、この世界に必要無いとされた人間が入所する最高ランクの更生施設。
しかし入所者たちには更生の為のプログラムもなく、要は死ぬまで入ってろ…という事らしい。
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暴君:オラァー!死ねーー!
下僕:梓!女の子がそんな言葉を使っちゃダメ!
千葉県:ダメですよ下僕さん!暴君さんって呼ばないと!
民号:うひゃー!もう抑えきれない!回復してー!
御隠居:お任せあれ!
〼田:違います!俺じゃなくて民号を回復して下さい!
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食事はしっかり提供され、それ以外にもタバコや、娯楽の為のゲームなども支給される。
身の回りの世話は、施設職員の鉄入ブラザーズがしてくれるし、その他にもこの世界の人間…地球教のシスターが月に一度、慰問に訪れる。
〈地球教〉
この世界にある五つのスペースコロニーのひとつ〈ヴァナヘイム〉に本拠地をおく、この世界最大の宗教団体。
人類発祥の地である〈最初の地球〉を神の眠る聖なる星と崇め、再びそこに戻る事を目的として行動する集団だ。
鉄入くんやシスター以外ここを訪れる者はなく、面会も許可されないSランクの入所者には、外部との接触も外の情報を得る手段もない。
そこで徳川社長が用意してくれたのが、ユグドラシルと三星重工が共同開発した最新ゲーム機《阿頼耶識》である!
世界と隔離されたこのAbashiriで、世界と繋がる唯一の手段…
阿頼耶識専用ゲーム《ニーベルング》をプレイするのだ!
ニーベルングは、アニメや漫画でお馴染みの夢のゲーム!
Virtual Reality Massively Multiplayer Online!
そう!あのVRMMOなのである!
現実世界よりずっと未来のこの世界なのに、まったく進歩していないファンタジー設定!
でもそれが良い!
それでこそファンタジー!
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《猛獣戦隊》
暴牛:待っておったぞ!ゴミ虫ども!
闘犬:八つ裂きにしてくれるわ!
猛虎:ニャハハハ!ぽち声を変えてないニャ!
妖狐:あっ!御隠居さん随分レベルが上がったね!
白狐:本当だ!それに装備もすごい!
白兎:負けないよぉ〜!
《貧乳はステータス》
暴君:ふははは!返り討ちにしてくれるわ!
下僕:もうそのキャラやめない?見てて辛くて…
千葉県:ちょっとタンマ!体力回復して無かった!
民号:いまお肉焼いてるよ!
御隠居:ありがとうございます!がんばりました!
〼田:みんな御隠居さんには手加減してね!
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ニーベルングでもPKは日常茶飯事。
負けても失うものは何も無いので、腕試しに丁度良いのです!
俺はチーム〈貧乳はステータス〉を結成し、愉快な仲間たちと共に、大冒険をくりひろげている。
最近仲間になった御隠居さんは、この世界のプレイヤーで、いまは一流のヒーラーを目指して頑張っています。
頑張っているといえば、アルフヘイムのみんなも頑張っています。
アルフヘイムでは遅れていた改装も進み、人工ビーチやカジノが完成した。
新たに三星重工もスポンサーになってくれたし、壊滅状態の宇宙軍を補う為の戦力として第五地球政府から予算が入った。
O-103さんを中心として第五火星の整備も進み、ヴァルハラをラグナロクの第二支部とした新しい冒険者ギルド〈エインヘリアル〉を立ち上げた。
他の惑星や衛星で暮らしていた人々も第五火星に集まり、冒険者になる為の申請が後を絶たないのだとか。
それと第五地球でも動きがあった。
それまでの政府首脳陣はその職を追われ、現在はあの黄金の林檎という最高意思決定機関が取り仕切っているのだとか。
良く分からない連中だけど、文句を言ってこれまでの事が白紙になっても困るので、何も言えない。
徳川社長は新しい指導者の一人に選ばれたらしいが、お断りしたんだそうな。
そんな事をして大丈夫なんだろか?
でも良い事もあれば悪い事もある訳で…
茶番劇とはいえ戦争の爪痕は色濃く、第五火星周辺や宇宙回廊に多くの残骸を撒き散らしてしまった。
戦争に参加した冒険者たちにも、まったくお咎めなしとはいかず冒険者たちには更生プログラムに則り、残骸の撤去や無人機の頭の回収など、3か月間の無給の奉仕活動が命じられた。
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暴君:おととい来やがれてんだっ!
下僕:もう、お兄ちゃん嫌だよ!
千葉県:〼田さん死んじゃいましたね。
民号:御隠居さん蘇生お願いします!
御隠居:もうMP無くなっちゃいした。
〼田:(…。)
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失われた世界の力も急速に復興しつつある。
それは宇宙マンボウと、その卵のおかげだ。
捕獲した宇宙マンボウの調査は難航しているようだが、卵の方はそのエネルギーの活用が始まっている。
なにせ卵ひとつで須弥山の金剛杵3発分のエネルギーだというから、軍事利用だけでも相当なものだ。
しばらくは公的利用だけらしいけど、民間でも利用できるようになれば、みんながその恩恵を受けられるようになるだろう。
三星重工では低下した宇宙軍の戦力を回復する為、新たな戦艦やバトルドールが製造されている。
それと今回のような複数の宇宙マンボウにも対応できるように、5隻の巨大戦艦にも須弥山と同じ金剛杵が搭載される事になった。
ユグドラシルでは宇宙マンボウの進行で、新たに生まれた巨大ルートの防衛と、失われた第五ダイモスの代わりとなる、新しい移動型スペースコロニーの建造が始まった。
この新型コロニーは、宇宙マンボウから出現したあの謎のコロニーと同型で、名前は〈スヴァルトアルフヘイム〉
あの謎のコロニー…
あれは8年前、当時の人口の半数を乗せて旅立ったコロニー。
ネフィリムが異人と呼んだ、俺と同じかつてのゲームプレイヤーと、その仲間たちが作ったコロニー。
その名は〈ミズガルズ〉
調査を行っていたユグドラシルの担当者の話では、中に人間の姿はなく航宙記録も全て消去されていたそうだ。
ただコロニーの中心部で壊れたアンドロイドが発見された。
幸い頭部に損傷はなく、現在修復作業が進められている。
担当の鉄入くんの話では、彼は鉄入シリーズの先行量産タイプ、兄弟たちに《伝説の十人》と勝手に呼ばれている内の一人、鉄入7号だということだ。
彼が目覚めれば、分からなかった異人の事や、消えてしまった人々の事も分かるかも知れない。
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暴君:一度街に戻るか…おい下僕!これを持て!
下僕:…。
暴君:返事は!?
下僕:…はい。
千葉県:大分お金も貯まったし、装備を新しくしようよ!
民号:良いね!私は新しい盾を買おう!
御隠居:私は新しい魔法を買います!
〼田:(まず俺の蘇生をお願いします!)
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そしてこのミズガルズは調査と補修が終了次第、ラグナロクに譲渡される事が決定された。
つまりこれで出ていけ!ということだ。
みんなのおかげで、一応だけど俺は世界を救った救世主という事になっている。
この世界の外…ソール恒星系の外では何が起こるか分からない。
そんなところに追い出すのだから、餞別代わりにくれてやるという訳だ。
でもこれで、帰るための足は手に入った。
何処へ行けば良いのかも分からないし、どれだけ時間がかかるかも分からない…
それでもコロニーなら食料なども生産できるし、水や資源は適当な小惑星から採掘できる。
でも帰れたとしてもねぇ〜…
この世界に取り残されて、随分になる。
まだ一年は経たないが、それにしたって長すぎる。
これはずっと気にしていた事だけど、怖くてずっと考えないようにしていた事…
現実世界での俺はどうなった?
意識だけが、ここにあるのか…
それとも肉体ごと、ここにあるのか…
あの時俺は、スーツを着てタバコを吸っていた。
それは仕事を終え、帰宅した時のまま…
それなら肉体ごとと考えた方が良いのかな?
それなら現実世界の俺は、突然消えた失踪者。
仕事はどうなったのかな?
クビかなぁ〜…この年齢で無職かぁ〜…
部屋はどうなったのかな?
秘蔵のお宝がぁ〜…親が見たら泣くなぁ〜…
もう一層の事、この世界でこのまま暮らした方が良いのかなぁ〜…
謝れば許して…くれないよなぁ〜…
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《机上登山部メンバー募集!!》
メンバー2名募集中ですღゝ◡╹)ノ♡
興味があったら、山ガール・樹液・紅茶・白船までご一報を!
さあ、あなたも一緒にlet's机上登山!
暴君:机上登山ってなんだよ…
下僕:机上登山とは、その名の通り机上で行う仮装登山で、資料をもとにシミュレーションのみを行うそれはそれは崇高な…
暴君:うるさい黙れ。
下僕:…すいません。
千葉県:あっ!また林檎隊と生姜隊が新しいダンジョンクリアしてる!
民号:本当だ…どんだけやってんだ?
御隠居:何ですかそれ?
民号:ダンジョンとかを初めてクリアしたチームは特別に、それぞれのダンジョンとかの情報にメンバーの名前が登録されるの。
御隠居:…そうなんだ…
〼田:(蘇生を…)
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現実世界に戻る為に、彼女たちもついて来てくれる。
それ以外にも、きっと沢山の人が協力してくれる。
でも…
もし俺が現実世界に戻ったら。
もし一緒に現実世界に戻ったら。
みんなはどうなるの?
命を持った現実の存在でいられるの?
それともまたデータに戻ってしまうの?
そんな不安が頭をよぎる。
考えたって仕方がないのは分かるけど、どうしたって考えてしまう。
これはもう俺だけの問題じゃ無いのだから。
…考えてたら腹が減った…
お昼ごはんを食べてからずっとやっているからなぁ〜
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暴君:さて!〼田も蘇生したし、もう一丁行くか!!
御隠居:おー!!
〼田:それなんだけど今日はもうお開きにしない?もう夜だし…
御隠居:ええっ〜…
千葉県:そうですね。さすがにお腹も空いてきました。
御隠居:私はまだ行けます!
民号:また明日にしませんか?明日は朝からお付き合いしますから!
御隠居:…うん。
暴君:了解!
下僕:では皆さん。また明日!
暴君:ログアウトしました。
下僕:ログアウトしました。
千葉県:ログアウトしました。
民号:ログアウトしました。
御隠居:…ログアウトしました。
〼田:…………ログアウトしました。
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ヘッドマウントディスプレイを外すと、軽くめまいがした。
ゲームは1日1時間。とはいかないのがゲームだけど、今日はさすがにやりすぎた。
さて!
俺は身じたくを整えてコテージをあとにした。
もう一人の入所者を紹介されてから、夕食はいつも一緒に食べる事にしている。
事前に報告さえしておけば、鉄入くんがちゃんと準備をしてくれるからね。
Abashiriの中央には大きな湖が作られていて、俺のコテージの反対側に彼女のコテージがある。
彼女のコテージまでクルマで1時間ほど。
見上げた天井には綺麗な星空が映し出され、頬を撫でる風は少し冷たい。
今日は何を話そうかな?
今日は何の本を読んであげよう?
そんな事を考えていると、あっという間に小さな明かりが見えてくる。
コンコン
彼女の小さなコテージの、木製のドアをノックすると、顔を上気させた少女が出迎えくれた。
こんばんは御隠居さん。
こんばんは〼田さん。
さて、今日はまず何をしようか?
新章突入✧٩(ˊωˋ*)و✧
書けない時は全く書けないのに、書ける時はスラスラ書ける…
そんなもんだよね…
タイトルに英語が多いけど、全く英語が話せない十でした。




