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最後の登場者
それは今まで彼女と過ごした短い時間でも何度か感じた違和感。深夜が一虎に対して持っている認識と、一虎が自分自身に持っている認識に食い違いがある。一虎には、まだそれだけのことしかわからない。
しかし、
「ううわ!?」
その疑問を口に出そうと一虎が口を開いた時、銃撃の勢いが激しさを増した。業を煮やしたアインがさらにもう1段階〔早撃〕のスピードを上げたのだと、3次元ディスプレイの映像が告げる。
そして、
「おや、彼も来たようですね。では、竹叢くん。話を戻しますが、準備はよろしいですか?」
鎌足の笑み混じりの言葉が、今にも破裂しそうな〔苦労丸〕から発せられ、
「な、何がです!?」
と、一虎が叫び返す。
瞬間、映像の中のアイン・シュバルツの後方上空に、屹立する廃ビルの上から、無数の影。
アインに向かうそれらの影、落下する巨大な瓦礫の中心で両腕と長い黒髪を広げた人影は、最初の立候補者にして最後の登場者。
「では、〔論戦〕の授業を始めましょう」
怠惰の代名詞たる、反咲柳児の姿だった。




