第11話 武器調達作戦
武器を調達することにした。
嘘はバレた。手駒は使えなかった。残党は蕎麦屋と大工と養蜂家だった。ならば直接的な手段に戻る。武器だ。何か1つ手に入れば、状況が変わる。
まずナイフだ。
市場の刃物屋で、小ぶりのナイフを見つけた。手のひらに収まるサイズで、幼女の手でも扱いやすそうだった。私はそれを持って帰った。
リーナが来ていた。
「あら、ナイフ買ったの?」
「……調達した」
「果物剥くのにちょうどいいわね」リーナがナイフを手に取った。「貸して、林檎が来てるから」
林檎を剥かされた。
次に弓だ。
アレンが使っていた小さい弓が物置にあった。アレンが不在の間に持ち出した。庭に的を立てて、矢をつがえた。
弦が、引けなかった。
幼女の腕力では、半分も引けなかった。それでも何とか放った矢は、的の2メートル手前の地面に刺さった。
「ディア、何してるの?」
フィルが来ていた。
「弓の練習だ」
「いっしょにやろう!」
「お前には関係——」
フィルがすでに矢を持っていた。的に向かって投げた。刺さった。的の中心に刺さった。
私は弓を置いた。
「ディア、へただね!」
「黙れ」
(所要時間ここまで、半日。成果、ゼロ。フィルに負けた)
次に鍬の柄だ。
武器として使えると判断した。長さもある。重さもある。打撃力もある。物置から持ち出した。廊下を歩いていると、アレンと鉢合わせた。
「畑に出るのか」
「……違う」
「手伝ってくれるなら助かる。今日は広い区画を耕す予定だから」
畑を耕した。2時間かかった。
夕方、手元に残ったものを確認した。
果物ナイフが1本。弓は的に当たらなかった。鍬の柄は畑仕事に使った。
果物ナイフを見た。
(これで勇者を——)
アレンが林檎を持ってきた。
「剥いてくれ」
私は林檎を剥いた。
剥き方が芸術的にきれいだった。アレンが「うまいな」と言った。
「……千年の経験がある」
「料理してたのか」
「……違うと言っている」
「そうか」
アレンが林檎を食べた。
(所要時間、1日。成果、ゼロ。林檎を2回剥いた)
先日と全く同じやりとりをした。
成長がなかった。




