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犯人の気持ち



――言ってしまった…言うつもりなかったのに!!

アタシのバカ!!!大バカ!!


どうしよう…

どうにもでもなれって思ってたけど、今更いざ本人から本当の事聞くのがこんなに怖いとは思ってなかった…




リコは嫌な緊張感で硬直する



クロードがリコを見て…



「覗き見とは悪趣味だな」


フッと笑って言った



「たまたま見えただけです…」


急に怖くなって弱気になりうつむくリコ



――結婚するんだ。とか言うのかな…

わかってるけど、実際聞くのがこんなに怖くて嫌だとは…



「あの時は…」


なぜがクロードが少し笑いながら話す



――やっぱり聞きたくない!!知らないままでいい!

全部知らないフリして今のままがいい!

アタシってほんと馬鹿、聞く覚悟もないくせに感情的になって…



ギュッと目をつぶって




「やっぱいい!!」


「最低だったな俺は」




リコとクロードの言葉が被さった



「………えっ?」


思っていた言葉とは全く別の言葉に驚くリコ



「なんだ、いいのか?」


フッと笑うクロード




「主人が聞けば俺はなんでも答えてやるのに」




なぜかクロードはゆっくり目を閉じて



「疲れから少し寝る」


足を組むのをやめて腕を組んだまま眠ろうとした



「えっ!!ちょっ、ちょっと待って!!そんな気になるところで寝ないでよ!!」


思わずさっきまで座っていたクロードの横に座って肩を揺らすリコ



「城に戻るには後3日もかかる、またゆっくり話してやる」



クロードがチラッと片目だけ開けてリコを見て言った



「3日間…?」



「ここから城に戻るには馬車で最低3日はかかる」


「ええ!?そんなに遠い場所なの!?もしかしてずっと馬車で過ごすの!?」


驚いて大きい声を出すリコ


――今更だけど…全然自分がどこにいたか把握してなかったから……



「そんなわけあるか、街に寄りながら帰るから3日もかかるんだ、一応姫だしな丁重にもてなして安全に帰らしてやる」


なんだか少し楽しそうなクロードはスッと目を閉じた



「待って待って!詳しくその辺教えてから寝…わっ!」


話してる途中で思い切り体重をかけてクロードが腕を組んだまま寄りかかってきた


「お、重い…」


なんとかクロードの重みに耐えるリコ


クロードの肩がリコの頭に寄りかかかり、頭を馬車の壁に寄りかけて眠るクロード



「お前が無事で本当に良かった…」



急に弱々しく呟くクロード



――従者の契りもあるけど、一応自分が面倒見てる皇女だもんね…そりゃ、心配してたか…



「…ごめん、心配かけちゃったよね?」



「当たり前だ、お前を思わない日はなかった」



目をつぶって静かに言うクロード



――またサラッとそう言う事を気にせず言うから腹立つ…///



「少し寝る…話はそれからだ…」


本当に疲れているのかクロードはリコを見つけて安心したかのようにすぐ眠ってしまった、



自分に寄りかかって眠るクロードを見て



――気になる事はたくさんあるけど、とりあえず…今はいっか……



リコもそっと目を閉じた







ガタガタガタガタ




眼が覚めると…




クロードが窓の縁に肘をついて外を見ていた

いつの間にか寝ていたリコはまだ眠いのか寝返りをうつ

リコが動くとリコの頭に乗せられていたクロードの手が優しく頭を撫でた



――この手…クロードの手…安心する…



リコの口元がにっこり笑う


クロードの膝の上でまた眠ろうとする



…………………



ガバッ!!



「えっ!!!///」



状況を理解して飛び起きるリコ



「起きたか」


いたって普通のクロード



「あ、アタシ、いつの間にクロードに膝枕してもらってたの!?!?///」


――アタシの記憶だと隅っこで馬車に寄りかかってなんならクロードには寄りかかられてはずなんだけど!?



「俺が起きたら寝ぼけてそのまま倒れそうになったから寝かせただけだ」



「そ、そうですか…///ご迷惑をおかけしました…」


「もうすぐ街に着く」


「えっ!!」



クロードが見る方向を窓から身を乗り出して見るリコ


「あまり身を乗り出すな」


クロードがリコの腕を掴み支える


「うわぁー!!綺麗ー!!」


そんなのお構いなしに子どものようにはしゃぐリコ


真っ暗な砂漠の中にキラキラと街の明かりが光っていた


その様子を見てクロードも優しく笑った




街に着くと大きな綺麗な建物の前に止められ、

クロードに手で支えられながら馬車から降りた



「お腹すいたー」


リコがクロードに言うと


「今日はここに泊まる、夕食を準備させるから部屋で休んでいろ」



クロードに案内された部屋は広くて綺麗な部屋で

中の作り的に何個も部屋があったのでおそらく高級ホテルだった



クロードは使用人達や護衛達と話した後、リコのいる部屋に戻ってきた



「なんか旅行みたいで楽しいね!!」


いつもと違う場所、環境にテンションが上がるリコ



「随分と呑気で羨ましいことだな」


クロードはリコの為に厳重な注意を払って色々手配していたのに楽しそうなリコを見て一気に気が抜けた




その後、運ばれて来た高級ディナーをクロードと一緒に食べた


「何だかんだクロードと一緒にご飯食べるの初めてだね」


久しぶりの高級料理を美味しそうに頬張るリコ


「そうだな」


クロードの綺麗な食べ方に育ちの良さを感じるリコ



頬張ってる自分が恥ずかしくなった



「これ美味しー!!クロード!それ食べてみて!」


喜んでメイン料理のお肉を指すリコ


「お前は肉なら何でも美味いと言う」


フッと馬鹿にしたように笑った



――さすがクロード…今言われて今気づいたけど、確かにだいたい肉料理は美味しいって言って喜んでる気がする…



ふと最近よく食べていたルイのご飯を思い出した



――ルイ…大丈夫かな…アタシが居なくなってきっと寂しがってるよね…いや、けど働くようになったしきっと一人で自立してなんとかやっていけるよ!

元々家事ができるから生活には困らないし!

もう会えないわけじゃないしね、なんとかそのうち会わせてもらえるように説得しよう


今すると絶対怒られるから状況が落ち着いた時に…

それまでは元気でいてねルイ…必ず会いに行くから…

手紙も書いて来たし!大丈夫だよね…



今は信じる事しかなできない……



急に静かになったリコにチラッと視線を上げて見るクロード



「何を考えている」


「べ、別に何も!」


ハッとして慌ててナイフで肉を切るリコ


「お前が静かだと落ち着かない」


「それ、どう言う意味?うるさいって言いたいの?」


ムッとしてリコがクロードを見た



なんだかいつものクロードとの言い合いを懐かしく感じた



夕食を済ませてソファに座ってゆっくりしていると




「話さないといけない事がある」



クロードがスッと静かに横に座った



「は、はい…」


クロードの真剣な顔つきと少し怖い雰囲気に思わず緊張するリコ



――な、なんだろう…




「お前が城にいない間、誘拐した犯人がわかった。」



その言葉にハッとして固まるリコ




「色々な奴が関わり一人ではなかった、だが、一人主犯格がいて、そいつの計画で人が動かされ本人自体は何もしていなかった



その主犯格は…




第四皇女ラナ・サシルフォールの執事だった」



「えっ…第四皇女の…執事…?」


リコは驚いて目を見開く



――まってまって、嘘でしょ?どういうこと?

第四皇女様の指示とか?いや、けどさすがに皇女がそんなことするの…?

確かに、第四皇女の大好きなクロードを執事にしてるアタシを恨んでるかもしれないけどそこまでするの?


黙り込むリコ



「本人自体は捕まる前に自殺をして真相は有耶無耶なままになった…」



「自殺!?なんでそんなこと!!」


リコはさらに驚いてクロードを見る




「ああ、かなり思い詰めていたらしい…計画は失敗したしな。自分の罪が知られた以上生きづらいし、理由がどうであろうと俺は許さない。」


静かに怒るクロードを見るリコ



「そいつはラナの事をかなり崇拝していた執事だった。

ラナが皇女になる前からずっと仕えていたから関わった事はないが、俺も昔から存在は知っていた。」


――第四皇女と深い関係の執事…皇女になる前ってことは貴族の時から一緒にいたってことか…

クロードは第四皇女がまだ貴族の時に一度婚約してるもんね…



「ラナは皇女になる時もその執事を王宮にそのまま連れてきていた…


こんな事になってお前に危害を加えようとした原因は恐らく…俺だ」


目を伏せて静かに言うクロード



――そうでしょうね…… むしろそれ以外ないでしようね…



「お前には詳しく言ってなかったが、ラナと前に遊宴で話した時や、最近ラナの側にいた時にも婚約を結び直して欲しいと強く頼まれていた」



――やっぱり…第四皇女の頼みだし、それにクロードにとっても皇女と結婚なんて悪い話じゃない

けど、こうなったって事は…断ってこと…?




「だが、最初に婚約した時と今の俺は違う。」



言ってる事がわからず困惑するリコ



「別に結婚相手なんて好条件であれば誰でも良かった。俺はこの血…神力を受け継ぐ血が途絶えなければ相手なんて誰だってよかったからな、だからラナと婚約の話があった時承諾した」


――そうなんだ…別に好きとかそういうわけじゃないんだ…


後、神力って親から子へ受け継がれていくものなんだ…なんか、少し悲しい気もする。好きな人とじゃなくて、正直相手は誰だっていいんだ…特別な力がある人の定めなんだね。ただ、神力を継承したいが為の結婚…



「だが、ラナは違った。俺との婚約を心から喜んでいたそうだ。

王様が婚約者候補を集めると決めてからラナの両親が俺との婚約を解消し、皇女になるように伝えた。

婚約破棄して関係のなくなったラナと一切関わる事はなくなったが、ラナはそれでも忘れられなかったと言っていた。


数名しか選ばれない皇女の中で候補者はかなりいたが、

皇女になればまた俺に近づけると必死の思いでなったと、それは周りにいた者達から聞いた…

だが、俺は王の皇女になった以上は関わらない方がいいと思いずっとラナを避けていた。元婚約者だからと言って妙な噂を立てられるとラナの立場が悪くなると思った。それにラナは王と婚約したいと思っていたからな…」



――えっ、鈍感なの?なんなのコイツ、大丈夫?

第四皇女可哀想過ぎない?

相手の雰囲気とか反応とか見れば普通わからない!?

クロードにまた近づきたくて、必死の思いで第四皇女になったのにクロード本人は…王様と婚約したいのか、がんばれ。

みたいな態度とったって事でしょ!?

ヤバいやつかお前は!!周りに興味無さすぎだろ!


右大臣とかなって頭いい癖にそういうのは疎いってどういう事なの!?…ってツッコミどころ満載だけど、

本人はいたって普通に話してるから心の中で思い止めよう




「だが、ラナにはっきりとその話をした。王に命じられた以上、今の優先順位は圧倒的にお前だ。それが結果お前を消そうとする事になった…」



クロードが静かに話しを続ける



「ラナはその話を信頼している執事に相談していた。

執事はそれが気に食わなかったんだ、自分の大切な主人が悲しむ姿を見てられなかったんだろう…」



――まぁ、ありそうな話だよね…そりゃいなくなって欲しいよね…

きっとアタシがいなければすぐ元どおりになると思うもん。

違う人が皇女に選ばれた後、もう一度アプローチして、

一度婚約している相手だし、クロードは条件よければ断る理由もないし…

そしてなにより第四皇女は非の打ち所がないお姫様ですもの…あっちから来てくれたら断る理由もないでしょ

まぁ、1ミリも相手の気持ちに気付いてないどうしようもない奴だけど



「リコにお茶を飲ませて気絶させた侍女も城に在籍していない雇われた庶民


誘拐した男達も同じで、ただ金で雇われた盗賊だった


全部、ラナの執事が裏で手引きしていたわけだ

何かあっても消しやすいように盗賊を使ってな」



――よく今までバレずにやれてたね…

まず、その雇った侍女を城に入れる事が大変でしょうに…念入りに計画立ててやったんだろうけど、相手がクロードじゃね…


じゃあ、第四皇女は何も指示なんて出してないんだ…



「第四皇女の…主人思いの執事が姫のことを思って勝手に起こした行動だったんだね…」



なんだか複雑な気分になるリコ


「そういう事になるな」



「けどさ、クロード。確かに酷い事されたし、怖かったけどさ…」


リコがすこし伏せていた顔を上げて




「何もなくてよかった。アタシがそれで死んじゃったら…


自分の一番大切な人を自分が一番苦しめる最悪なことになるとこだった…」



――アタシとクロードに従者の契りがあるって事は知ってる人は少ない…だから、アタシを殺すとクロードが死んじゃうって事は知らなかったんだ…

じゃなきゃこんな事しないもん…



「何も知らず、第四皇女の幸せの為に罪まで犯してやった事が結果的に一番第四皇女を苦しめる事になってたなんて、そんなの辛すぎるでしょ…


ずっと寄り添っていた大切なお嬢様を助けてあげたくて、ダメだってわかっていてもきっと行動に移しちゃったんだよ…それなのに結果自分が一番苦しめる事をしようとしてたなんて…悲し過ぎる。」


リコは静かに言った



「呆れる…」


クロードが少し悲しい表情を浮かべるが口元は優しく笑いリコの頬にスッと自分の手の甲を当てた



――ひっ///な、なに…少しくすぐったい…



「お前は自分の命が危うかったんだぞ?何故、危害を加えた奴に同情する」




「た、確かに…」


――アタシ酷い事されたんだもんね…

だけどさ、理由が理由だから…なんか少し申し訳ない気持ちにもなったんだよね…


アタシがここに来た時、ムカついて嫌がらせでクロードに執事になれとかその場の勢いで言っちゃって、従者の契りとか結ばされて…だから、クロードはアタシの面倒見るしかないし、守るしかないし…



結果、それに苦しむ人が出てきて、こんな事件になっちゃって…


アタシは何も知らないから何かできたわけじゃないけど、自分の軽はずみの行動でこんな事になったらそれは気にするよ…人まで死んでるなんて…




酷く落ち込む表情のリコをジッと見つめるクロード


リコの頬をクロードの手の甲が優しく上から下に撫でて離れた




「ラナの執事の気持ちもわからなくはない…お前が苦しんでいたら、どうにかしてやりたくて俺も罪を犯すのかもしれないな」



フッと笑うクロード



――またそーやってアタシが勘違いしそうな事を…


けど、



「大丈夫、クロードはそんな事しないよ。そんな事したら一番アタシが悲しむってわかってるでしょ?」



リコもフッと笑ってクロードを見た



「そうだな…」



クロードがリコの腕を掴み引き寄せた



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