女神と犬
その後は新しい本を買って家に戻ってきたリコとルイ
リコは色々あってどっと疲れて椅子に座る
――あの後、服を着替えさせて外に出たら散々な目にはあった…
生まれ変わったルイを連れて歩いてると色っぽい女の人達に声をかけられてて…
どうしていいかわからないルイは困っていて、
ただひたすら困るルイの反応を見てお姉様方は可愛いと大喜び
それを少し離れたところで腕を組んで面白がって見ていたら…
「私はリコ様だけの奴隷なので!!」
とか大きい声で言うもんだから、思わず走ってその場を逃げたり…
路地裏に逃げ込んだら
建物の上からいきなりルイが目の前に降ってきて見事に着地して
「捨てないで下さいっ…」
泣きそうな顔で言ってたけど
「捨ててないし!!というか、どうやって上から飛び降りてきたの!?足平気なの!?」
とツッコミどころ満載だったし…
追いかける一心で体を動いたらいつのまにか建物に飛び乗ってたって言ってたけどどういうことのなのって感じだし…
ずっと周りの視線が痛かったし…
「もう、ルイとは街には行かない…」
テーブルに伏せてグッタリとしてリコが呟くと…
夕食の支度をしているルイには聞こえていないと思っていたのに聞こえていたらしく…
サッとリコの椅子の横にルイが跪いた
「リコ様、申し訳ございません。私は今日リコ様と街に出かけれらた事がとても嬉しくて、生きているとこんなに幸せなこともあるのかと浮かれていました…至らぬ点は改善しますので、どうかどうかまた街にご一緒させてもらえないでしょうか…」
饒舌にさらさらと話出しすごく悲しい顔をしてリコを見上げた
――そんな顔されてそんな事言われたらすごい疲れたけど許しちゃうじゃんか…それにルイが悪いわけじゃないしね…
正面を向いて座っていたリコは体ごとルイの方に動かして
「ごめんね、ルイ。嘘だよ、また街に行こうね」
ふと二人で待ち散策したのを思い出して優しく笑うリコ
「許していただけるのですか…」
「許すもなにも怒ってないよ」
ホッとするルイの顔を見てリコは思わず…
ポンッ
ルイの頭に手を乗せて優しく撫でた
――あっ、やばっ!つい!!
と思ってルイを見たら、
少し照れるように嬉しそうに笑い、ギュッと目を閉じて幸せそうにしていた
その表情に心を打たれるリコ
――か、可愛いいい!!///なにこのギャップ!!
見た目は整った顔で超絶イケメンなのにこんな嬉しそうに笑って…こんな顔されたらこっちが癒されるわ!
アタシより年上であろう人に可愛いは失礼かもだけど可愛い!
それにルイって今日思ったけど、本当の犬みたいに可愛いところがあって、お店の外で待っててもらった時にお店から出た時とかすごい嬉しそうにアタシのとこ来たり…
待っててって言ったらきっといつまでも待っちゃいそう…
好かれてるというよりはアタシすごい懐かれてる感じがするよ
柔らかい髪を優しく撫でると嬉しそうにするルイ
「ルイはもっと色々な人と関わらないとダメだね…」
リコは自分の膝に肘をついてルイの綺麗な顔を見る
エメラルドの瞳をまっすぐ見つつ優しく頭を撫でた
急に近くづいたリコはの顔をに少しびっくりするルイ
「他の人といるならリコ様と一緒にいたいです…」
おずおずと言うルイ
リコは頭を撫でるのをやめて
「今のルイは一人で生きていなけないくらい危ういもん。アタシの言うことばっかり聞いて…自分で考えて行動する力をつないと、アタシはルイの事がいつまでも心配になっちゃうよ」
困った顔をするリコ
「リコ様の言う事だけ聞いて生きていたいです…」
シュンと落ち込むルイ
――か、可愛い…
って違う違う!これじゃあルイの為にならない!
「そういうわけにはいかないよルイ、もしかしたらアタシが急に居なくなっちゃたらどうすんの!?」
「えっ…居なくなってしまう事があるんですか…」
驚いてリコを見るルイ
「あるかもしれないよ…実は…アタシは悪魔と契約してて…その悪魔はアタシがそばにいないと不安になってアタシを拐って行くとかね…」
怪談話をするかのような話すリコ
――まぁ、第四皇女様につきっきりで悪魔は来ないでしょうけど。けどきっと何も言わずに来たらさぞかし怒ってるでしょうね…自分の命がかかってるし…
アタシのことは心配してないだろうから。
まぁ、アタシにはアイツが怒ろうが怒らなかろうがもう関係ないけどね。
「悪魔…ですか…けど、相手がなんであろうとリコ様をお守りします。拐われたら連れ戻してみせます。」
真剣な顔でまっすぐリコを見るルイ
「…ありがとう、ルイ。」
――今はルイがそばにいて元気にしてくれるからアタシはアイツの事なんて忘れて楽しく過ごせてるよ、ありがとう。
ふふっと優しくリコが笑った
・
・
そして、次の日
――今日で3日目…絨毯まだ戻ってこないなぁ…
迷っちゃったのかな…迷子になったりして怖い思いしてないといいけど。なんかすごい心配になってきた…
最近当り前になってきてるけどこの家住んじゃって大丈夫なんだよね…
ルイはアタシの家だと思ってるから何も聞いてこないけど…月に願ったらここにいたとか言ったら絶対頭がおかしくなったと思われるし…
前の世界から来た時もそうだったけど…
この満月に絨毯に乗って願うと叶うのってなんなんだろう…
もしかして願えばなんでも叶うとか!?
そしたら次の満月に絨毯に乗って従者の契りを解いて下さいって願えば叶うんじゃない!?素の世界に帰して下さいとかも!
けど、月に願えばなんでも叶う力がアタシにあるかと思ったけど…そうじゃないって絨毯が言ってたし…
発動するのに条件が必要ならその条件がわからないとダメだし…
リコは今日も魔力についての本を読み漁りながらテーブルに肘をついて考え込んでいた
「出世払い…」
ルイはボソッと呟いて部屋の掃除をしていた
その姿を見みてリコがふと思う
――絨毯帰ってきたらいつのまにか同居人がいてびっくりするかな…というかルイの方がびっくりするか!
空飛ぶ絨毯がいきなり現れたら!!
って待てよ…トラブルに巻き込まれないように第五皇女って事は隠しているけど、絨毯が現れたらそうはいかなくないか…
王様に仕える空飛ぶ絨毯と知り合いなんて普通じゃありえない事だし…バレるかな…
「ルイ…」
「はい、リコ様」
呼んだ瞬間目の前に現れるルイ
「いや、どういう仕組みなのよだから…ルイはさ…皇女の中だと誰が推しなの…?」
――ちょっと探りを入れてみよう…と思ったら
この聞き方完全に侍女のアンの影響受けちゃってるじゃん!!まぁ、世間じゃ有名人で美人だから推しがいる可能性あるしね…第五皇女は貴族にしかお披露目されてないし、普通の人ならわからないと思うからそこも確認しなきゃだし
案外興味なくて全然知らないかもしれないしね、その方が好都合だけど
「皇女様…五人とも信じられないくらい綺麗な方で世の女性は誰も敵わないと聞いたことがあります…」
思い出しながら答えるルイ
――耳が痛い…勝手に傷つくヤツだよこれ…
世の女性は誰も敵わないって…第五皇女だけそんな事なさ過ぎてキツい…
「そ、そうだよね…みんな綺麗だもんね…」
「特に第一皇女様は月から舞い降りたのではないかと言われてくらいと綺麗らしいです…」
――アタシも第一皇女様だけは見たことないんだけど…相当綺麗らしい。てか、そんな噂流れているなら月の姫はもう第一皇女なんじゃない!?
「ですが、いくら皇女でもリコ様に敵う者はいません。」
真剣な顔で言うルイ
「そっか、アタシ女神だもんね」
フッとふざけて笑うリコ
「そうです。姫ごときが女神に敵うわけありません。」
「いやいや、自分で言うなってツッコむとこだから。自分でボケて自分で回収するほど悲しいことないから。」
リコは自分で言って恥ずかしくなった
「王様とか…王宮にいる人見たことあったり、知ってたりする?ほら、なんか特別な存在的な…ねぇ
いそうじゃん?」
うまく絨毯の事を聞き出そうとするが全くうまく聞けないリコ
「いえ…私はジャージルの元にいる時はそういう話は一切聞くこともないので….人が話してるのを聞いた事があるくらいで…」
「そっかーまぁ、アタシも全然知らないんだけどね、それにそんなの知らなくても生きていけるしね〜」
はははーと安心したように笑い嘘をつくリコ
――まぁ、とりあえずあんまり王宮の事は知らなそう、アタシが皇女ってバレる事もなさそうだね
・
・
・
それから時間は過ぎて…10日が過ぎた…
リコとルイは平和にのんびり家の中で過ごしていた
たまに街に出てたりしたけど、ルイはいつも幸せそうに笑っていて、自分を必要としてくれる存在がいるという事は深く傷ついたリコの心を癒してくれた
こんな平和な日々がずっと続くといいなとも思った…
――アタシは帰るんだから…あんまりここに居心地の良さを感じちゃダメだよ…
また今日もテーブルにたくさんの本を並べて新しく買った本を読み漁る…
異世界に関係する本なんてものは一切なくて…
従者の契りを解く方法なんて見つからなくて…
最近は月について本とかも読むようになった
絨毯も何日しても帰って来ないし…
どうしていいかわからなくなっていたある日…
「リコ様、私働きに出ます」
ルイがいきなりリコに言った
「えっ、どうしたの急に!?」
驚いてルイを見るリコ
「リコ様にお返ししなければならいものがたくさんあります。出世払いしなくてはいけません。もちろん今までやっていた家事は変わらずやりますが少し稼ぎに行く時間が欲しいです。」
――出世払いって前言ったの気にしてたんだ…
けど、これはルイが変わる良いきっかけになる、
きっと今までジャージルに酷いことされて心を閉ざしてるし、ずっと家にいて人と関わる機会も無かったし…
けど、ルイはもう奴隷じゃない。言われた事をやるんじゃなくて、自分で考えて行動することでもっと視野が広まって、自分の為に生きれると思う。
「いいじゃん!!社会経験がルイを更に成長させてくれるよ!色んな人と関わって色んな事を経験すると思うからアタシは応援するよ!」
リコが喜んで笑顔で言う
「正直まだ、人と関わるのは怖いです…」
静かに言うルイ
「怖いと思う、たくさん失敗すると思う。けどそれと同時に嬉しいこともあるし、成功することもあると思うよ?今のルイには失敗も成功もたくさん必要だから辛くても自分の為に必要なことだと思って受け入れる事も大事だと思うよ!アタシでよければ落ち込んだ時はルイが元気が出るように励ますから!!」
リコはルイの前に立ちガッツポーズする
「リコ様…私は貴方様がいればなんだってできる気になります。苦しくても貴方がいると思うと苦しくないです。」
優しく笑うルイ
「それは大げさでしょ」
冗談でしょと笑うけどその言葉を少し嬉しく思うリコだった
「本気です。貴方の奴隷ではないなら貴方の犬ですから。」
ルイが跪いて嬉しそうに見上げて言う
「犬もダメでしょ!!確かにちょっと犬っぽいところはあるけど」
ふふっと笑って優しくルイの頭を撫でた
撫でられると子どものように嬉しそうに笑った




