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バラバラな心



そして次の日…


今日は部屋に二度目の大掃除が入った



今まではリコの部屋は部屋にいない時間に毎日掃除されていた

お風呂場は湯浴みの前にいつも侍女達が綺麗にしていた


侍女や使用人を部屋に入れなくなってからはシアンに言われて二日に一度に掃除に変わった


我慢して欲しいと言われたが我慢もなにも、一人暮らししてた時なんて大して掃除してなかったからむしろ二日に一度でも多いと思っていた


お姫様の生活水準と自分の生活水準に格差を感じてなんていい生活ができているだ!!と感動するリコだった

それを見て本当に欲のない姫ですね。とシアンは笑っていた




掃除中は左大臣執務室でシアンと二人でいて、

相変わらずシアンは忙しそうでだったので…


「なんか手伝おうか?」


シアンを気遣って聞くリコは



「馬鹿にしてるんですか?」


キラキラの笑顔で言われて


――この何もできる訳ないでしょ…って顔が腹立つな…



「人の親切をー!!」


リコは少し怒ってソファに寝っ転がっていた


「貴方ぐらいですよそこのソファに寝転ぶのは」


はぁ……とため息を吐いた



大掃除が終わって自室に戻るともう日が暮れていた





そして、事件は起こった



「なにこれー!!!!」


リコが楽しそうな声で部屋に落ちていたメモを拾った




《夕刻7時、噴水のよく見える三階の廊下で貴方の事を待っています。》





――えっ……これって……まさか……



「キャーー!!え!?告白じゃない!?え、使用人同士の恋じゃない!?見て見てシアン!!」


シアンに駆け寄って座るシアンの横に並びメモを見せるリコ



「きっとメモを掃除中に渡そうとして落としちゃったんだよ!!それか貰ったメモを掃除中に落とし…」



グシャッ



シアンがリコが見せたメモを一握りでグシャグシャにした



「ギャーー!!何すんのー!?」


リコは信じられないとメモを救出しようとしたらシアンに近くにあったゴミ箱投げられた



「勤務中にこんなくだらない事をしていたら言語道断で解雇ですし、第五皇女の部屋にこんなゴミを残して掃除を終えたと思っているのであれば今日掃除に入った使用人達は全員解雇ですね。」


ニッコリ笑うシアン



「そ、そこまでしなくていいんじゃないですか…それよりもこの恋が実ったどうかの行方が気になる!」


シアンの片腕を両手でガシッと掴み揺らすリコ



「それに、こんなくだらない茶番に付き合ってくれそうな貴方に向けた罠の可能性もあります。もしそうであれば、第五皇女は頭が悪いという事を相手は知っているのですね…」


と急に真剣に言うシアン


「いや、まぢで失礼。」


リコは冷静にシアンに言った




「どっちにしろ私は行ってきます。本当に告白現場であれば二人は幸せな事にその場で一緒に解雇です。貴方に危害を加えようとする罠ならば返り討ちにしてきますので。」


キラキラの笑顔で恐ろしい事を言い椅子から立ち上がるシアン



「こんなお城の中で堂々と罠なんて仕掛けないでしょ…あんなことあってこんなに警戒してるのに…多分普通の恋の方だと思うよ!それだったら人の恋路を邪魔しちゃダメだよ!」


リコが走って両手を広げてドアの前に立ちはだかる



「アタシはこの第五皇女の部屋を一生懸命掃除してくれた使用人に感謝を込めてこの恋を応援する!!それに、もしメモを渡せなくてアンタが行ったらシアンに告白するみたいになって泥沼なるでしょうが!!」



――そんなややこしい少女漫画みたいな展開は求めてないの!!使用人同士の平和でほのぼのした恋愛を求めてるはず!!

しかも、アタシがシアンにメモ見せちゃったからこんな事になっちゃったし…責任取らなきゃ!!



「退きなさいリコ」


目の前に立って笑うシアン



「嫌!!立ち去れ恋を邪魔する悪魔め〜!!!」


リコは相変わらず両手を広げて立ちはだかる



シアンが更に近くに立ち



スッ



リコの右頬をそっと大きな綺麗な右手で包み込む

少し屈んでリコの目を見る、サラリと肩かかっていた長い髪が落ちて揺れた




「貴方の為ならば…悪魔にでもなりましょう」




フッと妖艶に笑うシアンを見てフリーズするリコ



――なっ///な、なにを言ってるの!?///


なんて美しい笑顔なの…思わず見惚れる…

って!勘違いしちゃダメ!リコ!クロード為だから!!アタシの為じゃないから!!クロードの命の為だから!!



フリーズするリコを簡単に退けて



「全く、こんなくだらない事で私の時間を割くなんて…ゴミの始末をしてきますので、大人しくしていて…っ!」


シアンがドアを開けて出て行こうとしたのでリコがシアンの腕に飛びついた



「アタシも行く!!」


なぜかキラキラした目でシアンを見るリコ



「……なんでそうなるんですか」


腕にひっつくリコを呆れて見るシアン


「アタシを部屋に一人にしていいの!?もしかしたらシアンを誘き出す罠かも!!一緒に連れて行った方がいいんじゃない!?」


あわよくば青春の告白現場を見たいと胸に期待を秘めたリコが目を輝かせてシアンを見る


「ただの野次馬じゃないですか…」


「そんなわけないでしょ!!」


と言いつつ図星のリコ




「はぁ……本当にくだらない茶番だったらこの時間がもったいない…もういいです、行きますよ」


「やったーー!!」


シアンが諦めてリコと一緒に部屋を出た


最近リコは部屋に巣篭もりで退屈していた為、こう言ったイベントには目がなかった



シアンの後ろに付いて行くと…



「電気が…消えてる…」


3階の廊下の電気だけ消えていた




「ムード作り?」


リコが真剣に考えて言うと


「どれだけ危機感の無い頭をしているんですか。普通なら不信がりますし、城内の明かりが消えているなんて皇女なら怖がりますよ。本当に馬鹿ですね。」


シアンがはぁ…とため息ついて呆れるが、

リコの手首を掴み真後ろを庇うように歩かせた



城内の明かりは夜中にならないと小さな明かりにしないのに対して、3階だけは小さな明かりになり、そう簡単には消せないはずなのに事にかなり手の込んだ事をしてくれるとシアンは警戒していた



「うるさいなぁ!けど、誰もいないね…遅かったかな?」


リコがシアンの後ろから真っ直ぐな廊下を見る




「噴水がよく見える廊下と言えばここだと思いますが…」


大きなガラス張りになっている場所でシアンが立ち止る


そこには誰いなく、誰か来るわけでも隠れている様子もなくシアンとリコだけだった




そして、シアンがガラス張りの大きな窓から噴水の方を見た瞬間




「リコ!そちらを見てはダメです!!」


シアンが大きい声で言ったがその時リコはすでに噴水を見ていて…



「あっ…」



リコは小さな声を出し、ガラスにペタっと手を置いて上からよく見える綺麗な噴水を見る

こちらの廊下が暗い為、明るい月明かりに照らされた噴水の縁に座る二人から目が離せなかった…






――クロードと…第四皇女…




二人は何か話していて、




そして、そのまま…顔を寄せ合い





キスをした





――えっ……?




シアンが突然バッとリコの手を引いてその場を去ろうと来た道を戻って行く



――あっ…2人ってそういう関係……




リコは放心状態でシアンに引きずられるように手を引かれながら歩いた



「完全にやられました…これを見せる為だけに呼び出されたんですよ」


イライラしながらシアンが言う



「まったく、くだらない…」



リコはシアンの言葉が入ってこなかった、頭が真っ白になっていた



バタンッ



気がつくともう自室に戻っていて…



「リコ…?」


シアンが心配そうな声で聞く


「いやーなんかびっくりしたね!!あんなとこ見ちゃうなんてさ!!」


あはははと笑うリコ



だけど…



ポロっ




「えっ…?」



リコは自分の目から涙が流れて驚いた声を出す



シアンがそれを見て少し悲しそうな顔をした




一度流れた涙は止まらなくなって




「あれ…どうしたんだろ…急に…」


ポロポロと涙が流れる事を不思議に思うリコ



「馬鹿ですね…見るなと言ったでしょう。」


フワリと優しくリコを包み込むように抱きしめるシアン



「シアン……っ、グスッ。アタシ、アタシね…今自分の気持ちに気付いちゃったの…」


シアンの優しい腕の中でリコはシアンの胸中でギュッと服を掴みポロポロ泣く



「本当に馬鹿ですね…今更気づいたんですか…?」



シアンの静かな声、その言葉にリコの我慢していた感情が溢れ出した








――アタシ…クロードの事が好きだったんだ。








二人のあんな姿を見て本当にショックを受けて、悲しかった。なんでよりよってこんな気がつき方なの…



最近感じてた違和感は全部これだった。

どんどん大きくなっていく気持ちを隠していたけど隠しきれなくなって、あの現場を見て気付かされた


いつも自分に言い聞かせてた、違うって。全部勘違いだって。


けど…


クロードといるとドキドキすることばっかりで、隣にいると嬉しくてずっといて欲しくて…

いないと寂しくて、会いたくなって…

話してるとすぐ言い合いになるけどそれも楽しくて。


けどさ、好きにならない方がおかしいよ…

いつだってアタシ事ばっかり考えてくれて、優しく甘やかしてくれて、守ってくれて。


ピンチの時はすぐに助けに来てくれる。


そばにいてくれるだけであんなに安心するんだよ?


全部【従者の契り】があるからだってわかってるけど…自分の命がかかってるからアタシに優しいだけって事も、守ってくれてる事もわかってる…

だから勘違いって言い聞かせてた…



それでも、それでもアタシは好きになってしまった。



なんで元の世界に戻らなきゃいけないアタシが異世界で恋しなきゃなんないの。

そんな悲しい事ないじゃん、いつかは帰るんだよ?


それもあって、自分の気持ちを隠すように気づかないように蓋をしていたはずなのに……



あんな良い雰囲気で綺麗な噴水で絵になる二人が顔を寄せ合ってキスしてたところを見たら、


抑えていた気持ちが溢れ出した。


心に穴が空いたように苦しくて苦しくて…

涙が自然と流れて止まらなくなっていた。



アタシはクロードと第四皇女様はそんな関係じゃないと勝手に思い込んでいたみたい…

一緒にいる時のクロードの反応を見た時、そんな関係には見えなかった。

アタシといる時だってそんな話ししてくれなかったし…する訳ないか…よりによってアイツが



けど…


あんな綺麗なお姫様とあんな事して…


何かの間違いだったと思いたかったのに、





最後にチラリと見えたクロードの顔は嬉しそうだった。





キスをした後のクロードの嬉しそうな顔が頭から離れない。


思い出すと更に涙が出る



第四皇女様はクロードの事大好きなのなんて、全然知らないアタシでも見てわかったし…お互い思い合ってるようにしか見えなかった…



クロードだって悪いと思う。

アタシが勘違いするような事いっぱいしてきた。

いつも膝の上に乗せて抱きしめてきたし、

き、キスだって…


けど、クロードにとってはそんな事どうでもよくてただアタシをからかってただけなんだ…

反応が面白いからって意地悪して、




それを本気にしてドキドキして…


ホント馬鹿だなアタシ。




考えれば考えるほど、思えば思うほど涙が止まらなくてシアンの胸の中でリコは子どものように泣いた






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