表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
26/47

夢と現実




ガチャ…



薄暗いリコの部屋に静かに入るクロード



クロードは第四皇女が眠ってから、毎晩リコの部屋に来て気持ち良さそうに眠る姿を確認していた



けど、今日は布団もかけず大の字で寝るリコを見て驚く



「どうしたらそうなる…」


呆れたクロードが呟く



リコを抱えて掛け布団をまくると



「ん…」


リコがもぞもぞとクロードの腕の中を動く



「クロード…?」


眠そうな目をパチパチさせるリコ


起こしてしまったと少し驚いたが、すぐに目を閉じて擦り寄ってくるリコを見て口元が緩む



枕に寝かせて布団をかけた



「お前…酒を飲んだな…」


酒の匂いがするリコを見て眉間にシワを寄せる


離れようとしたクロードの袖を掴むリコ



「うるさい従者がいなくなったか…やりたい放題なの….」


ふふふと目をつぶって夢心地のまま話すリコ


返答が返ってきた事に少し驚くクロード



「早く戻って来ないとどっか行っちゃうかもよ…」


ぐるんと寝返りをうってリコがクロードに背を向けた



「洒落にならん…」


はぁ…とため息を吐くクロード



「だから早く戻って来てね…」


リコはそのまま眠りついた




クロードは背を向けるリコを仰向けにする


気持ち良さそうに眠るリコに立ったまま覆い被さり顔を両手で包み込む



「俺も早くお前の元に戻りたい…」



そう悲しげに言うと…




「これは酒を飲んだ罰だ…」




リコの唇に優しく唇を重ねた





ガバッ!!!



リコは飛び起きて洗面台に向かう



「昨日歯磨きするの忘れた!!酒臭いなんて事になったらシアンに何言われるか!!」


急いで歯磨きするリコ



――そういうば…昨日クロードが夢に出てきた…

お酒を飲んだ事少し怒られて…なんだか久しぶりに会って嬉しくて、早く帰って来てねって素直に言っちゃった…


まぁ、夢なんだけどね



夢でも会えた事に気分が良くなるリコ




その後は朝の準備をした後、侍女達がいなくなり

シアンも部屋を出て行こうとしたので




「シアン!!アタシ働きたい!!」


明るい笑顔でシアンを捕まえる



「………何を言ってるのですか」


理解に悩んだ顔で振り返ると嬉しそうな顔でシアンを見上げてるリコがいた



――昨日お酒を飲みながら思いついて、お風呂に入りながら考えた結果…




「アタシ!!デザイナーになりたいの!!」



目を輝かせてシアンを見るリコ



「頭痛がします….」


少し驚いた後、言ってる意味がわからなすぎて目頭を押さえるシアン



「聞いて!アタシ考えたんだけど、いつお城を追い出されても良いように手に職をつけておきたいの!それで、貴族向けにドレスをデザインして売りたいの!異世界から来たアタシなら今までなかったようなドレスや洋服をデザインできると思って!!」



――まぁ、せっかくお姫様になれたから、憧れの洋風のドレスが着たいだけなんだけどね…

ここには民族風なドレスしかないから…

あと、寝間着も毎日ワンピースで普通に半袖短パンとかで寝たいんだよね…



私利私欲の為にデザイナーになりたいリコ



「……そんな簡単に言ってますが、上手くいくとは思えません…」


「もちろんいっぱい稼いだらお城にもお金入れるから!!」


「私の立場上、皇女がやりたい事を反対する事はできませんからね…王に相談してみましょう」


呆れて言うシアン


「ありがとう!!シアン!!」


ニッコリ笑うリコ


「どうして急にそんな事…」


「元の世界に戻る方法が見つかるよりも先に、王様の婚約者が見つかる気がするんだよね…戻れるかもわからないし…アタシこっちの世界で上手くやってくにはそれしかないかなって!」


困ったように笑うリコ


「貴方は王との婚約を諦めているのですか?」


「諦めるもなにも、釣り合ってないのは一番シアンがわかってるでしょうが」


「そうですね…」


フッと笑うシアン


「いや、ちょっとはフォローしなさいよ」


バシっとシアンの背中を叩くリコ


「けど、シアンがいてくれて本当に良かったよ、シアンとアタシの考えは違うけどやりたい事は一緒だから、こんなになんでも話せる相手がいてくれると異世界から来て一人でも心強いよ!」


――シアンはアタシは皇女にふさわしくないと思ってるから城から出てって欲しい、アタシも城から出て元の世界に帰る方法を探したい


お城の生活は魅力的だけど、いつまでも続けられる生活ではない…王の婚約者が決まれば追い出される…

それでも王に任命されたからアタシは一応王族の立場になると思うけど…世間知らずのアタシがいきなり追い出されて生活していく自信もない…

だったら、手に職つけて稼いでなんとか暮らしていけるように手筈を整えとくべきだと思う


やる事は山積みで何から手を出していいかわからないけど、今お城にいて出来ることから始めよう。


デザイナーなんて普通はできないけど、皇女の地位があればきっと上手くいくはず…それにアタシにはここにないものをたくさん知ってる。それを強みにするの…ドレスはお金が稼げそうだし!




「私は貴方は皇女にふさわしくないので目障りだと思っています。クロードを執事などにして失礼極まりないですし、早く目の前から消えて欲しいです。今だってクロードとの従者の契りがあるから貴方の面倒を見ているだけで、それなのにそんなに馴れ馴れしくされると不快です。」


いつもの笑顔消えてジッとリコ見るシアン



――人が心から感謝した事に対してここまで嫌がってそんな酷い事をよく言えるね…ほんと良い性格してるわ…


「わかってるって…別にシアンを喜ばせたくて言ったんじゃなくて、本心を言っただけだから」


困った顔でシアンを見るリコ



「そうです、リコ。」


シアンがリコの顔を片手で掴み上を向ける




「貴方の喜ぶ顔など見たくありません。苦しむ顔が見たいのです。」


シアンが嬉しそうに笑う




――えっ…こ、怖い!!や、ややや病んでる!!!だいぶ病んでるこの人!!苦しむ顔が見たいって…怖過ぎるでしょ…



「なので私に馴れ馴れしくしないで下さいね、リコ」


サラリと銀の髪が肩から落ち、綺麗なグレーの瞳がリコをジッと見て笑う



顔を掴まれて上手く喋れないのでコクリと頷くリコ



頷くリコを見てパッと手を離すシアン



――怖いけど…ものすごくやり返してやりたい…

酷い事言ったから嫌がらせしてやりたい…

やられっぱなしでいいのリコ!?ここは一発やり返すべきじゃない!?



リコはシアンにぎゅーっと抱きついた



「ほんとシアンとアタシは意見が合うね、アタシもシアンの嫌がる顔や困った顔が見たいの」



ニヤリと笑ってシアンを見上げるリコ


シアンは驚いて自分の胸の中にいるリコを見る



――残念ながら、こんな美人に抱きついても全然恥ずかしくないし!むしろ女子同士のハグの感覚だし!!


大嫌いなアタシに抱きつかれでもしたら、全身鳥肌が立って泣きたくなるんじゃない?


そして、いつも見てる笑顔じゃなくて驚くシアンの顔は激レア!そんな表情をこんな近くで見れるとはね



クックックと悪い顔して笑うリコを見て、ニッコリ笑うシアン



「王が気に入るのが少しわかる気がします。貴方は面白い事をしますね」



ドンッ


思いっきり引き剥がされてドアに貼り付けられるリコ



――あ…待ってヤバいかも



後ろにある大きなドアに押さえつけられて、両手首を掴まれて身動きが取れない



シアンの顔が意地悪く笑う



――し、シアンの意地悪く笑った顔なんて初めて見た…綺麗な顔がそんな笑い方すると恐怖倍増なんですけど!!


危険を感じでシダバタ暴れるリコ



リコはシアンの見た目から全然力なんて無いと思っていた為、舐めてかかっていたけど…



両手首を頭の上で一つにまとめて片手で押さえられるリコ



――嘘でしょ…アタシは両腕の力なのに全然動かせない!!しかも片手あけたって事は…


首に来る!!



美人なシアンを中性的で女にも男にも見えていたリコが、急に男にしか見えなくなって怖がる



「ごめんなさいごめんなさいごめんなさい!!首だけは苦しいから絞めないで!!」


半泣きになって何度も謝るリコ



「そんなに謝るのなら最初からやらなければよかったでしょう」


今までにないくらい楽しそうなシアンの笑顔



シアンの綺麗な手がリコの首をそーっと撫でる



――ひぃいい!!


優しく撫でられて背筋がゾッとするリコ



「て、てか!!抱きついたくらいで、シアンは首を絞めるってズルいと思う!!何倍もアタシの方が苦しいじゃん!!」


ジタバタ暴れるリコ



「私にとっては同等なくらい嫌でした」


笑顔でリコの首に手を回す



――お、終わった………





コンコン




後ろのドアがノックされる音がする



「………残念、邪魔が入りましたね」


パッと手を離すシアン



――た、助かった〜!!!多分勉強教えてくれる先生が来た!!



「は、はい!!」


リコが嬉しそうに勢いよくドアを開けると少し驚いて先生が立っていた




「リコ、ではまた」




シアンがいつもの笑顔でリコの頬を長い人差し指でツーっとなぞって部屋を出て行った




そのあまりにも美しい仕草を見て口元に手を当てて

ポッと赤くなる女の先生



「ま、まぁ…///なんて素敵なのでしょう…///」




「先生…嘘でしょ…?」


逆にゾッとして固まるリコが驚いて聞いた




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ