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従者のモノ



――あっ…お茶が準備してある…

お茶の時間なのにアタシがいなかったから探してくれたのかな…



リコがとりあえずテーブルに座るとクロードがお茶を入れてくれた



コト



リコの目の前にお茶の入ったカップが置かれた


「ありがとう…いい香り…」


――なんだろう…フルーツの香りがする…


「珍しい茶を貰った、お前に飲ませてやろうと思ってな」


クロードも向かいの椅子に座る


――むっ…///

勘違いするな!アタシの為じゃない、アタシの為じゃない。

第五皇女で、契りを交わした主人だから優しいだけ!


「あ、主人思いのいい従者ね…///」


綺麗な透き通る蜂蜜色のお茶を見て言う


「ああ、お前の喜ぶ顔が見たくてな」


「えっ…///」


リコがバッと顔を上げてクロードを見ると


肘をついてジッとリコ見ていた


――ど、どどどどどうしちゃったの!?///

変なものでも食べたの!?頭打っておかしくなったとか!?///



クロードも片手にお茶を持つ



「お前を喜ばせないといつ捨てられるかわからないかな」


お茶を見つめて目を伏せて言うクロード



「………えっ!?さっきから何の話ししてんの!?」


――クロードとの会話が噛み合わない!なんて言いたいの?捨てるって何!?いつそんな事私が言った!?

それにさっきも色男に擦り寄るとか言ってたし…どうしちゃったの!?



「今日遊宴に出でいた者達に聞いたぞ、俺がいない間にシアンと突然二人で消えて、その次はアルと踊っていたと」


少し不機嫌そうなクロード


「シアンと二人で何をしていた?さっきだって、人気の少ない廊下で親しげにしていたしな…」


「親しげって…やめてくれる!?しかも、遊宴の時はアタシが疲れてたからシアンと人がいない静かなところに行っただけ!!」


――親しげとかゾッとするわ!!こっちは殺されかせてるっつの!遊宴の時とさっきした従者の契りを解きたいって話はクロードに言うと王様が結べって言った契りだから勝手な事するなとか言われそうだし…言わないでおこう。



シアンと下の名前を親しげに呼び捨てにするリコに反応するクロード



「アルとは踊りの最中抱きついていたと聞いたぞ」


「なっ!///なんでそうなるの!アタシがうまく踊れなくてアルが抱き止めてくれただけで…抱きついてたわけじゃない!///」


――余計な事思い出しちゃったじゃん!!///

確かに何度かアルの胸の中飛び込んじゃったけど、わざとやってたわけじゃない!!

それにアルに関してはクロードが言ったからアタシのとこに来てくれたんでしょうが!



顔を赤くしてアワアワ答えるリコを見てムッとするクロード


アルと愛称で呼ぶ事も気に入らなかった



「何故顔を赤くしている」


「えっ?///」



「お前はアルが好きなのか?」



「…えっ………はぁっ!?///なんでそうなるの!?違うに決まってんでしょうが!!」



驚いて立ち上がるリコ

テーブルに肘をつき真剣な顔で聞いてくるクロード


――ば、馬鹿なの…え?馬鹿なの…何がどうなってそうなるの…踊っただけで好きなったとでも思っているの!?


驚き過ぎて固まるリコ




「それに、目の前に良い男が来たら見境なしに擦り寄るのはどうかと思うぞ」


至って真剣なクロード



「…………はぁ?」


「あの二人は地位もあって見た目もいい。だが、勘違いをするな。お前が皇女だから無碍にできないだけでそれ以上は何もない」


わざとトゲがあるように言うクロード



――カッチーーーーン!!


リコがどすどすと歩き座るクロードの横に立つ



「だから違うって言ってんでしょうがぁぁ!!!シアンもアルもアタシになんて一切興味ないし!!アタシだって知り合いなった程度だわ!!話しちゃんと聞け!!」


クロードの肩を殴ろうとグッと握った拳をリコが放つと



パシッ



「すぐ手が出るのは直した方がいいぞ、我が主人」


そのままクロードがリコの手首を掴み意地悪く笑う



グイッ



――や、ヤバい!!これはいつものパターンだ!!

アタシの馬鹿!!クロードに近づくとこうなるの学んでるはずでしょうが!!


サッと椅子を引いて思いっきりリコを引き寄せる



「ちょっ!!待って!!」


リコは抵抗しようとしたがなんなくクロードの膝の上に飛び込むような体制になり…

座るクロードの上に馬乗りになってしまった

ドレスの裾がまくれ上がりリコの足が露わになる



「ほう、今日は随分と大胆な体制だな」


目の前のリコを見てフッと笑うクロード



「ちょっ///ちょっと待って!!///さすがに降りたい!!///」


――こ、これは恥ずかし過ぎる!!///こんな体制で向き合って目の前にクロードがいるなんて耐えられない!!///


普段は見上げている顔が目の前にあって恥ずかしくて目をそらして逃げようとするリコ



「ダメだ」


静かな声で言うクロードがリコの腰に両腕を回す


「ば!!馬鹿!!///」


そのまま引き寄せようとしたのでクロードの両肩を掴み押して近づかないように抵抗する



「お前を見ていると腹が立つ」



何故かムッとするクロード



「奇遇だね!!アタシもめちゃくちゃムカつくよ!!///」


――毎回こうやってアタシの事からかって!!///普通膝の上に乗せるかこの馬鹿!!///

てか、なんでちょっと怒ってるわけ!?なんかしたかアタシは!むしろアタシのが腹立つわ!



「俺は右大臣だぞ、地位も金もある。それに女に好かれる見た目だ。貴族達がほっとかない」



ジッとリコを見て不機嫌そうに言うクロード


ポカンとしてクロードの顔を見るリコ


――えっ……?どうした?どうしたの急に…自慢?なんで急に?しかも自分で言うなよ…



「遊宴の時もいろんな女に声をかけられた」


「えっ…さっきからなんなの…」


――ちょっとほんとにどうしたのクロード…



真っ直ぐリコ見る




「それなのに、何故お前は俺が目を離すと他の男へ行こうとする」




ムスッとして言うクロード



「は、はい……?えっ、何….言ってるの?」


固まってクロード見るリコ



「俺はシアンよりも優れているし、アルよりも強い。それなのにお前は俺を突き放そうとする」



「え?え?ちょっと…クロードどうしちゃったの?」


――突き放そうとするって執事辞めさせるって言ったこともしかして気にしてるの!?

とにかくクロードの様子がおかしい!!



「アンタまさか変な魔法でもかけられたんじゃないの!?」


リコが慌ててクロードの顔を掴み上下左右確認する



「かけられていない。」


不快そうに言うクロード


「えっ…じゃあ、何…これじゃあまるで…」


リコがスッとクロードの顔から手を離し



「嫉妬してるみたいじゃん…」



驚いた顔をしてリコが言う



――あっ…思わず口に出しちゃった…


ハッとして口元を押さえるリコ



「嫉妬…?」


少し目を見開くクロード



――や、ヤバい!!何言ってんのアタシ!!


ほんとお前は低脳だな何故俺が嫉妬などする。お前ごときが随分生意気な事を言うな…


とか何とか言って絶対嫌がされる!!



身の危険を感じてリコは逃げようと腰に回っているクロードの手を掴んで剥がそうとする




「嫉妬なんかではない…」



静かに言うクロード



――あ、あれ…?攻撃的じゃない…嫉妬ではないにしろ…急にどうしたんだろう…少し落ち込んでいるように見えるんだけど…不安そうにも見える…


思っていた反応と違い過ぎて驚くリコ



「俺がいない間にお前は新しい執事を探していたのだろ…」


――ほんとどうしちゃったの…そんな元気ないと調子狂うじゃん…それに探してないし…シアンとアルと関わって新しい執事を探してたと思ってるってこと…?




「そんなに俺が嫌か…?」



ジッと見つめるクロードの青い瞳から目が離せない

どこか悲しげで寂しそうで…どうにかしてあげたいという気持ちなるリコ



「嫌じゃないよ。それにクロードを辞めさせたとしても他の人に執事を頼むつもりはなかったよ…」


リコが優しくクロードに言う


――クロード…やめてよ…勘違いする。まるでアタシと一緒にいたいみたいに聞こえるよ…

従者の契りがあって、アタシにアンタの命がかかってるから執事を辞めれないんじゃなかったの…?



「俺がいなくても他のとこへ行ったりするな」


ジッとクロードがリコを見る



「はいはい、わかったよ」


フッてリコが優しく笑ってクロードを見る


その顔を見た瞬間クロードがリコを引き寄せた


――ねぇ、さっきから何これ…デレてるの?クロードはそんなにアタシといたくなっちゃったわけ…?

そういうのやめてほしい…勘違いしそうになる…



いつもみたいに無理矢理じゃなくてそっと引き寄せてクロードがリコの右肩に頭を置く



「お前は…王のものだ。」


まるで自分に言い聞かせるよう言うクロード


「うん…」


その言葉を聞いてなんだか寂しい気持ちになったが…




「だが、同時に俺のものだ。」




驚いてクロードを見るリコ


クロードが自分の肩に頭を置いている為、どんな表情で言っているかわからないけど、どこか不安そうで寂しそうに見えた



「随分と生意気な従者ね、主人を自分のものなんて言うなんて」


ソッとリコがクロードの背中に手を回す



「アンタのものでいいから、早く元気出してくれない?調子狂うから」


リコが子どもをあやすかのように優しくクロードの大きな背中を叩く


――これじゃあ大きい子どもみたいだよ


ふふっと笑うリコ



リコから抱きしめてきたことに少し驚いたクロードがギュッと抱きしめる



「まったくどうしちゃったの…いつもの口うるさいクロードはどこに行ったの?」


少し元気のないクロードを見てなんだか嬉しくなるリコ


――まさかクロードのこんな姿を見れるとはね…落ち込んでるのに申し訳ないけど、ちょっと嬉しいかも

普段からは想像つかないこんな姿を見せて、アタシに心を許してくれてるのかなって思っちゃうよ


それに…落ち込む理由が…いや、これはさすがに違う。


ただの、主人と従者だよ。アタシとクロードは…


なんかすごいクロードに特別な扱いを受けている気がするけど、きっと主人を誰かに取られたら自分の身が危ないからだよ…

アタシに寄ってくる男がクロードの脅かす相手とかね…




「うるさい。」


クロードが不機嫌そうな声で言う



「まったく世話の焼ける従者だとこと…」


リコはクロードに元気を出して欲しくて…不安そうにしてるから少しでも安心して欲しくて



抱きしめられたままクロードの耳元でこっそり



「どんな男が来ても、黒髪碧眼男には敵わないよ」



と呟いた


パッとリコを引き離し


「どういう意味だ…?」


不思議そうにリコを見るクロード



「アタシの秘密教えてあげたんたから元気出しなさいよ!!」


回された腕が緩んだ瞬間にサッとクロードから降りるリコ



「ほら、今日は長居し過ぎだよ!仕事戻らないと右大臣様!」


リコがクロードの手を引いて出口に向かう



――随分素直についてくる…ちょっと可愛いかもって思ってたけどここまで元気ないと心配になってくる…



「大丈夫だからクロード」


少しでも安心させたくて優しく言うリコ


クロードの引いてきた手を取り



「アタシはクロードのものだよ…///」



リコが自分の頬にクロードの手を両手で持ってあてた


自分でも何を言ってるんだと内心思って恥ずかしくておかしくなりそうになるリコ

だけど、他に安心させてあげられる言葉が見つからなかった


クロードが少し驚いてリコを見て


「ああ」


優しく笑いスッと親指でリコの頬を撫でた




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そして、次の日からクロードはリコの部屋に来なくなった。




………





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