秘密のタイプ
リコは相当疲れが溜まっていたらしく、その後はベッドでずっとゴロゴロしていた
そして夕食を済ませてお風呂を済ませてまたベッドにいると
ガチャ
ノック無しのクロードが入ってきた
「お前今日は一日ベッドにいたと聞いたぞ。なんて体たらくな」
眉間にシワを寄せて言うベッドの横に立つクロードが言う
「えっ!!誰がチクったの!?」
ゴロゴロ転がりクロードのところに行くリコ
「転がって移動する姫がいるか」
「だってー溜まった疲れたと二日酔いがー」
はぁ……とリコを見てため息を吐くクロード
「明日は王に会いに行く事になった、無礼がないようにしろよ、俺は用があって一緒には行けないから」
「えーなんでそういう時にいないのよー馬鹿執事ー使えないわねー」
寝ながら笑うリコ
「ほう、そんなに疲れてるならマッサージでもしてやろう…」
イラっとしたクロードが言う
「大丈夫です!!」
リコが身の危険を感じて逃げようとしたが…
ガシッ
クロードに簡単に捕まった
そのままベッドに座り這いつくばるリコの肩を掴む
「肩を揉んでやる」
「痛っ!!痛い痛い痛い!!」
ジタバタ悶えるリコ
「少し力を入れただけなのにそんなに痛いのか?」
クロードは本気で驚く
「痛いわこの馬鹿力!!!」
半泣きのリコ
「肩もこんなに細ければ簡単に折れそうだ…」
力を抜くクロード
「アンタからすれば簡単に折れるかもしれなけど、普通の人には折れないわ!」
離してー!とペシペシ掴む手を叩くリコ
クロードが手を離すと枕によりかかってベッドに座るリコ
「魔力も無ければそんな華奢で…転んだだけで死んでしまいそうだな…」
ベッドに座るクロードが少し不安そうにジッとリコを見て言う
――あっ…不安にさせちゃってる…?
そりゃそうだよね…クロードと比べたら自分を守るもの何もないもんそんなアタシと従者の契り結んでたら不安になるよね…けど、
「そんな華奢でもないし、転んだだけじゃ死なないし、魔力はないけど神力持ったスーパー執事がアタシにはいるので大丈夫です!」
リコが明るく笑って言う
――アタシが弱い分、クロードが強いから大丈夫でしょ?
「そうだったな…お前には完璧過ぎて恐れ多い執事がいるからな」
少し驚いてから笑うクロード
「ねぇ、そこまでは言ってないんだけど」
フッと笑うクロードを真顔で見るリコ
「もう寝ろ」
クロードが立ち上がりリコの頬に手の甲をスッと当てて言う
「おやすみ」
リコは嬉しそうに笑いベッドに潜る
――クロードの大きな手が好き。触れられるとなんだか安心する。いつも守ってくれる大きな手だからかな…
「おやすみ」
クロードが電気を消して部屋から出て行った
・
・
次の日
クロードに朝起こされて起きるリコ
忙しいようですぐ部屋から居なくなった
その後すぐに侍女達に湯浴みをされていた
「姫様!!遊宴での姫様はまるで天から舞い降りた天女のようですごく綺麗でした!///」
きゃー!と興奮しながら言う侍女のアン
「そんな大げさな…綺麗な白い衣装を着てたからでしょ…それにアン達の技術のおかげであんな別人になれたんだよ」
はははと湯船に浸かりながら笑うリコ
「違います!元が良くなければあそこまで綺麗になりません!本当に美しかったですよ…///お二人の歩く姿も…」
シャンプーをしていた手を止めて、アンががポッとして思い出すように言う
「お二人?」
「姫様とアスファ様です…姫様の手を引いて歩く、アスファ様…まるで天女を異国の王子がエスコートしているようでした…姫は白い衣装にシルバーのアクセサリー、アスファ様は黒い衣装にシルバーのアクセサリーをつけて本当にお似合いなお二人でした…」
はぁーと甘いため息をつくアン
――えっ!!クロードと!?アタシが!?
「えっ、ちょっとそんなお揃いみたいな感じになってたの!?!?///」
――は、恥ずかしいんだけど!!///
しかもお似合いって…あんな怖いほどの美形とお似合いなわけないでしょうが!!///
「てっきり合わせたのかと…」
「合わせてないわ!!///」
「えっー!!逆にそちらの方がすごいじゃないですか!!強い絆で結ばれているのですね…///」
羨ましいです…と何故かアンが顔を赤くした
――や、やめてよ、恥ずかしいから…///話を変えよう!!
「アン達も遊宴にいたの?」
「はい!使用人としてなので遠くで見ていただけですが…あの美人なジェルナン様と眩しい笑顔のトロリア様も素敵でした…///」
「…シアンとアルの事…?」
「ま、まさか姫様下のお名前で呼ばれるという事は早速仲良くなられたのですか!?アスファ様というものがいながら!!」
ハッとしてリコを見るアン
「いやいや、仲良くなった言うか…知り合いになったってだけで…ねぇ、アンはさっきからクロードと私をくっつけたいの?」
「もちろん私のお仕えする姫とくっついて欲しいのはアスファ様です!私はアスファ様推しなので!」
――いや、アタシ一応王様の皇女なんだが…
推しってなんだ、推しって…アイドルみたいにファンがついてるのかアイツには…
「アン様!姫様は王様と幸せになられるんですよ!」
真面目そうな侍女が言う
「そういう話しでしたら私はジェルナン様です!!あの優しい笑顔を向けられたら倒れてしまいます…///」
また違う侍女が言う
――えっ、みんな推しは違う感じか!!ってシアンの推しいるの!?信じられない!!
まぁ、黙ってれば綺麗な顔してるもんね…アタシにはシアンのあの笑顔は狂気の笑顔にしか見えないけど…
「皆様わかっていませんわ。普段は優しいのに、いざと言う時に守ってくれるトロリア様について行きたいに決まってますわ!」
――アルのあの人を惹きつける性格ならファンがいてもしょうがないと思う。そこは納得です。
「ちょっ、ちょっとみんな落ち着いて…」
リコが困った顔でみんなに言うけど聞き耳持たれずに
お風呂場で井戸端会議が始まった
――全然いいんだけどさ…一応アタシ皇女なんだよね…?放ったらかしにされているんだけども…全然いいんだけどさ…
というかみんなそれぞれ推しがいて思い入れがあるのね…
湯船に浸かって考え込むリコ
――侍女達の話で思い出したけど、アタシ遊宴に出て思ったんだよね…
もしかしてここってあの俗に言う…
乙女ゲームの世界なんじゃない!?
って。
残念ながらアタシは乙女ゲームそんなにやった事なくて…ゲーム好きな友達に借りて何度かやった事あるくらいで…もちろんめっちゃキュンキュンしたけど!
けど、この世界がどの乙女ゲームで、本当に乙女ゲームなのかすらわらかない…
王様
クロード
シアン
アル
みんなそれぞれ個性的でめちゃくちゃ顔も良い。
ありえると思わない?こんなファンタジーの世界なら
もしかしたら、主人公が王様ルート選んだら普通に大人に戻って世界救ってハッピーエンド
主人公が違うルートを選んだらその攻略キャラと一緒に世界を救って王様戻してハッピーエンドなんじゃない!?って
そしてそして、この感じ異世界から来たアタシ!絶対主人公じゃん!!って思ったんだけど…
4人に接近してるのに全くと言って相手にされてないんだよね…
王様はアタシのこと珍獣のようにしか思ってないし
クロードは喋るたびに好感度下がってる気がする
シアンはアタシのこと殺したいほど嫌いだし
アルはアタシに好意的だったけどそういう性格なだけだし…
主人公なら接近したら何かしらこう全員にちやほやされると思うのだよ…どの人にも特にちやほやされてないし…
だからアタシは主人公じゃないのだよ…
ってなると主人公探したらと思ったけど何にもわからないこの状態でどうやって探すのって感じだよね
だだの憶測だし…王様真実の愛で戻る説にも繋がるかと思ったんだけど…
「…様!…姫様!!」
「えっ、はい!!」
呼ばれているのに全然気づかなかったリコ
「姫様は結局誰推しなんですか!!」
急にアンに言われて驚くリコ
「アン様それは失礼ですよ!」
アワアワする周りの侍女達
「推しという聞き方は良くないですね…では見た目だけ!見た目だけだとどの方がタイプなんですか?!」
楽しそうに聞くアン
「見た目…?」
アンに言われて奥底にしまっていた事を掘り返された
――見た目……実は、アタシは……
アタシは認めたくないからずっと言ってないし、これからも誰にも言うつもりないし、絶対に本人にも言うつもりないけど
黒髪碧眼ってめちゃくちゃタイプ。
つまり、アイツ…
漫画のキャラ、アニメのキャラ、ゲームのキャラとかによくいるじゃん、乙女ゲームとかにも…
大体好きになるキャラは黒髪碧眼。
乙女ゲームで選ぶ攻略キャラは黒髪碧眼。
あの儚げで綺麗というか…とにかくカッコいい!
だからクロード初めて見た時は本当に衝撃を受けたの
に性格が最悪だったから黒髪碧眼って事は忘れ去った
けど、最近のアタシってほんと
クロードの事ばっかりだなぁ……
「言わない。///」
そう言ってぶくぶくと顔まで湯船に使った
「気になります!!」
きゃーきゃー言う侍女達だった




