神へ誓う
二日酔いの為体がダルいリコ
――とりあえず悪い夢だったと思ってもう一回寝てみよう。もしかしたら本当に夢で次こそちゃんと目が覚めるかもしれない…
………と思ったけど、こんな最強の寝顔をこんな近くで拝む事はもう無いだろう…最後に見てから寝よう
綺麗な寝顔をじーっと見るリコ
……ヤバい。ずっと見てられる。なんなのコイツなんでこんな腹立つほど顔整ってんの…鼻高っ!睫毛長っ!彫り深っ!認めたくないけど本当に綺麗…
そして自然と目に入る…引き締まった体
――っ!!///な、なんて鍛えられた体なの!!///腹筋が割れてる///って、み、見ちゃたダメ!///寝顔を見てから体を見るなんてこんなのただの変態じゃない!///
けど、こんな男らしい体の人見たことないから…
ギュッと目を瞑り暴走するリコ
……けど……腹筋触ってみたい…
ハッ!!として我にかえる
――バカバカバカ!///何考えてるのアタシ!!///割れた腹筋が好きだからって触ってみたいとか!!
てか、このズボンの少し上の腰骨から入る筋ってすごいエロいよね…って、バカバカバカ!///
クロードの体をチラッと見ては顔を赤くし目を瞑り一人で葛藤するリコ
けど、ダメだとわかっていても好奇心の方が勝ってしまい…
顔を上げてクロードが寝ていることを確認して…
ペタ
そーっと腹筋に触る
ピクッとクロードの体が動き…リコは血の気が引いてパッと顔を上げると…
「………変態」
眠そうなクロードがフッと笑ってリコを見た
「ぎゃー!!///ご、ごめんなさい!!///」
リコはクロードら離れようバッと後ろに下がろうとしたら…
ガシッ、グイッ
クロードに手慣れた手つきで腰に腕を回され、足を引っ掛けられて思い切り引き寄せられた
「ひぃいい!///ごめんなさいごめんなさいごめんなさい!///」
リコは両手で真っ赤になる顔を隠して何度も唱える様に言う
――さすがに気持ち悪かったよね!?いきなりお腹触られて!!///てか、なんで引き寄せたの!?罰として寝技でもかける気!?そ、それに近いんだってー!!///
クロードに引き寄せられて裸の胸にすっぽり納められて、足を絡められる。腰に回る腕の感触が、触れている部分が素肌同士な事に気付いて爆発しそうになるリコ
――そ、そそそそそうだった!!///アタシもほぼ裸みたいな格好してたじゃんバカ!!///ほんと、何もないよね!?もう夢じゃないのはわかったから許して下さい!!きっとお馴染みの何もないオチだよね!?///
「何故そんなに謝る…あんなに楽しんだ仲なのに」
フッといつもと違う雰囲気でなんだか優しいクロード
――えっ…
リコの願いがいとも簡単に崩れ落ちた
「えっ!!!あんなに楽しんだ仲!?///」
バッと顔を上げるリコ
「何も覚えてないのか?」
クロードの笑みが優しいけど逆にそれが怖いリコ
「ご、ごめんなさい…な、なにも…まさか…アタシ達…」
リコが目を見開いて固まる
クロードは意味深な笑顔のまま
――う、嘘でしょ…いや、待って落ち着けアタシ…冷静に考えて…
「ま、まさかね、クロードは優秀な執事だもの…王様の皇女にそんな事するわけないよね?」
あはははと笑って誤魔化すリコ
「もちろんだ、俺は王に忠誠を誓っているからな。俺からは何もできまい。俺からはな」
「えっ…ちょっと…」
――なんで、俺からはなって2回も言って強調すんの…
えっ…それって…つまり…
アタシがクロードを襲っちゃったって事!?
「だが、主人から求められたら…自分の命がかかってるからな…従うしかあるまい…」
小さく息を吐き困ったものだと呟くクロード
――うそでしょ……アタシかなり最低じゃんか…酔った勢いで反抗できない、従者を無理矢理襲ったって事…?
あたふたパニックになるリコを楽しげに見るクロード
「アタシ普段はそんなんじゃないの!23年間生きててこんな事になったの初めてで!!けど、最低過ぎるね…アタシ…酔った勢いで…記憶も無いし…」
自分を責めて半泣きになるリコ
「本当にごめんなさい!!クロードの立場も考えず!!反省します!!もうお酒は絶対飲まないから!!」
リコはギュッと目を瞑りクロードに謝る
「今、確かに言ったな?もう酒は飲まないと」
さっきまで優しい笑顔だったクロードが豹変していつものように意地悪く笑う
「は、はい…」
豹変した顔を見てリコが不振に思ったけどコクリと返事をする
「では、誓いを立てるか」
クロードは酔っ払って素直になり、甘えてくるかなり無防備だったリコを見て禁酒をさせる事を決めていた
クロードが回していた腕と絡めていた足を解く
「誓い…?」
――そ、そこまでするの…!?いや、けどアタシがどうこう言える立場じゃない…
クロードが起き上がり、リコも起き上がろうとしたが自分の格好に気付きバッと近くにある大きな枕を持って体を隠すように抱える
「今更何をそんな恥ずかしがる」
その様子を見てクスリと笑うクロード
――う、うるさい…///こんな裸同然の格好恥ずかしいに決まってるでしょ!///
と内心思いつつ言い返せる立場じゃないので黙っているリコ
ベットの上で向かい合って座る2人
「誓いってまさか従者の契りみたいに危ないものじゃないよね!?」
前に訳もわからず結ばされた契りがかなりトラウマになってるリコ
「危なくはない。馬鹿には言ってもわからないからな…誓え」
ムッ!!と怒るけど言い返せないリコがシュンとする
さっきから随分としおらしいリコを見てクロードの口元が緩む
「ほら、神に誓え」
クロードがスッとリコのアゴを持ち上げると…
バサッとクロードの背中から翼が生えて目の色が金色に輝く
ハラハラと白い羽が舞った
――し、神力!?え、誓いってなに!?神力を使うの!?
「えっ!?さっきの言葉を言えばいいの!?危なくない!?」
――な、何するの誓いって…顔に魔法をかけるの!?お酒飲んだら体が燃えるとか!?
グルグルと色々考え込みパニックになるリコ
「危なくはない」
ニヤリと笑うクロード
翼がリコを包み込む
「えっ…お酒一滴も飲んじゃダメなの!?」
――さ、さすがにそれは悲しい…
「お前はそんな事言える立場なのか?仕方ない、俺の前以外で飲まないと誓え」
クロードがリコを見下した顔で言う
「わ、私は…クロードの前以外で絶対お酒を飲まないと誓います!!!」
何が起こるか怖くてギュッと目をつぶり肩に力を入れて持っていた枕を強く抱きしめるリコ
チュ
唇に柔らかいものが当たる
リコは驚いて目を見開くと…
クロードがリコの唇に唇を重ねていた
目を開けたままのクロードとバチッと目が合い
神力を使ってる金色の瞳が光ってスッと細くなったので笑っているのがわかった
リコの顎を持ったままスッと離れたクロードが
「……………えっ」
フリーズして固まるリコ
クロードの神力を使うのをやめて元に戻る
「誓いを破ってみろ次は舌を入れてやる、いいな?」
グイっとさらに角度をつけてリコの顎を持ち上げて意地悪く笑った
「えっ…い、今のが誓いですか…?」
思わず敬語になるリコ
「神に誓って言葉を封じただろ」
――えっ、待って待って…
「もし破ったらどうなるんですか…体が急に燃えたりしますか…?」
呆然として聞くリコ
「そんなわけないだろ。何もならないが、神の前で誓ったのに破る奴がどこにいる」
フッと鼻で笑うクロード
――つ、つまり…ただの誓いのキス…
「ばっ!!馬鹿馬鹿馬鹿馬鹿馬鹿馬鹿!!////こんの!!馬鹿執事!!///」
ボスッ
リコは持っていた枕を思い切りクロードに投げつけて走ってその場から離れる
お風呂場に勢いよく入りドアから顔だけ出した
「何回馬鹿と言う…馬鹿はお前だろうが」
見事にキャッチしていた枕を置いてリコの方を呆れて見て言うクロード
「頭おかしいんじゃないの!!///普通するか!!普通!!///」
キスって言うのが恥ずかしくて主語がないリコ
――ただの口約束なのに神力まで使ってキスしただけじゃんよ!!///信じられない!!///
「あぁ、それと言い忘れたが…」
真っ赤になって怒るリコを見て面白がるクロードが…
「安心しろ、俺は風呂に入っていない女は抱かない」
と追い討ちをかけるようにとても意地悪い笑顔で言った
……
「…………全部嘘だったの!?///最低!!本当この馬鹿執事!!///アタシの部屋から替えの下着と着替えを今すぐ持って来い!!!この馬鹿!!!///」
バタン!!!
リコが怒って勢いよくドアを閉めた
「傑作だ…」
クロードが口に軽く握った拳を当てて笑いを堪える
「だから言ったではないか…何されても知らないと…」
と楽しそうに呟いて上の寝間着を着る
そしてそのまま
パタン
部屋から出て行った




