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2人きりの宴会


「絨毯とは話したいと思ってたんだよー」


バタバタと嬉しそう反応する絨毯



夜風に吹かれて上から遊宴の会場を見るリコ


「なんか静かなところでゆっくりしたいんだけど、どう?」


絨毯がゆっくり方向を変えた


「てか、こっちの世界は星が綺麗だね…」


――満点の星空…三日月が眩しい…



絨毯が宮殿の広いバルコニーに下ろしてくれた

離れたところに遊宴の会場が見えて楽器の音が微かにする


「何ここ!!最高じゃん絨毯!!よく知ってたね!!」


バルコニーの手すりから身を乗り出して遊宴の会場を見る


「しかも、テーブルも椅子もある!」


丸いテーブルに向かいあって椅子が二脚あった

座ってくつろぐリコ


「ここにお酒と食べ物があればもっと最高なのにー」


と言うと…


シュンっとすごい速さで絨毯が消えた


「えっ…どこ行ったの…もしかして…」


ふわりふわりと戻ってくると


「絨毯…天才!!ありがとうー!!」


トレーに色々な種類のお酒と食べ物をたくさん持ってきてくれた


リコは両手を広げて絨毯にハグする


何往復かしてテーブルがお酒と食べ物でいっぱいになる


「宴会だー!!!」


リコは深く被っていた冠のような髪飾りを外しておでこにつけてた石も外して楽になる


「今日緊張してご飯食べれなくてさーお腹減ってたの!!」


絨毯がフワフワ寄ってきてリコを心配するように肩をさする


「2人だけの遊宴だね」


ふふっと笑ってリコがお酒を飲む、もちろん絨毯は飲まないし食べないけど嬉しそうに飛び回る


豪華な食事と色々な種類のお酒を堪能する


「絨毯…月の姫って誰なんだろうね…今日第一皇女以外全員見たけどみんな美人でね…」


とお酒を飲みながら話してるとビシビシと絨毯がリコを指す


「いやいや…アタシが一番ないなって思ったんだけど」


ブンブン左右に揺れる絨毯


「てか王様早く戻さないときっと大変な事になっちゃう…アルが言ってたよ…冥王の残党を倒しに行ってるって…まだどこかにいるんだよね…」


コクコクと縦に揺れる絨毯


「心配だね…」


リコが絨毯を優しく撫でる


「何にもできなくてごめんね…アタシにすごい力でも宿ってたらよかったのに…」


少し酔いが回ってきたリコが弱々しく言ってテーブルに顔を伏せる


絨毯がリコの肩をさすってしゅるんと居なくなった


――きっとまた何か取りに行ってくれたのかな…


アタシにはやる事だらけだよ…

もう花嫁修行なんてしないで元の世界に戻る方法と

王様を戻す方法…そして、まずはこの従者の契りを解消する方法見つけなきゃ…


元の世界戻っても契約続いちゃったらクロードが可哀想だし…


てか、こっちに来てどのくらい経ったのかな…

親とか友達は心配しているかな…


あっちと比べてこの世界の人達はみんな色鮮やかな見た目でアタシなんてほんと地味だった…

やっぱりここにいるべきじゃないって合ってないって思った


そして…今日のシアンの数々の言葉…

かなり刺さった…深くエグいところに…


執事を辞めれるように王様に言わなきゃ…

クロードもちょっとは寂しがってくれるかな…




『お前と馴れ合うつもりない、俺はただアフィリア王に従うだけだ』



お酒を片手にリコはふとクロードと初めて会った日に言われた言葉を思い出した



――そうだった…クロードはそんなつもりじゃないのにアタシが勝手に懐いちゃって…

主人だから優しくしてくれてただけなのに…

別にそれ以上の感情なんてないのにね…



それに…クロードには愛していた婚約者がいた…

今も愛し合ってる2人なのかもしれない


あんな綺麗な第四皇女と…2人で並んでたらお似合い過ぎる

愛し合ってたのに、皇女候補になる為に家が勝手に婚約破棄をしたってシアンは言ってた…

アイツの言葉を全部鵜呑みにするのはどうかと思うけど、第四皇女とクロードのあの感じ…

言われてみればそういう気まずい空気にも見えなくもなかった…


まだ話してるかな…会場にはいなかったからどこか別の場所で話して仲直りしてそのあとゆっくりしてるのかもね


けど、王様の嫁候補なのにクロードとの婚約をもう一度したいって話してるのかな…?

それとも王様の嫁候補を降りて貴方の元へ行くとか言ってたのかな…はは、超ドラマチック。


2人からするとさ、アタシってほんとに邪魔だよね。


クロードは面倒見なきゃいけない、第四皇女からすれば婚約者が執事をやらされててつきっきり…


モヤモヤ考え込むリコ


持っていた甘いお酒を置いて

また顔を伏せてゆっくり目を瞑る


――なんだろもう何も考えたくない…なんなのこのモヤモヤ…ウジウジしてる感じ…自分にも腹立つことばっかり…

やっぱり元いた世界が合ってるんだよアタシには…



「はぁーーー帰りたい。」



大きい声でため息をついて言った



バサッバサッ



その音を聞いてピクっとリコの体が動く



「どこに帰りたいんだ」



その声を聞いて顔を上げないまま


「ほんと帰りたい」


リコが言う



――なんで…なんでいつもこう現れるの…

アタシだいぶ酔ってるかな…

翼が羽ばたく音で反応しちゃって…

そして今一番聞きたくないはずの声なのに…



クロードの声がしただけでなんでこんな嬉しいの…

アタシのところに来てくれた事が嬉しくて…

どうしてこんなに顔を見たくなっちゃうの…



グッと顔を上げるのをこらえるリコ


――業務だから。クロードは業務…浮かれるなアタシ


コトッ


テーブルにトレーを置く音がした


「なんでいんの…」


リコが低い声で聞く


「主人をずっと探していたんだが…絨毯が王がいる方向と逆に何度も飛んでいるのを見てな…まさかと思って来てみたらこんなところで酔っているとは」


クロードが椅子を引く音がする


「酔ってないし!アタシの事はほっといていいよ、絨毯がいるし…クロードもせっかくの遊宴楽しんできなよ」


――元婚約者と…


とそこだけ内心で思って言葉では言わなかった


「絨毯は王の元に帰した」


「なんでよ!」


顔を伏せたままずっと話していると


ピクっ


リコの肩が一瞬動く


サラ…


クロードがテーブルに伏せているリコの髪の毛を触った


――何してんのよ…さ、触らないでよ!///


リコは変わらず顔を伏せたまま


左肘をテーブルについて手に顎を乗せ、空いた右手で髪の毛を指にクルクル絡ませて遊ぶ


「何をそんな拗ねている」


優しい声のクロード


「ホームシックなの!」


――邪魔者ってわかってからこれ以上2人の邪魔したくないの!!邪魔者は退散して元いた場所に戻りたいの!それにこの世界に合わなすぎるの!


「部屋に戻るか?」


「違う!元いた世界の方!」


「……帰りたいのか?」


急に落ち着いた声で聞くクロード

相変わらずクルクルリコの髪を触りながら聞く


「帰りたいに決まってるでしょ!アタシがどれだけこの会場に合ってなかったか見たでしょ?」


口調が強くなるリコ


――これじゃあまるでクロードに八つ当たりしてるみたい…


「例えば?」


「例えば?例えば髪の毛の色と瞳の色が地味過ぎる!他の皇女と比べて全然可愛くない!」


クロードがクスクス笑い出した


「笑いごとじゃない!本気で気にしたの!こんななのに皇女に選ばれて恥ずかしいって!しかも、みんななりたくてなってる人達で、アタシより美人な貴族だっていっぱいいてみんな皇女になりたいのに、なんでなりたくもないアタシがやってるんだろって!申し訳ない気持ちもあって!それなのに何にもできないし!」


バッと思わず顔を上げて気持ちが溢れ出すリコ


――邪魔者で…何にもできなくて…もうほんと嫌だ…惨めなだけだよ…


と落ち込んでいたのに…



「やっとこっち見たな」



肘をついていたクロードがフッと笑う

明るい月明かりに照らされてブルーの綺麗な瞳がが輝き、サラリと揺れる黒髪

儚げでとても綺麗な顔がリコを優しく見ていた



――なっ…///アタシがあんなに落ち込んでたのに…ずるい…ダメっ!トキメクな!///


ずっとクロードの顔見ないように我慢していて顔を上げたら、嬉しそうに優しく笑うクロードの顔に思わずトキメキそうになるリコ



「話し聞いてるの!?///」


リコは顔を赤くして怒りながら言う

幸い少し酔っていて顔が元々赤かったので少しホッとする


「お前は絨毯が連れてきて王に選ばれた、それがどれだけ光栄な事かわかってない。その辺の女達とは違う比べるだけ無駄だ」


「け、けど…」


――そんな言い方されたら…アタシすごいのかなって勘違いするじゃんよ…確かに異世界からいきなり現れて…すごい事なのかなって…



「まぁ髪色と瞳の色は地味だけどな」


フッ笑うクロード


「励ましてんだかけなしてんだかどっちなのよ!!///」


ムッと怒るリコ


「こっちに来い」


優しく言うクロード


「は!?何急に!!」


「いいから」


「何!!」


お酒をグイッと飲んでから立ち上がる


リコは酔いも回りだいぶ不機嫌で座るクロードの前に立った

クロードも立ち上がってリコの前に立つと…



「きゃっ!!///」


急にリコを抱えてお姫様抱っこをした


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