92本目
ぬおー、ホント最近は更新出来ず申し訳ない!!
背中の母さんの案内で、次々と床の装甲をブチ抜いていく。
ついでに魔人たちも道連れに。
あちこちから戦闘の振動や音が伝わってきてるので、みんな思う存分暴れているようだ。
魔人たちはひとりひとりが強い。
それぞれが特殊な能力を持っており、戦闘スキルも高い。
パワーはこちらの方が上とはいえ、油断すると俺や母さん、リルレですら殺されてしまうだろう。
数が多い上に、複数戦闘におけるコンビネーションも上手い。
階下に行くに従って、俺たちの戦いも熾烈を極めた。
戦っているのは俺とリルレだけだが。
さきほども、危うく首から上が消えるところだった。
…そろそろホントに母さんに降りてもらって、一緒に戦って欲しいんだが。
まあ俺など及びもつかないほどの頭脳の持ち主だ。
きっと何か考えがあってのことなのだろう。
そして、俺たちは巨大で重厚な扉の前に辿り着いていた。
母さんの話だと、この扉の向こうに魔王がいるらしい。
扉の前には、手練れそうな魔人たちが10人ほどいる。
やつらの霊子から察するに、それぞれが四天に匹敵するほどの精鋭と見た。
俺とリルレだけだと、かなり荷が重い。
「母さん、そろそろ一緒に戦って欲しいんだけど、降りてくれないかな?」
「嫌よ」
「…何か考えがあるんだね? そろそろ聴かせてくれよ」
体力を温存して魔王に当たるつもりか…?
「トオルと離れたくないだけだ。最近は戦闘ばかりでスキンシップ足りなかったし…」
「へ? それだけ?」
答えの代わりに俺をギュッと更に抱き締める。
俺は盛大に溜め息をつき、強引に腕をほどいて丁寧に母さんを降ろした。
「俺ひとりじゃ無理だから、一緒に戦ってくれよ」
母さんが怒りに震え、敵を視線だけで殺せそうな目で睨む。
「貴様ら…親子のスキンシップを邪魔しておいてただで済むと思うなよーーーッ!!!」
あまりの母さんの剣幕に精鋭たちが怯む。
さすがは元四天で、最強七人のリーダーだ。
でも理由がね…。
あー超恥ずかしい。
だがこれは好機だ。
敵が怯んでる隙に、俺たち3人は超加速でそれぞれが魔人の懐に飛び込む。
が、さすがは魔王を守るだけのことはある。
瞬間的に対応し、俺の顔目掛けて必殺の貫手を繰り出してきた。
俺は避けながらカウンターで腹に突きを出すも、肘でブロックされてしまう。
こいつ強い。
何かヤバい気配を感じ、斜め前に転がりそのまま立ち上がって後ろを見ると、別の魔人ふたりがやたら長い刀と体に不釣り合いな巨大な斧で殺到してきた。
先ほど格闘していた魔人が俺の後ろを取り、羽交い締めにされる。
こいつらのレベル尋常じゃない。
後ろを取られるなんて初めての経験だ。
「くッ!!」
この俺がフルパワーでもほどけない。
ホントに何てやつだ。
不味いッ!!
左右から刀と斧が迫る。
こいつら仲間ごと斬るつもりだ。
刀は蹴りで防げるが、斧が間に合わない!
………。
死………んでない。
眼前の敵は何らかの攻撃で吹き飛ばされていた。
「間に合って良かったですわ」
「コサ!!」
長身で肌が艶やかな漆黒、そして美しい顔の持ち主である最強七人のひとり、コサが間一髪助けてくれたのだ。
パワーでは通常モードではあるがテトナに匹敵し、その温和で上品な仕草から「淑女」のふたつ名を持っている。
が、実際はそんなに生易しいものではない。
敵にとってコサは死神みたいなものだ。
テトナの「暴虐」とコサの「淑女」は、戦い方や性格を表しているだけであって、ふたりは恐怖の対象でしかない。
そのコサが来なかったら俺は間違いなく死んでいただろう。
本当に助かった。
俺は後頭部で頭突きをし、怯んだ隙に羽交い締めから逃れることに成功した。
離れ際に蹴りを出したが、ブロックされてしまう。
ブロックした腕をへし折ることも出来ない。
一方母さんとリルレも苦戦しているようだが、母さんにはワヲン、そしてリルレにはキクが駆け付け共に戦っているようだ。
ふたりともやはり最強七人だ。
戦況は人数が増えたことによって、個々の能力もあり少しこちらが優位に見えるが、まだひとりも殺せていない状況である。
四天以外は大したことないと高を括っていたが、それは間違いだったと認めなければならない。
やつらはひとりひとりが強い上に、コンビネーションが上手い。
こちらもそれぞれがコンビネーションで戦わないと、殺られてしまうだろう。
「コサ、頼む!!」
「もちろんでございますわ。…あなたたち、地球の…いや、全宇宙の至宝であるトオル様によくも手を出してくださいましたね。この最強七人『淑女』のコサが、あなたたちに永遠の眠りをプレゼントしましょう」
穏やかな笑みを浮かべているが、コサの強烈な殺気に明らかに敵はたじろいでいる。
俺が敵3人に荷電粒子砲を放ち、すかさずコサが飛び込み、俺も挟撃するために回り込んだ。
コサが3人まとめて何重もの結界で防御しているにも関わらず腕を振り回して吹き飛ばし、俺が全員止めを刺す。
さすがコサだ。
凄まじいパワー。
「まさかわたくしが一撃で仕留められないとは、トオル様が苦戦したのもわかりますわ」
「コサ、あの扉破壊出来るかな?」
魔王を守る扉は重厚かつ堅牢だが、更に強力な重力結界も張られているようだ。
荷電粒子砲では扉に辿り着く前に軌道をねじ曲げられてしまうだろう。
「やってみましょう」
コサは静かに扉に向かって歩いていった。
いよいよ次回は魔王に対面です!!




