87本目
今日出かける前に、去年までスムーズに履けたパンツがウエストがキツくて履けませんでした…。
ヤバいよー、ヤバいよー。
いい加減そろそろ痩せないと豚に…。
「や、やめろ! 寄るな!!」
俺はゆっくりと…だが確実に怯えるテトナに向かって行った。
「クックック…。テトナよ。安心しろ。俺も初めてだ」
「何を!? 一体何を安心したらいいんだ? 寄るな! 寄るなぁ~~~ッ!!」
テトナがモーション見え見えのテレフォンパンチを打ってきた。
いくら俺でも簡単に避けられる。
「くッ!!!」
テトナの焦りが伝わってくる。
一方で、俺の心は穏やかだ。
ヨガの呼吸が…霊子が俺を導いているのか。
今日俺が童貞を失うのは、宇宙の意思なのだろう。
あんなに邪悪に感じたテトナが、今は可愛く見える。
こうしてみると、こいつホントに美人だな~。
「び、美人だなんて…そんなこと初めて言われた!!」
へ?
あ、どうやら口に出てたようだ。
「ああ、お前は美人だ、テトナ。お前の心には全く興味がないが、肉体は俺に捧げてくれ」
テトナが膝から崩れ落ちる。
「び、美人…。そんな…あたしが……?」
力の抜けたテトナの両肩に手を置く。
震えが伝わってくる。
これは完全にイケるな。
霊子がそう告げている。
目の前のメス豚を徹底的に犯してやれと!!
テトナの唇に俺の唇を近づ
「どべぇえええーーーッ!!?」
俺は首から上が消し飛ぶような衝撃に見舞われ、ふっ飛んだ。
容赦なく地面に叩きつけられる。
「な、何がッ!!?」
辛うじてテトナの方を見ると、そこには博士、マミム、リルレ、姫、エオカ、その他第二世代の面々がいた。
俺を殴り飛ばしたのは、どうやらマミムらしい。
空間に裂け目が見える。
あそこからみんな入ったのか…。
つーか、そもそもこの空間は何なんだろう?
「み、みんな!?」
「あんたねぇ、心配して必死で探してみれば、一体何やってたの!?」
「え~~~、何なに? みんな俺を迎えに来てくれたのぉ~~~? え~~~ん、怖かったよぉ~~~」
自分が行おうとしたことをすっ惚けて、呆然としてるテトナを尻目に俺はみんなの元へ駆け寄った。
「いやはや、助かったぜ。間一髪テトナに殺されるところだった」
「テトナ…生きていたか」
博士がみんなを庇うように立つ。
「お前この女と何してたぁ~~~ッ!!?」
「ほげぇえええ~~~ッ!!」
またマミムにぶっ飛ばされる俺。
「うちのダーリンに何するだっちゃ!!」
テトナがマミムに殴りかかるが、博士に防がれる。
「「「ダ、ダーリン!!?」」」
「ちょ、ちょっとあんた誰なの? ダーリンって…」
マミムはテトナに襲われたときにすぐに逃げたから、顔を覚えてないのだろう。
「あたしはテトナ。暴虐のテトナだよぉ~~~」
「な、何なの…?」
テトナの威圧にマミムが後ずさる。
こえ~~~。
あんなやつ飼い慣らせるのかよ…?
「やめろテトナ」
博士が立ちはだかる。
「ニヌぅ~~~、この前はよくもやってくれたなぁ~~~」
まずい!!
一触即発の雰囲気だ。
「や、やめてくれテトナ!! 元は仲間だろ!」
思わず叫んでしまった。
第一世代が喧嘩を始めたらとんでもないことになってしまう。
「はいダーリン、やめるっちゃ」
そう言って、テトナは俺に抱きついた。
「もう、うちはダーリンのものだっちゃ」
「「「何ィーーーッ!!?」」」
えー、何なに?
一体何が起こったの?
2mの細身の美女に抱き締められる俺。
テトナのちっぱいが顔に当たる。
あっあっ、また股間が…。
「離れろ!!」
リルレが蹴りを放つが、テトナは俺を抱いたまま華麗に後方に飛びずさり避ける。
すかさず博士が攻撃を繰り出すが、全て長い足を駆使してブロックしてしまった。
さすがテトナは強いな…。
暴虐と言われていたことはある。
「テトナ、この空間はなんだ? それにどうやってここにやって来れた?」
博士が問う。
「この空間は平行宇宙の間にあるシュバルツシルト面を、擬似的に作った小空間だよぉ~。あたしは宇宙をさ迷っているときに、ある力に遭遇した。その与えられた力によって霊子をコントロールし、単体で空間移動したのさぁ」
「まさか!! ブラックホールを!?」
「そのまさかだよぉ~~~。お前たちを殺すために戻って来たのさぁ~~~」
「さては魔王…イブリースと取り引きしたな!?」
「キャッキャッキャ。……その通り。ダーリン、ちょっと待っててね。こいつらをぶっ殺したら一緒にふたりだけの世界に行くだっちゃ」
「や、やめ…」
テトナが唐突に俺にキスをした。
「「「ッ!!!」」」
「モード『シヴァ』」
瞬間俺は目に見えない空間の檻に閉じ込められてしまう。
テトナが見る見る大きくなり、20mほどの黒く輝く美しい女神のようになった。
テトナは一度俺の血を飲んでパンドラロックを解除している。
彼女は高次元知的生命体であるブラフマーではなく、魔獣と融合しているため自力でもうひとつのモード『ドラゴン』になれるが、更に進化しモード『シヴァ』となったのだ。
博士と同じステージに立ったとも言える。
「モード『ハルマゲドン』!! 第二世代は全員パンドラロックを解除! リルレは結界を張り、マミムや姫を守れ!!」
黒い女神が、膨大な量のエネルギー球を神罰のように博士たちにぶつけた。
凄まじい衝撃波と光量だ。
「うわぁあああ~~~ッ!!!」
思わず叫んでしまったが、テトナが作った空間…結界内にいるため俺は何ともなかった。
光の奔流が止むと巨大な手が現れ、両側からテトナを挟み込むも見えないエネルギーの反発により、途中で手が止まる。
巨大な手は博士の神の力だろう。
テトナ周辺の空間が歪んでいるということは、あの手で重力波を放ちテトナを動けないようにしているのかもしれない。
第二世代たちが飛んでテトナを包囲し、荷電粒子砲を徹底的に放つ。
力は第一世代に及ばないものの、それでも強烈な攻撃だ。
『わたしも混ぜろ。復讐の時は来たれり!!』
空間が突如裂け、魔王に洗脳され敵となった元第二世代の真っ黒に染まったイウが現れた。
「イウ!!」
同僚であるエオカが叫ぶがイウの耳には入らなかったようだ。
「モード『ストラティオティス』!!」
自らの力でパンドラロックを解除した。
元々イウのカラーは燃えるような赤だったのに、復讐心が表に出たかのように今は黒々としていた。
「魔剣ティルヴィング!!」
イウが上空に手を伸ばすと、魔方陣が複数現れ、ティルヴィングが出現しテトナの周りに展開している第二世代たちや博士、博士の作り出した巨大な手に襲いかかる。
まるで核爆発のような衝撃波。
実際には比べ物にならないくらいの威力だろう。
俺は結界の中でガタガタ震えているしかない。
こんな恐ろしい状況で平静でいられるやつなんているもんか。
魔剣を使うなんてイウのやつ、すっかり魔王の手下だな…。
どうやら半数の第二世代が殺られたようだ。
一騎当千の第二世代でも、あの超兵器である魔剣ティルヴィングの威力にはさすがに勝てないだろう。
博士やリルレたちは無事のようだ。
リルレの結界をエオカを含む数名の第二世代の結界で強化したようだった。
瞬間的な判断力に感謝したい。
リルレの結界が守られれば、マミムや姫たちも無事ということだ。
テトナを抑えてた巨大な手がティルヴィングによってかき消えている。
自由になったテトナが、まるで太陽のようなエネルギー球を博士たちに向けて放つ。
同時に魔剣ティルヴィングだ!!
博士が両手を前面に出し、何重もの結界を張る。
恒星の爆発のようだ。
もう俺には到底付いていけない。
こんな戦いどうやって鎮火したらいいのやら…。
また超級のバトル展開!!
今後の展開もお楽しみに!




