84本目
毎日雨で鬱陶しいけど涼しくて助かりますね~。
額が広いので余計に涼しいですわ。
あー、ハゲで良かった。
『トオルのDNAコードを確認。パンドラロック解錠。モード『真実の鏡』解放。再構成開始』
前にペッボレゲセで見たときよりも、フェニは洗練されたデザインの真実の鏡となった。
俺の血のせいだろう。
能力も上がっているはずだ。
『アカシックレコードにアクセス。みんなを地球が飲み込まれるときに連れていくぜ』
フェニが宣言すると、俺たちは宇宙空間に浮いていた。
目の前には、巨大の母なる地球がある。
「な、何じゃこりゃぁあああ~~~ッ!!?」
『慌てるな。これはお前たちの脳に直接投影している超リアルな映像だと思え。実際にタイムスリップしたり宇宙空間にいるわけではない』
「なるほど…そういや呼吸も出来るな」
俺の血による能力の向上により、ここまでリアルで迫力のある映像を出せるのか…。
ホントに宇宙空間にいるようだ。
「うぎゃぁあああ~~~ッ!! 死ぬッ! 息が出来なくて死ぬぅ~~~ッ!!!」
マミムがひとりでパニックに陥り喚いている。
「今の話し聴いてなかったのか、お前は! これはリアルな映像だっつってんだろ!!」
「もうダメ…死ぬぅ~~~」
マミムが俺に抱き付いてきた。
ささやかなおっぱいが胸に当たる。
柔らけ~。
「ちょ、こら! これは映像だから大丈夫だって言ってるだろ!!」
ホントはもう少しこうしていたい。
あー、女の子の匂いがするー。
「死ぬときはお前も殺してわたしも死ぬぅ~~~!!」
え?
そう言ってマミムは俺の首を絞め始めた。
「や、止め…止め……」
死んじゃう、死んじゃう~~~!!
『マミムさん、正気に戻ってください!!』
姫が俺をマミムから引き剥がしてくれた。
「ハッ、わたしは一体…?」
あー死ぬとこだった。
姫に助けられたわ。
「みんな、これはきっと敵の攻撃よ! パニックにならないで冷静になって!!」
取りあえずマミムの脳天にチョップを食らわす。
「あいだ!!」
「冷静になるのはお前だ、バカ。これはフェニの作り出した映像だっつーの」
「あ、あぁ…。し、知ってるわよそんなこと!! 余計なこと言わないでハゲのくせに!」
「ハゲ関係ねえだろ!! このうすらバカ!」
「うわーーーん!! バカじゃないも~~~ん!!」
あー、超めんどくせえ。
プライドは無駄に高いわ、すぐ泣くわで手に負えないわ。
『おい、遊んでないでよく見てな。始まるぞ』
地球の北極側の真上に地球の直径よりも大きな魔方陣が現れた。
「「「ッ!!!」」」
全員固唾を飲んで見守る。
「シス、解析出来るか?」
「やってみます」
シスがモード『ストラティオティス』となり、両手を前に突き出して魔方陣を出した。
シスは第二世代なので、俺の血を必要とせずチャクラに埋め込まれたマイクロ霊子力エンジンにて好きなときにパンドラロックを解除出来る。
シスの解放された姿は淡いシアンだ。
ほとんど白一辺倒の第一世代と違い、第二世代はそれぞれに個性の色がある。
「や、やはり、積層型の複雑な魔方陣で、計算式も見たことがないものがある…。エオカ、わたしの解析能力の処理能力を上げて」
「わかった!」
エオカもモード『ストラティオティス』となり、シスの背後に3つの魔方陣を浮かび上がらせた。
ちなみに、エオカがモード『ストラティオティス』になると淡いピンク系となる。
ちょっとエロい…。
「うぎゃぁあああ~~~ッ!! 目がッ! 目がぁあああ~~~ッ!!!」
俺は突然の激痛にのたうち回った。
「ゴミがいやらしい目付きでエオカを見ていたものでつい」
リルレが俺の目を潰したようだ。
いくら体内のナノマシンが修復してくれるとはいえ、あんまりだ!!
「いてえよぉ~~~、いてえよぉ~~~」
「ハゲうるさい!! みんな集中出来ないでしょ!」
さっきまで騒いでたやつに言われたくないんですけど…。
俺は仕方なくうずくまり、痛みを堪える。
「凄い計算式だ!! これを作った人は天才」
シスの声。
「どんどん地球が飲み込まれていくわ!! すごーい」
マミムがボキャブラリーの少ない感想を述べるが、俺はまだ目が回復してないので見ることが出来ない。
超見てえよぉ~。
それから数分後、やっと目が回復して見てみると、既に俺たちはフェニの力による映像から解放され、食堂にいた。
「計算式は全て拾い上げました。あとはその式の相関関係や構造の解析をしなければなりません。非常に複雑で高度なコンピュータの助けが要ります」
シスが小声で言う。
「そっか。シスは解析を急いでくれ。エオカはそのサポートだ。プロメテウス内の霊子コンピュータを使うといい。ヘルメスのより処理速度が早い」
プロメテウスとはもうひとつの戦艦のことだろう。
「「はい!!」」
シスとエオカが返事をする。
「他のメンバーは引き続きヘルメスの修理だ」
みんなそれぞれの作業に入った。
まあ、俺にはやることがないので、みんなのために料理でも作っておくか。
「ハゲ、あたしは馬食べたい」
一番の役立たずがリクエストしてきた。
馬肉なんかあるかなぁ…?
俺はため息をつきながら、食堂の奥にある食糧庫へと向かった。
そろそろやつが出てきます…。
やつが。




