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79本目

最近電車によく乗るので小説が捗りますねー。

外から足音が聴こえる。


きっと、エク先生やコサさんが敵対した第二世代(ヴァーチューズ)たちを倒してしまったからだろう。


「ここにいても仕方ありませんわ。さあ、行きましょう」


コサさんの言葉に俺と先生が頷く。


とにかく急いでマルファスたちがどこにいるか探さないと。


こうしてる間にも、あのスケベ野郎の毒牙にかかっているかもしれない。


俺は先生に代わりまだ気絶してるフェニの首根っこを掴んだ。


部屋を出ると、警備してたのであろうふたりの第二世代(ヴァーチューズ)が倒れていた。


「エク先生、マルファス…魔人がどこにいるかわかりますか?」


『もちろんですよ。お任せくださいね』


おー、何と頼りになる!


「随分と巧妙に自分の霊子を隠してますね。これでは普通の第二世代(ヴァーチューズ)ではわからないでしょう」


と、コサさん。


「みんな博士の命令に従ってるだけなんだ。ふたりもあの魔人には気を付けてくれ!!」


『うふふ、心配しなくてもわたしたちは全然全くこれっぽっちもサトル様に気がないので大丈夫ですよ』


「そうですわ。0.00001ミリも。なので安心してくださいね、サトル様」


「う、うん…。そうだよね…」


俺のガラス製のハートはナノレベルまで粉砕され、もはや修復不可能だ。


もう少し気を使った言い方出来ないの…?


おっと早速、5人ほどの第二世代(ヴァーチューズ)たちのおでましだ。


「皆さん、止まってください! じゃないと我々は皆さんを攻撃するように言いつかってます!!」


コサさんとエク先生は、問答無用で戦おうとする。


「ちょ、ちょっと待ってくれ!! 君たちおかしいと思わないのか? 何で俺たちが敵対せざるを得なかったのか、疑問に思わないのか?」


「…まあ確かに疑問には思うが、取りあえず我々は博士の命に従うのみ。じゃないと、基地内の統制は崩壊してしまう」


「サトル様、ここは問答無用ですわ。思考を停止した者との会話は不毛です」


確かにそうだ。


俺も虫が支配する惑星ギュナイドゥンで、散々な目に遭ったからわかる。


ほとんどの虫が盲目的に女王に従うだけの、何の進歩性のない国だった。


まあ、俺たちや一部女王に逆らうマッシャッラーのような雄たちによって、改革を起こすことは出来たが…。


その後、あの惑星はどうなっただろうか?


遠い昔の出来事のように感じる。


第二世代(ヴァーチューズ)たちの攻撃が思考を遮る。


「あなたはペッボレゲセ人ですね? 我々に敵うわけがない。投降しなさい」


ひとりの第二世代(ヴァーチューズ)がエク先生に忠告する。


『あら、お気遣いなく。遠慮なくかかってきなさいな』


敵に対してもにこやかに笑う先生。


一瞬戸惑うが、忠告した第二世代(ヴァーチューズ)が、一気に間合いを詰め容赦ない突きを出す。


それをエク先生はかわしながらも投げて床に組み伏してしまう。


他の第二世代(ヴァーチューズ)たちに動揺が走った。


それはそうだろう。


どうみてもエク先生は、華奢なペッボレゲセ人の女性だ。


そして結局は残りの第二世代(ヴァーチューズ)たちも、エク先生とコサさんにあっという間にやられてしまう。


ふたりはやはり強い!


とても鮮やかで無駄のない手際だ。


向こうもまさか、体をいじってないノーマルな外星人に地球人のサイボーグが倒されるなんて思ってなかっただろう。


俺も修行次第でああなれるのかな…?


ペッボレゲセでエク先生は、俺の属性は『空』で何にでもなれると教えてくれたが…。


全然想像がつかない。


人間は自分のイメージ出来たことしか出来ないものだ。


まあ、ヨガを続けるしかないか。


取りあえず、俺たちは難なく切り抜け、エク先生の導きのままに基地内を走る。


マルファスの野郎は、基地の司令室にいるようだった。


司令室のドアは呆気なく開いた。


そこには、ソファーで博士たちをはべらせてるマルファスが…。


博士とリルレ、ワヲンがべったりとマルファスに抱きついて、うっとりしている。


ワヲンなんか、マルファスの脚に抱き付いてるよ。


「てめぇ…」


「ん? よおサトル。こいつらを見ろ。もはや完全に俺の女だぜ。お前はそこで嫉妬に狂ってな」


そう言って博士とリルレの豊満なおっぱいを揉む。


俺たちがいるにも関わらず、博士とリルレは嬌声を上げよがっている。


相当に洗脳が進んでいるようだ。


あの野郎マジでブチ殺す!!


だが、グッとこらえ冷静になる。


こちらにはカードがあるのだ。


エク先生にコサさん、そして何より切り札であるフェニがいる。


今に吠え面かかせてやるぜ。


「何とまあ下品なことですこと。この方が例の魔人ですね。女を洗脳してはべらかす能力しかないなんて、何て低俗な。このコサが退治して差し上げましょう」


『わたしはペッボレゲセ人のエク。あなたの所業耐え難いものがあります。成敗させてもらいますよ』


「ほぅ、なるほど、コサにエク…。俺は知らなかったがまあいい。コサにエク!! 俺だよ俺、マルファスだ。久しぶりだなぁ」


む、例の能力か。


しかし、コサさんとエク先生は俺のことなど何とも思ってない。


バカめ、あてが外れたなぁ!!


『ん? 何を言ってるのですか、あなたは…』


ほれ見ろ、バーカ!!


ふたりとも、マルファスめがけて飛びかかる。


「貴様ら!!」


博士とリルレがマルファスを守ろうとするが、それを爬虫類のようなぬめっとした笑みを浮かべマルファスが遮った。


どういうつもりだ!?


「あ~ん、マルファスぅ!! 会いたかったですわぁ~~~」


『わたしもです。マルファス大好きです!!』


マルファスに抱きつくエク先生とコサさん。


俺はあまりの光景に声も出ない。


どういうことだ?


やつの能力が強化されたのか!?


「くっくっく、このふたりも随分とお前のことが好きだったようだぜ。反動で見ろ、俺にメロメロだ」


「な、な、何だってぇ~~~ッ!!?」


だって俺のこと0.0001ミリも好きじゃないとか言ってたじゃん!!


そんなバカな…。


嬉しい反面、いきなり危機だ。


こうなったら、フェニに何とかしてもらうしかない!!


「おいフェニ!! いつまで寝てるんだお前は! 起きろ! お前の出番だ!!」


『ん? あ? 何だこりゃ? あのふたりもか…。バーカ、あの怖い女さえいなければ、俺がお前に従うわけねーだろ。俺もテキトーにあの男に従って、ときどきおこぼれを貰うことにするわ』


「な!? お前何言ってるんだ!?」


頭が真っ白になる。


もう手がない…。


この状況を打破する方法が全く思い付かない。


「あら~~~、やはりこうなっちゃったのね~~~」


「キク!! エオカとシスも!」


そこへ援軍の3人がやってきた。


戦力的にはかなり不利だが、何とかするしかない!!


「キク、ご覧の通りだ!! 非常にまずい状況になってしまった」


「ホントにまずい状況だわ~」


そう言ってキクは俺を床に組み伏した。


「なッ!!? キク、何するんだ!?」


「マルファスには従わないとダメよ~~~」


何とか振り向きキクを見ると、額に前はなかった金属のほくろくらいの大きさの球体が付いてる。


エオカとシスもだ。


マルファスの野郎は、あれでキクたちも洗脳してしまったようである。


どうする?


どう打破する?


俺はずっとマルファスに飼い殺しにされ、絶望と嫉妬の中生きていかなければならなくなるのか…。


「どうしたのー、マルファス?」


司令室の奥から、ふらふらとあられもない姿のマミムと姫がやってきた。


完全に事後だ。


あの野郎ッ!!!


絶対に絶対に絶対にぶっ殺してやるぅ!!


気が狂わんばかりの怒りが俺を支配した。

なんてこったい!!

マミムや姫が…。

しかし、安心してください!

実は…。

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