76本目
今回はとんでもない話しになってしまいました…。
童貞の皆さんは心して読んでくだされ!!
「ヘルメス、発進」
ヘルメスの縮退炉エンジンが作動し、起動する。
エオカとシスがオペレーションをやっているのでスムーズだ。
だが、ハッチが閉まったままだ。
基地側の許可がいるのだろう。
「関係ないわ~~~」
「へ?」
「ヘルメス、ミサイルでハッチを破壊しちゃって~」
『ミサイル発射します』
エオカたちがオペレーションしているので、いちいちヒュポ何とかネームを言わなくていいらしい。
が、ミサイルがハッチに着弾する寸前に、巨大な手が現れミサイルを吸収してしまう。
「何なの、もう~~~」
「あれは博士の力だ! 博士は俺たちがオモイカネに辿り着く前の魔人との戦いで、高次元生命体となってしまったんだ」
「…ホワイトホールエンジン作動」
「ッ!! こんなところでですか?」
エオカがキクに問い質す。
「他に手はないわよ~~~」
「わかりました! トリプル縮退炉エンジン同調開始。余剰エネルギー受け入れ準備完了。ホワイトホールエンジン作動します。トランスフォーメーション開始」
ヘルメスがドック内で強引にロボットモードへの変形していく。
艦内に強い衝撃。
とうとう、博士に率いられていた第二世代たちがヘルメスへ攻撃をし始めた。
たったひとりの魔人のせいで、地球人同士が戦ってしまっている。
このままではマズい!!
「艦外の第二世代たちにレーザー攻撃しちゃって~~~」
「仲間内でマズくないですか?」
エオカが心配そうに訊く。
当然だよな。
ただでさえ地球人は数が少ない。
しかも、向こうは俺たちが魔人に洗脳されていると勘違いしているだけだ。
こんなことで仲間同士争いごとになってしまうなんて、残念過ぎる。
「構わないわよ~。レーザーくらいで死なないし、確認もせずにこちらを攻撃したんだから、反撃されても文句言えないわ~~~」
「…わかりました」
エオカが操作し、ヘルメスの全身から攻撃中の第二世代たちに精密レーザーが命中し、次々と吹き飛ばされていく。
ヘルメス内に今度は今まで感じたことのない衝撃が走る。
「うおおッ!! な、何だ!?」
ブリッジ内の立体映像を確認すると、何と博士から出現した巨大な手がヘルメスの右足を切断してしまう。
とんでもないパワーだ。
「博士に荷電粒子カッターをフルパワーで発射~~~」
「了解!!」
修復済みのヘルメスの両手から、凄まじいエネルギーが博士目掛けて放出される。
もうめちゃくちゃだ。
まるで戦争じゃないか!!
こんな状況どうやって収拾つけるんだ?
「今よ~。ミサイルでハッチを破壊」
ミサイルがドックのハッチを破壊し、ヘルメスは辛くもオモイカネから脱出することに成功した。
木星の強烈な嵐の中に飛び出るヘルメス。
が、また衝撃が!!
博士の巨大な手による攻撃でヘルメスの左腕が消滅してしまう。
再度攻撃してきたので、ヘルメスも荷電粒子カッターを放つが強力なバリアで防がれてしまう。
「グラヴィティ・プリズンで博士を拘束よ~~~。最大パワーで」
博士が立方体の超重力の空間に閉じ込められる。
が、巨人が現れその立方体を引き裂いてしまう。
「うっそぉ~~~!!」
「神になった博士は何でもありかよ!?」
その巨人はヘルメスの倍ほど大きくなり、ヘルメスを抱えてオモイカネへと戻っていく。
万事休すか…。
ちくしょーーーッ!!!
俺たちは結局捕まり、オモイカネ内の自室にそれぞれ監禁された。
何とかここを脱出して、博士たちの洗脳を解かないととんでもないことになってしまう…。
色々試したのだが、ドアは開かない。
完全に外部からロックされている。
これくらいキクたちなら難なく突破出来そうなものだが、きっとドアの向こうには第二世代が警備しているのだろう。
いくら、キクたちが強いからって多勢に無勢だもんな…。
どうこの状況を打破するかあれこれ考えていると、突然ドアが開いた。
マルファスだ。
「てめえ!!」
思わず殴りかかるが、簡単にヒョイと避けられてしまう。
「いきなりだなぁ。何そんな怒ってるんだよ」
「みんなの洗脳を解け。お前の目的は俺たちとの共闘のはずだ。こんなやり方する必要ないだろ!!」
「まあ、確かにね。根気よく交渉すれば、お前たちと組んでイブリースたちと戦うことも出来るだろう」
「じゃあなぜだ!?」
「ひとつは、俺の能力は俺が意識しなくても勝手に発動してしまうこと。大した力じゃないし限定的な条件が揃わないと効かないのだが、今回はうまくいったみたいだ。それともうひとつはお前への嫉妬だ。以前からお前たちの噂は聞いていた。お前が羨ましくて仕方なかったんだよ、サトル。俺の能力は愛情の逆転。そしてその愛情を俺に向けさせること。それと、多少の記憶の改竄だ。なぜか男にはほとんど効かない。俺はこの能力のおかげで周りから忌み嫌われ、卑怯者だとバカにされ続けてきた。愛を得ようとも、相手の愛情は自分の能力のせいではないかと常に疑わなければならない。地獄だ!! 今回ここにきて、お前がどれだけ愛されてるかわかったよ」
「お前…俺に嫉妬だと? 俺みたいなハゲのおっさんに!?」
「俺は愛が欲しい。だが、俺に向けられる愛情は全て偽りのものだ。だから俺はこの能力を利用し、本物の愛情をめちゃくちゃにしてやることにしたんだ。サトル、お前と女たちの関係をズタズタにしてやるぜ!! その上で、俺が英雄となってニヌやリルレたちとイブリースを倒してやるよ。お前は俺が女たちにチヤホヤされるのを、嫉妬に苦しみながら見てるんだな。ざまあみろ!!」
こいつの顔は俺と違い美しいが、今は醜く歪んでいた。
「お前、めちゃくちゃだな!! お前はその能力をコントロールする努力を怠っただけだろうが! 誰だって色々抱えてるんだよ!! 甘えてんじゃねえ!」
「何だとッ!!?」
マルファスが激昂し、俺を殴り飛ばす。
「戦闘力も何の取り柄もないハゲがぁッ!!」
「いって…。この野郎!!」
俺も殴りかかるが、片手で止められまた殴られる。
「はっはっは、お前はホント弱いな。俺なんてアスーラの中じゃ落ちこぼれだと言うのに。そうだ、いいこと教えてやるぞ。今日な、お前たちが一生懸命戦ってるときに俺は何してたと思う? ん?」
邪悪に顔を歪ませるマルファス。
嫌な感じだ。
脂汗が背中を伝う。
心臓の鼓動が早い。
「まさかお前……」
「マミムのな、処女いただいちゃったぜ」
頭の中に核爆発のような衝撃。
殺意が…血よりも赤い真っ赤な殺意が俺を支配した。
あーあ、とうとうやっちゃった…。




