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71本目

今日は電車に久しぶりに乗りました!

がらがらですね~。

不謹慎だけど、電車に乗ると小説が捗りますわ。

「はぁ、何か疲れた…。飯でも作るかな」


マミムと姫に一方的に非難されて落ち込んでいたが、パンドラロックの解除作業で疲れて腹が減ってたので、俺は久しぶりに料理することにした。


昨日ワヲンとキクが用意してくれたものが簡素だったので、食材に関してあまり期待してなかったのだが、ここ木星の対魔王戦略基地であるオモイカネには植物工場や肉培養工場があるらしく、ふんだんに腕をふるえそうだ。


ワヲンとキクはきっと料理が得意じゃないので、携帯食用のものを出したのだろう。


もちろん食べられるだけでもありがたいが…。


野菜数種類と培養肉の入ったパックを冷凍倉庫から取り出し、パックごと電子レンジのような解凍用の機械に入れる。


すると瞬間的に解凍が終わった。


「おー、すげーな」


地球では新鮮な食材がすぐに手に入ったのでこういった作業はしなかったため、余計に驚いた。


それと、ここには様々な調味料も用意されていた。


うおー、醤油がある!!


めちゃくちゃ嬉しいぜ!


昔よく海外に行ったときに、特に何に飢えたかというと醤油とご飯だ。


大豆発酵食品がいかに偉大であるか思い知ったものだが、この2000年後の世界に来ても同じだった。


とにかく醤油で味付けしたものが食べたくなる。


これは日本人としてはどうにも抗いがたい民族のDNAに刻まれた本能的なものだと思う。


これは日本酒もあるかもしれない。


あとでゆっくり探すか…。


米もあったので、鍋に水を入れて熱を加えて炊くことにした。


あー白飯が食えるなんて、今からワクワクするわ。


地球もそうだしヘルメス内もそうだが、オモイカネ内も火ではなく電気による熱だ。


元いた世界の俺の部屋ではガスコンロを使っていたので、何となく物足りない。


培養肉と野菜をカットして、俺は手際よくフライパンで炒めた。


味付けはもちろん醤油だ。


醤油はただしょっぱいだけではない。


そこに含まれるアミノ酸やミネラルが複雑な味にしているので、塩分濃度が高い割にはそれほどしょっぱいとは感じない。


仕上げにペッパーを振りかけ完成だ!!


タイミング良く、ご飯も炊き上がっている。


シンプルな肉野菜炒めと白飯。


味噌があったら味噌汁作りたいが、見当たらなかったのでお茶で我慢する。


醤油があるだけでも嬉しい。


さてと…。


「いただきま~す!!」


箸もあったので、箸で口に運んだ。


歯応えのある野菜と柔らかい肉…そして何と言っても口の中に広がる醤油の香り!!


そして、そこに白飯を掻き込む。


温かくて甘味のある白飯がおかずと混ざり、最高の味覚を提供してくれる。


これぞ日本人の文化である口内調味だ。


「あ~、めちゃくちゃうめぇ!!」


納豆とかも食いたいなぁ。


納豆菌と大豆があれば、俺でも作れると思う。


あと、やはり日本酒だな。


もしかしたらオモイカネのデータバンクに、日本酒の醸造の仕方の情報があるかもしれない。


あとで博士に頼んでみるか…。


いや、そんな悠長なことをやってる場合ではなく、俺たちの地球が敵に持ってかれてしまったのだ。


何としても取り戻さなければ。


そんなことを考えながら食事していると、そこにワヲンがやってきた。


「わぁ~~~、いい匂い! ウンコくんが作ったの?」


人が物を食べてるときに、ウンコは止めて…。


「あぁ、そうだよ。ひとくち食べてみる?」


箸で摘まんでワヲンの口に持っていく。


あれ、これって間接…キッス!!?


「うんまい!! 何これ!? ウンコくん料理凄く上手なんだね~。ボク見直しちゃったよ~~~」


後ろからワヲンが俺に抱きつき頬擦りする。


あ、何か凄くいい香りがする。


何て言うか、女の子の甘い香りって言うか…。


そ、そして…そしてワヲンが口をつけた箸で野菜を摘まんで口に。


はぅあ!!


あぁ、何か凄くいい。


ドキドキするのぉ~~~!!


「ねえ、ボクと間接キス…しちゃったね」


耳元でワヲンが囁く。


「えッ!? い、いや…ち、違う! そんなつもりじゃ…」


「またまたぁ~~~、嬉しいくせに、このぉ~~~」


俺の頬をツンツンつつくワヲン。


あー、こんなスレンダー美人にこんなことされるなんて幸せの極地!


マミムと姫に嫌われたことなんて、頭の外に吹っ飛んでしまう。


ワヲンの胸は大きくはないが、それでも柔らかな感触が背中を襲う。


股間に血流が!!


思わず俺はお茶の容器に触れ股間にこぼしてしまった。


「あちゃぁあああ~~~ッ!! あんぎゃあ~~~ッ!!!」


股間に熱湯がもろにかかり、俺は床をのたうち回る。


「だ、大丈夫!?」


ワヲンが冷たい水で濡らしたフキンを持ってきて股間にあてがう。


あ、そんな股間をプニプニしたら、あたいのアソコが大きくなっちゃうのぉ~~~!!


「ちょ、ワヲン! やめ、やめ…」


「何だかこれって柔らかくて可愛いね~~~」


ワヲンから逃れようとするが、執拗に触ってくる。


こ、こんなとこ誰かに見られたら誤解されてしまう!!


「へぇ~~~、あんたまたそんなことしてるんだ」


「マ、マミム!? ち、違うんだ! 違うのぉ~~~!!」


『サトル様、最低ですね…』


食堂の入り口に立ったマミムと姫が、絶対零度の視線を向けてくる。


「わたしを抱いて弄び…」


『わたしに股間をいじらせ弄び…』


「『今度は別の女に股間をいじらせ弄ぶ…』」


「おい! 人聞きの悪いことを言うな!!」


「へー、あーなるほど…。何かおかしいと思ったんだよね。お茶こぼしたのもわざとだったんだね」


すっとワヲンが離れる。


いやいや、止めてって頼んだよね!?


「ねえ、ウンコくん…。女の純情弄ぶって楽しい?」


いやいやいや!


誤解じゃん?


全て誤解だから!!


「さ、こんなの放っておいて行きましょ」


3人は俺を一瞥すると食堂から出ていった。


さっきまであんなにドキドキして楽しかったのに…。


何で…何でこんな目に!?


俺はさめざめと泣きながら食器を片付けた。

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