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66本目

なかなか更新出来なくて申し訳ないです!!

え?


さようならって?


「このままではアリトンは霊子爆発を起こし、太陽系は消えてしまう。魔王が地球をどこかに転移させたのは、自分たちが居住しようとしてる地球を保護するためだろう」


すなわち魔王はアリトンが作戦に失敗し、暴走するところまで計算済みだったということか?


「博士、どうするつもりなんだ!?」


「サトル、達者で」


「お、おい!」


瞬間移動か?


博士が目の前から忽然と消えた。


ヘルメスのモニターはアリトンとリルレのエネルギーでホワイトアウトしているので、立体映像の方を確認する。


やはり博士は艦外に出ているようだ。


博士から巨大な腕がふたつ現れる。


体から生えてきたわけではなく、博士周辺の空間から出てきた感じなので、実際の腕ではなくエネルギーのイメージなのかもしれない。


リルレとアリトンにその腕が伸び、両手でふたりのエネルギーの暴走を包み込んだ。


超新星の爆発のようだった光が収束する。


すると、通常モードのリルレがブリッジに転移されてきた。


博士の力か?


「博士のあの力…。サトル、博士とキスしましたね?」


責められているようで、何となく居心地が悪い。


「あ、あぁ…。一体博士はどうなってしまったんだ?」


「サトルのふたつの体液を得て、博士はいわば神となったのです。いずれこの次元に留まることが出来ずに消えてしまうでしょう。我々第一世代(ドミニオンズ)は、あなたのDNAに隠された鍵により、高次元知的生命体であるブラフマーとの融合が進んでしまいます」


「神…博士が消えちゃう!?」


博士が消える…。


二度と博士と…共に旅してきた大切な仲間であり前世の母親、そして…そしてたまに友達以上恋人未満のような関係の博士と会えなくなる!?


そんなの嫌だ!!


俺がキスを許してしまったのがいけなかったのか?


「リルレ、俺はどうすればいい? どうしたら良かったんだ!?」


リルレはかぶりを振る。


「あの状況では、わたしも博士なら同じことをしましたよ。仲間を…あなたを守るために。そして、今はサトルに出来ることは博士を見守ることではないですか?」


「博士…」


モニターを見ると、アリトンの霊子爆発のエネルギーはだいぶ抑え込んだようだった。


が、今度は黒い何かが膨らんでくる。


その黒は博士の巨大な腕に抑え込まれることなく見るみる膨らみ、体長3kmはあるであろう狼のような魔獣となった。


凄まじい咆哮のあと、博士の巨大な腕を食いちぎり、腕はそのままかき消えた。


腕はやはりエネルギーのイメージだったか。


「博士ッ!!」


「あれはフェンリル!! どうやらアリトンには魔王から二重三重の処置が施されていたようですね」


リルレが慌てて、いつも博士が座ってる艦長席に座る。


「緊急回避!!」


フェンリルの巨大な口から、リルレが放った荷電粒子砲の何倍ものエネルギーが放出される。


リルレの機転でヘルメスは間一髪回避に成功した。


博士も回避出来たようだ。


立体映像で確認すると、エネルギーの奔流は亜光速でどこまでも伸び、火星に直撃した。


マ、マジか…!?


立体映像だから実感が湧かないが…火星が大破してしまった。


火星が…。


惑星を破壊ってめちゃくちゃだろ!!


意味わからない。


またフェンリルと化したアリトンが大顎を開き、エネルギーが溜まっていく。


「回避しつつ、荷電粒子カッターで攻撃を!!」


「ヒュポスタシス・ネームをお願いします」


第一世代(ドミニオンズ)リルレ・ガブリエル!」


「声紋、位格、霊紋照合。ドミニオンズ、リルレ・ガブリエルを確認しました。回避しつつ荷電粒子カッターで敵を攻撃します」


ヘルメスが移動しながら荷電粒子カッターをフェンリルに放つ。


が、見えない障壁のようなものに妨げられダメージを与えることが出来ない。


すると、博士がフェンリルに接近し顎を下から殴った。


フェンリルのエネルギー砲が上方に発射される。


その隙にヘルメスをフェンリルの背後に移動させ、接近して背中を殴った。


痛みに咆哮するフェンリル。


フェンリルが作るバリアの内側なら直接攻撃は効くということか。


今度は博士が横から殴りつける。


ヘルメスの蹴りも入った。


巨大な狼をボッコボコにし始めた。


何だか動物虐待してるみたいで、ちょっと可哀想だな…。


が、相手は惑星をも破壊する凶悪な魔獣だ。


遠慮する必要は全くない。


そこで、フェンリルは全身の毛を針のようにして四方八方に飛ばしてきた。


艦内に衝撃が走る。


距離を取らざるを得ない。


その隙にフェンリルは口からエネルギー砲を、ヘルメス目掛けて撃ってきた。


「うわぁあああ~~~ッ!!」


『きゃぁッ!!!』


凄まじい衝撃に俺と姫が思わず悲鳴を上げる。


致命傷は避けたが、ヘルメスの右腕が消滅していた。


また更にフェンリルの口の中にエネルギーが溜まっていく。


こいつのエネルギーは無尽蔵か!?


「回避!!」


リルレがヘルメスを操る。


しかし、動くヘルメスに合わせて向こうは顔を動かすだけだ。


不味い!!


接近して殴ろうにも、全身フェンリルは体毛を針にしているため、こちらが逆にダメージを受けてしまう。


博士がフェンリルとヘルメスの間に入ってきた。


博士の前にヘルメスほどの巨人が現れる。


あの腕は…先ほど博士が出していたエネルギーのイメージの腕。


巨人も博士のエネルギーが生み出したものなのか…?


そうか、これが霊子の力なんだ。


霊子力とは想像を現実化する力であると以前聞いたことがある。


博士が俺たちを守りたいというイメージが巨人を生んだんだ。


巨人がフェンリルを殴り、フェンリルのエネルギー砲の軌道を逸らしてくれた。


更に巨人が殴り付ける。


フェンリルも噛み付いて反撃する。


また腕が食いちぎられるが、すぐに生えてきてその腕でまた殴り付けた。


あれは霊子で出来た巨人だ。


博士がいる限り巨人は消えないのかもしれない。


しかし、博士の稼働限界は来ているはずなのだが、一向にモード『ハルマゲドン』が解ける様子がない。


やはり、既に高次元体となりつつあるからなのか?


巨人がフェンリルの口を強引に開ける。


『リルレ、荷電粒子カッターをこの中に撃て!!』


博士の声だ!


「ヘルメス、荷電粒子カッターを撃て!!」


『ヒュポスタシス・ネームを』


第一世代(ドミニオンズ)リルレ・ガブリエル!!」


『荷電粒子カッターを敵内部目掛けて発射します』


ヘルメスは残りの左腕をフェンリルの口の中に突っ込み、荷電粒子カッターを発射した。


フェンリルの肛門辺りから、荷電粒子カッターの奔流が凄まじい勢いで吹き出る。


腕を引き抜くと、フェンリルは動かなくなった。


「終わった…のか?」


俺は安堵した。


あんな化物相手によく勝てたものだ…。


「いや、まだです」


フェンリルが今度はどんどん縮み始めた。


『警告。強力な重力波を検知。極小のブラックホールが形成されつつあります』


「でも、いつもブラックホールを使ってワープしているんだ。問題ないんじゃないか?」


「いや、ホワイトホールエンジンで中和しながら、高度な計算によりブラックホールを発生させているので問題ないのです。どのくらいのブラックホールになるかわからないので、中和はかなり難しいかと。ブラックホールとホワイトホール、全く等しいエネルギーバランスでないと太陽系ごとブラックホールに飲み込まれるか、ホワイトホールで吹き飛ばされてしまいます」


「何だって!?」


フェンリルが見えなくなるくらい小さくなっていく。


猶予はないぞ!!


どうする!?


俺は思考が回らないでいた。

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