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55/93

55本目

またまた更新出来なくてごめんなさい!!

今回はかなりシリアスになっちゃいました…。

「あれじゃないか?」


俺とリルレ、ノハ、マミムはマッシャッラーが用意したギュナイドゥン製の小型の円盤状の宇宙船に乗り込んで、博士の指示通り指定された隕石に接近した。


でかい。


こんなのが落ちたらシャレにならないぞ!!


早速、リルレは俺の指を咥え、モード『ハルマゲドン』となり、船外へと出た。


まずはふたつの隕石を同時に破壊しなければならないが、もうひとつの隕石はここからじゃ全然見えない。


位置情報を元に微調整して撃つしかない。


撃った反動によるブレや、惑星ギュナイドゥンの重力による影響も計算に入れないとならない。


しかも、リルレには稼働限界がある。


撃った反動でリルレが吹き飛ばされて、永遠に宇宙をさ迷うことにならないように、宇宙船の背を隕石に向ける。


リルレは真上に撃つ形になる。


ほどなくして、轟音が聴こえてきた。


リルレにためらいはない。


さすが第一世代(ドミニオンズ)だ。


リルレの荷電粒子砲によるエネルギーの奔流は、目の前の隕石を破壊しながらも遠くへと亜光速で伸びていく。


「もうひとつの隕石の破壊も確認。さすがリルレだな」


ノハの報告を聞いて俺もマミムもホッと胸を撫で下ろした。


つかさずノハが宇宙船を操作して、別方向に宇宙船の背を向ける。


再び聴こえる轟音。


「またヒット。…更に伸びて、もうひとつの隕石を半壊。軌道がズレていく。博士は2回目はひとつでいいって言ったんだが、リルレの能力が上回ったな」


「おぉ~~~、すげぇ!! これで4つは破壊出来たな! 博士の負担を少し減らせて良かった」


宇宙船内のモニターを見ると、博士もヘルメスで順次破壊していってるようだ。


既に5個の隕石をヘルメスで破壊している。


時間はまだ2時間はあるし、これで残りは6個だ!


これは余裕でいけるんじゃないか?


ノハが宇宙船を、まだ破壊されてない隕石に近付くために操作した。


リルレも船内に戻って来る。


「リルレ、すげーぜ!! やったな!」


「さすがわたしのお母さん!!」


「ふっ、当然ですよ。本来の力はこんなものではないのですが、まあ仕方ないですね」


ドミニオンズの底力は計り知れないな。


以前、本来の第一世代(ドミニオンズ)は惑星をも破壊出来る力があるとか言ってたしな。


「次はオレの番だが、まだ稼働時間にならない。取りあえず、隕石の近くに接近しておこう」


近づいて行くと、隕石の側に半分くらいの大きさの星が3つ付き添ってギュナイドゥンに向かっていた。


あれは…。


「コカビエルですね」


リルレが答える。


コカビエルがいるということは、まさか…。


「貴様らに俺の作戦は邪魔させないぞ」


突如後ろから声がした。


リルレとノハが即座に反応し、何者かに超速の蹴りや突きを放つ。


が、当たった瞬間消えてしまう。


空中に小さな魔法陣があり、それも消えてしまった。


「アバターか」


と、リルレ。


そのとき、外部通信が入る。


「俺の名はアンドロマリウス。極炎のオリエンスの弟だ。兄の仇討たせてもらうぞ」


「何!? あのオリエンスの弟だと? だいたいそっちが一方的に攻めて来たんだろが。逆恨みも甚だしいぜ!!」


「お前がサトルとかいうふざけたやつか。特にお前はこの俺が直々に八つ裂きにしてやる。楽しみにしてろ」


「全然楽しみじゃないんだけど!! 八つ裂きにされるの楽しみなやついるわけないだろ、バーカバーカ!」


「ちょっと待ってハゲ! あんたよりバカいるわけないじゃん」


ややこしくなるから、お前は口を挟むなよ!!


「ははは、味方に言われてるぞ。面白い女だ。お前は俺の慰みものにしてやろう。散々犯したあと、生きながらゆっくりとミンチにしてやる。楽しみにしてろ」


「何こいつ、気持ち悪い!!」


「てめぇ、ふざけたこと言ってんじゃねえぞ!!」


なぜかマミムのこと言われて俺はめちゃくちゃ腹が立った。


「ハゲあんた…」


「くっくっく、どれ、惑星ギュナイドゥンを破壊する前の余興だ。遊んでやる」


「マズい。ノハ、一旦離れるのよ」


リルレが言う。


「さっきからそうしようとしてるけど、船のコントロールが効かない!! くそッ!」


コカビエルの魔法陣による結界か。


以前、ヘルメスが強力な重力波で捕らえられたことがある。


こんな宇宙船あっと言う間に潰されてしまうぞ。


間が悪いことに、リルレはさっき解放したばかりだ。


ノハもあと1時間は稼働時間とならない。


「博士に助けてもらおう! ヘルメスならあいつをやっつけられる」


「ダメだ! ここはオレたちで何とかしないと、隕石がギュナイドゥンに落ちてギュナイドゥン人たちが滅びてしまう」


コカビエルからレーザー砲撃が来た。


リルレとノハがバリアを張り、何とか直撃を免れるが、いつまで持つか…。


「やむを得ない。リルレ、あとは頼んだ。おい、チ○コ野郎。指貸しな」


「おい、まだ稼働時間じゃ…」


「何とかなる。稼働時間は短くなるが、それでもモード『ハルマゲドン』にはなれる。それとオレたち第一世代(ドミニオンズ)には奥の手があるんだ」


「ッ!! ノハ止めるんだ。まだ手はあるかもしれない!!」


リルレが慌ててる。


何だ、奥の手って…?


戸惑っている俺の指を咥え、ノハがモード『ハルマゲドン』となる。


「サトル…いや、トオル。お前のこと大好きだったんだぜ。生まれ変わりとはいえ、また会えて嬉しかった」


そう言ってノハは背伸びして、俺にキスをした。


お、俺のファーストキスが…。


舌が入ってきて気持ちいい。


「ん、んぐ!!」


「ちょ、あんた何やってんのよ!!」


マミムが慌てて間に入ってくる。


「ぐ…ぐぉ…」


ノハが苦しそうに美しい顔を歪める。


そして俺を見て寂しそうに笑った。


体が輝き始める。


「モード『ドラゴン』解放。じゃあな…みんな達者で。サトル、その子を大事にな」


モード『ドラゴン』だって!?


確かかつて俺たちと敵対した第一世代(ドミニオンズ)のテトナが、そう言ってドラゴンになっていた。


ノハが急いで移動し船外へと飛び出る。


モニターに映し出されたノハが、肉とかサイボーグの機械的なパーツとかが体内から溢れてきて見る見る大きくなり変貌を遂げる。


あれは真っ白で巨大な美しいドラゴンだ。


テトナがモード『ドラゴン』になったときよりも、はるかに大きい。


20mくらいはある。


「あれになると、もう元に戻れないし自らのパワーで自壊してしまうんです…。ノハ…すまない…」


「え、何だって!? そ、そんな…」


ノハと隕石の間に、隕石を守るように何重もの魔方陣が現れた。


が、ノハがそれらを呆気なく引き裂いてしまう。


ノハが大きく口を開けて、凄まじい威力の荷電粒子砲を放つ。


コカビエルのひとつと隕石が、破壊され爆発し轟音が伝わってくる。


その威力に俺たちの宇宙船もかなり揺れる。


「うぉッ!! 何て威力だ!」


残ったふたつのコカビエルの中心に魔方陣が現れ、中から黒ずくめの魔人が出てきた。


オリエンスと同じく鱗状の装甲に覆われたスーツを着て、端整な顔が歪んでる。


あいつがオリエンスの弟のアンドロマリウスだろう。


オリエンスのように仮面は被ってないな。


アンドロマリウスが両手の平を前に突き出すと、隕石くらいの大きさの太陽のようなものが現れた。


いや、これは恒星そのものだ!!


それをノハに放つ。


オリエンスと同様、アンドロマリウスは兄弟なだけあって恒星の熱を操るのかもしれない。


オリエンスも右手に恒星の熱を魔方陣で呼び出していた。


が、驚くべきことにノハはそれを吸い込んで飲み干してしまう。


驚愕に顔が歪むアンドロマリウス。


きっと、やつの究極奥義なのだろう。


テレポートしたかのように一瞬で間合いを詰め、ノハはアンドロマリウスを掴む。


必死で逃れようとするアンドロマリウス。


ノハが口を開ける。


恐怖に目を開く。


ノハはアンドロマリウスを咀嚼して食べてしまった。


呆気ない最後。


残りのふたつのコカビエルも、口からの荷電粒子砲1発で破壊。


ノハは、そのあとも理性が残ってる間、宇宙空間を移動しふたつの隕石を破壊してくれた。


そして。


そして…。


まさか……。


俺たちを巻き込まないように遠くに遠くに移動し、誰か側にいてあげられるわけもなく、孤独に超新星のように光となって爆発した。


ノハは死んだ。


あんな…あんな小さい女の子が、自分を犠牲にして。


キスしたあと寂しそうに笑って去って…。


俺はノハを失った悲しさと、自分が何も出来なかった不甲斐なさで涙が止まらなかった。

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