52本目
俺たちは次の日、最後の第一世代に会うために、ペッボレゲセを出ることにした。
『わたしも連れて行ってくれませんか?』
出立しようとバロアチ王に挨拶するときに、パニ姫がお願いしてくる。
うんうん、俺は大歓迎だぜ!!
こんなクセのない可愛い女の子いないしな。
「はあ? あんたこの星の姫なんだから、連れて行けるわけないでしょ」
マミムがつれない。
「我々の旅は危険だ。命の保証が出来ない以上、連れていくわけにはいかない」
博士が正論を吐く。
まあ、そうだよな。
つーか、そんな危険な旅に俺を同行させないで欲しいんですが…。
『危険は承知のことです。わたしも何かの役に立ちたいんです!! お願いします!』
『わたしからもお願い出来ませんか?』
王様が穏やかに口を開く。
『姫は今まで我儘言うことなく育ってきましたが、昨晩反対するわたしに初めて逆らいまして…。ペッボレゲセにいるのではなく、宇宙に出て魔王の危機から国民を守りたいと涙ながらに語る姿に、わたしも折れました。そもそも、この星の危機に皆さんを連れてきて救ったのも姫です。外に出て経験を積むことにより、将来はいい王になることでしょう。また、命を賭けなければ得られないこともあります。どうか、姫の同行を許してやってはくれませんでしょうか?』
王様は頭を下げた。
ホントにいい王様だと思う。
ハゲ、ちょっと感動しちゃったよ。
「わかった。そういうことなら…」
『あ、ありがとうございます!!』
姫もペコペコ頭を下げる。
「ちっ!」
マミムが舌打ちする。
こいつ姫が可愛いからって嫉妬してんじゃねーよ!!
「姫様良かったね! これからもよろしく!!」
俺は苦手なウインクをして言った。
ちなみに、昔俺のウインクは気持ち悪くて殺意を覚えるから止めろと友達に言われたことがあるが、姫は優しいから俺のウインクを受け止めてくれた。
俺の童貞も受け止めてくれないかな…?
巨乳専科…行きたかったなぁ。
あーあ。
「では、出発しよう」
俺たちはヘルメスに乗ることにした。
別れ際、王様と姫は抱き合って別れを惜しむ。
美しい親子愛だなー。
巨乳専科…絶対に行くからね!
待ってろよ、俺のおっぱいたち!!
俺も惑星ペッボレゲセとの別れを惜しんだ。
第一世代のコサさんは、引き続きペッボレゲセに残って、魔人からの攻撃に備えることになった。
コサさんは自力でモード『ハルマゲドン』になれるし、安心だ。
出発し、見る見る小さくなっていく惑星ペッボレゲセ。
姫は窓から母星を見ている。
あー、儚げで可愛いー。
「うわっ、あんた何姫のこと気持ち悪い目線で見てるの? 姫が腐るから止めなよ」
マジでイラッとすんな、こいつは!!
「お前と違って可愛いなーと思ってたんだよ」
「あんた目付き気持ち悪い上に視力も悪いんだねー。わたしほど可愛い美少女いないでしょ」
スゲーな。
ある意味感動しちゃうよ。
よくそこまで自分のこと誉められるよな。
「うんうん、よくわかるよ。お前が一番だよな!! 頭の悪さは」
「またまたご謙遜を~。ハゲには勝てないですよー、頭の悪さは~」
「いやいやいや、マミム様がナンバーワンですって! 尊敬しちゃ」
「オラァッ!!」
「ぉげぇッ!!!」
マミムのボディブローが俺の腹に炸裂する。
そして、倒れそうになる俺の頭を掴んで片手で持ち上げる。
こいつも普通の人間のはずなのに、強過ぎない?
「調子に乗んなよ、ハゲ」
「はい……すびばせん…」
パッと離し、俺は床に倒れ込んだ。
「し、しどい…」
床でピクピクする俺を見て、姫が笑った。
『クスクス、おふたりは仲がいいんですね~』
えーと、どこが?
今殴られたところなんですけど…。
「はあ? 見てわからないの? こんなハゲと仲いいわけないじゃん」
『フフフ、仲悪いならわたしにもチャンスありますね!』
「チャンスも何も、こんなハゲ止めておきなさいよ! ハゲが移るから近付かない方がいいわよ!!」
『あらあら、やっぱりマミムさんも…』
「はあ!? 違うし!! こんなの全然好きじゃないし!」
『わたしは別に好きだとか言ってませんが…』
「調子に乗んなよ、ハゲ!!」
「ぶぼぉッ!!」
マミムは俺を踏みつけてどこかに行ってしまった。
「何で俺が…こんな目に…?」
入れ替わりでリルレがやってくる。
「ゴミ、こんなところにいましたか。あの星ではあんまりゴミと遊べなかったので、ストレス解消させて貰いますね」
え?
意味わからない。
何で俺でストレス解消するの?
「話に聞きましたが、何でも巨乳専科とかいういかがわしいお店に行こうとしたとか何とか…。わたしという者がいながら、何でそんなお店に行ったのですか?」
いいの!?
おっぱい触っていいの!!?
早く言ってよ~。
俺は何とか起き上がり、リルレのおっぱいに両手を伸ばす。
「あんぎゃぁあああ~~~ッ!!」
両手首をリルレの怪力で掴まれた。
つーかこれ、手首潰れてない?
「誰が触っていいなんて言いましたか?」
「はぁはぁ、だ、だって、わたしという者がいながらって言ったじゃん! 触っていいってことじゃん!! お、お願い…離して…」
「ゴミに触られたら、わたしのおっぱい汚れるじゃないですか。巨乳専科でも行って、バカ女たちのおっぱいでも触ってきたらいかがですか?」
「い、いでぇ…さっき、いかがわしい店とか…い、言ってなかった?…は、離して…いだい…」
「もちろん、行ったら死です。わたし以外のおっぱいを見たら、それでも死です。わたしのおっぱいを触っても死です。わかっていただけましたか?」
「全然わからな…いだぁあああ~ッ!! いだいいだい!! わかりましたぁ! わかりましたから…お願い、離してッ!!!」
やっと離してくれて、床に倒れこむ俺。
「腕がぁ~~~!! 腕がぁ~~~ッ!!」
『クスクス、おふたりは仲がいいんですね~』
ちょっと待ってよ。
そういう要素あった?
ないよね。
手首潰れてるんですけど…。
「わたしとゴミは何でもないですよ。汚らわしい…」
『フフフ、仲悪いならわたしにもチャンスありますね!』
「チャンスも何も、こんなゴミ止めておいた方がいいですよ。ゴミが移るから近付かない方がいいです」
…何かさっき聞いたようなセリフだなぁ。
『あらあら、やっぱりリルレさんも…』
「はい!? 違いますよ!! こんなゴミ全然好きじゃないです!」
『わたしは別に好きだとか言ってませんが…』
「調子に乗らないでくださいね、ゴミ」
「ぶぼぉッ!!」
リルレは俺を踏みつけてどこかに行ってしまった。
「何で俺が…こんな目に…?」
入れ替わりで博士がやってくる。
「ぼくちん! 巨乳専科! ママがいるのに! でも好きでも何でもないんだからね!!」
「え? な、何急に…?」
「調子に乗るなよ、ぼくちん」
「ぶぼぉッ!!」
博士は俺を踏みつけてどこかに行ってしまった。
雑だな~。
博士は雑。
『あ、えーと、え? は、早ッ!!』
姫が口を挟む余地を与えなかったということか…。
ナノマシン注射して欲しかったんですけど…。
俺は姫に博士を呼んでくるように頼んだ。
モッテモテですね、サトル君は。
死ねや!!




