51本目
今回はちょっとほんわかした話です。
マミムも可愛いところありますね!
「これからこいつらに稽古つけてやるから、お前は帰れ」
動揺を悟られないように、なるべく普通にマミムに告げた。
これもヨガによる瞑想の成果か…。
「はあ? 嘘なのバレバレよ。稽古するのに何でわざわざ寝静まった夜を選ぶの? それにあんたたちから邪な波動を感じるのよね」
「波動…。気のせいだろ。夜を選んだのは誰にも邪魔されないためだ。ということで、お前は帰れ」
邪な波動ってさ…まさかこいつ、ヨガで霊子感じられるようになったって言ってたけど、あれホントだったのか?
いや、瞑想中もイビキかいて寝てるだけだったし、そんなわけない。
ハッタリだ!!
俺よ、自信を持て!
「稽古ならわたしも付き合ってあげるわよ。わたし、霊子感じられるようになってるし」
来るなよ!!
付き合わなくていいから!
「女がいると気が散る。男だけで集中してやりたいんだよ。いいから帰れよ。睡眠不足は美容に悪い。早く寝ろ。な!」
「ヨガのおかげか短時間で深い睡眠が出来るようになって、肌も調子いいのよね。心配いらないわ。それに、女がいる程度で気が散るなんて修行不足もいいところじゃない。かえってわたしがいた方が稽古になるんじゃない?」
何で今日はそんなに頭の回転がいいんだよ!
あと、何でお前はそんなにヨガをマスターしちゃってるわけ!?
寝てたじゃん!
イビキかいて寝てたじゃん!!
『はぁ~~~、お申し出はありがたいのですが、我々はまだまだ未熟…。男だけで修行したいと思ってます。もう少し修行の段階が進んだら、マミム様が是非稽古つけてください。よろしくお願いいたします』
おー、ナイス!!
ドゥイもやるじゃん。
口臭いけど。
「そぉ? ならまた今度にしようかしら…」
おぉ~~~、来た来た!!
これでやっとおっぱいに会えるぜ。
おっぱいおっぱい!!
「じゃ、そういうことでまた明日な!!」
ふ~~~、危なかった。
巨乳専科が俺たちを待っている。
巨乳専科は男の修行場だぜ!!
「あんまり遅くならないようにしなさいよー」
「「「はぁ~~~い♪」」」
俺たちはドゥイの案内で巨乳専科に向かった。
ふぅ、一時はどうなることかと思ったぜ。
あぁ~~~、今日はとうとう39年間守り続けた童貞を卒業出来る!!
初めては好きな人にって思ってたけど、そもそも好きな女なんかいないしな。
そのとき一瞬マミムの顔が浮かんだが、いやいや、あんなバカ女あり得ないだろ…。
あー、ワクワクするな。
2000年後の世界に来て、一番ワクワクしてるかも。
『師匠、ここです』
「こ、ここが…」
そこは中心地区から外れた、やや薄汚れた地区のビルだった。
『ここの地下に巨乳専科がございます。はぁ~~~!!』
いざ、おっぱいへ!!
「へー、巨乳専科ね。ここがあんたたちの修行場なわけか」
「ああ、そうだ。ここが俺たちの…。ッッッ!!?」
振り返るとそこにはマミムが腕を組んで立っていた。
「マ、マミム!! なぜここに!?」
「怪しいと思ったから付いて来たに決まってるじゃん」
「ち、違う! 違うんだ!! お、俺は知らなかった…知らなかったんだぁ~~~ッ!!」
「その割には道中ウッキウキだったわね」
「お前の勘違いなんだよ! あ、そうだ!! これは潜入捜査なんだ。違法に営業してる店があり、調べて欲しいって王様に依頼されたんだよ」
「へー、そっかそっか。じゃあ明日王様に訊いてみるね」
「秘密の捜査なんだ! お前が口を出すと、俺たちがお前に話したことがバレるだろ!! いいからお前は帰れよ!」
『ここは我々に任せて、マミム様はお帰りください、はぁ~~~ッ!!』
「くっさ!! あんた歯磨いてるの?」
『ッ!!』
「とにかく帰れ! お願いだから、帰ってください!!」
『見逃してください!! お願いします!』
「フンッ!!」
マミムの拳が俺の腹にめり込む。
「おっぼぉッ!!」
俺は倒れ、息苦しさにのたうち回り、胃の内容物を全て吐き出した。
『し、師匠が一発で!?』
「あんたたちさ、こんな貧弱なハゲに習っても仕方ないわよ。地道にエク先生のところで修行しなさい」
俺はマミムに頭を鷲掴みされ、引きずられて行った。
「お…おっぱい…」
俺のおっぱいが遠ざかって行く。
呆然とするドゥイたち。
こうして、俺たちの崇高なる作戦がマミムによって阻止されてしまった。
次の日、いつの間にか帰ってた自分の部屋で起きる。
タワーを出ると案の定ドゥイたちがいた。
今夜こそ…今夜こそは巨乳専科に行かねばなるまい。
「昨日は参ったな、ははは。今夜こそ俺たちのミッションを成し遂げようぜ!!」
『あー、もういいですわ』
テンションの低いドゥイたち。
「え、どしたの?」
『はぁ~~~、あんたさ、全然弱いじゃん。マミム様の方が余程強いわ。何か目が覚めたわ。俺たちはエク先生の元に戻るんで。じゃ』
去って行くドゥイたち。
えー、何これ?
大体さ、君たちの勘違いだったんだけど、何で俺が悪い感じになっちゃってるわけ?
しょんぼりして、タワーへ歩いてると肩を叩かれた。
「ププー、弱いクセに師匠面するからよ!」
「お前が余計なことするからだろが!!」
「いずれこうなるんだから、早めの方がいいでしょ」
「ぐっ…。くそう」
「だいたい近くにこんないい女がいるのにさ、あんな店に行くことないじゃないの」
マミムが照れ臭そうに笑う。
あ、久しぶりにマミムのこと可愛いと思ったわ。
やべ、いかんいかん!
俺はいつもこのバカのせいで酷い目に会ってばかりなんだから、騙されるな!!
「さ、朝食にしましょ」
マミムは嬉しそうに俺の腕を引っ張った。
まあ、いっか。
朝食は何かなーと、俺はぼんやり考えた。




