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44本目

皆さん、いつも読んでくださりありがとうございます!!

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どうか…この哀れな作者にご慈悲を!!

次の日の朝、いつの間にか与えられた部屋で寝ていた俺は、マミムに起こされヨガの修行に行くことになった。


修行の場所は、惑星首都レブデンから約200km離れたところにある聖地アステというところだ。


アステは地球のエアーズロックのような巨大な一枚岩で、標高1200m、最大全長8500mもあり、周囲は砂漠に囲まれている。


太古のペッボレゲセ人にとって、宗教的な意味合いを持ち、今も聖地として崇められているようだ。


何でも、ここは霊子の流れが強いパワースポットらしい。


土地には霊子の流れが川のようにあるという。


いわゆる龍脈というやつか。


俺、マミム、博士、リルレ、パニ姫、ついでに鳥のフェニも合わせて全員でヘルメスで向かったのたが、近くまで行くとその偉容に圧倒される。


「でけぇ!!」


でか過ぎて、近くまで行くと遠近感が狂う。


「これからここを登り、頂上まで行きますわ」


コサさんがそう言って行こうとする。


「あのさ、俺裸足だし登山とか大丈夫かな? それに日射しが強すぎて痛いんですけど…」


首都レブデンも建物の外に出ると暑かったが、ここは更に暑い。


多分、気温は50℃近くあるだろう。


この辺りは降水量も少なく年に1~2日しか雨が降らないらしい。


紫外線と乾燥は肌に悪い。


人間の肌老化の最大要因は紫外線だ。


紫外線は皮膚表面に一重項酸素という活性酸素を産む。


一重頃酸素は2番目に強い活性酸素で毒だし、除去する酵素を人間は持ち合わせてない。


こんなところに無防備に裸でいたら、俺の肌のコラーゲンは破壊され、あっという間にシワシワのカサカサになってしまうだろう。


俺は結構スキンケアに気を使うタイプなので、そういうの許せない。


「さ、行きましょう」


無視かい!!


あー、ちくしょー。


仕方なく登って付いて行く。


標高差500mくらいか。


かなりキツい。


つーかこれ、ロッククライミングじゃね?


ロープなしで、少しでも気を抜いたら死ぬやつだよね、これ。


いつの間にか結構登っていて、チラッと下を見ると5000%落ちたら死ぬ高さにいることがわかる。


超こえー。


『大丈夫ですか、サトル様?』


姫が心配して、俺の側まで来てくれた。


姫は登山するために、ピッチリとしたスーツと登山用の靴を履いている。


あ、ピッチリスーツがエロい…。


「うん、ありがとう。何とか登れそうだわ」


『それは良かったです。何かございましたら、すぐにおっしゃってくださいね』


あー、姫大好き。


俺は登山経験は僅かしかないが、俺の父親がロッククライミング経験者で、登り方を軽く教わったことがある。


移動するときは、手足4点のうち必ず3点は岩に付けていること。


そうすれば絶対に落ちない…。


まあ、絶対ということはないだろうが、厳守すれば落ちる可能性はかなり低くなるだろう。


あと気を付けなきゃいけないのは落石だ。


俺はヘルメットを被ってない。


小石でも、上から落ちてきたのに当たったら致命傷になる。


なので、俺を落石から守るために、コサと博士が先行し、万が一誰かが落ちたり何かあったときのために、リルレが殿(しんがり)を務めている。


と、そこにフェニが俺の手のところに飛んできた。


え?


ちょ、おい、止めろ!!


『クックック、俺の姫と話したバツだぜ』


手の甲をつつく。


「いてッ!!」


思わず岩から手を離してしまい、落ちそうになるも何とか堪える。


「あ、あっぶねー」


冷や汗が全身から吹き出る。


「何すんだ、このクソ鳥!!」


『どうしたのフェニちゃん? 先に行くわよ~』


フェニはキュイキュイ可愛く鳴いて、姫の元まで羽ばたく。


『ケケッ、バーカ』


そう言って、姫に頬擦りする。


あっの野郎…絶対にいつか焼き鳥にして食ってやる。


「ちょっとハゲ! 何遊んでるのよ!!」


後方にいたマミムが追い付いてきた。


マミムは強化スーツを頭まで被っている。


紫外線のことや気温を考えると賢明だ。


マミムのスーツは体温調整機能もある。


うまく3点確保しながら登ってる。


経験者のようにうまい。


「姫とイチャイチャしてるんじゃないわよ! わたしをもっと大事にしなさい!!」


「はぁ? 何で俺がお前を大事にしなきゃいけないんだよ」


「あ! ハゲのくせに生意気!! あたしはあんたの保護者なのよ。あんたなんかあたしがいなきゃ、こんな世界ですぐに死んじゃうんだから!!」


「お前は足こそ引っ張るが、俺を守ったことなんかないだろ!! むしろ逆だわ!」


「うわぁあああ~~~ッ!! ハゲがあたしに言ってはいけないことを言ったぁ~~~! ヴぉ~~~ッ!! ヴぉ~~~ッ!!」


「危ないから泣くな! あ~、わかったから。いつも守ってくれてありがとな!! だから泣かないで登ることに集中しろ」


「うん、わかった」


ケロッとして、またクライミングに集中する。


ったく…何なんだこいつは…?


「あと少ししたら、広めの岩場があるので、そこで休憩しましょう」


おー、助かった。


握力がかなり限界来てたんだよね。


それから10分ほどして、岩場で休憩する。


裸で登ってるから、全身傷だらけだ。


あー、疲れた。


疲れたけど、何か気持ちいいわ。


ここんとこ運動なんかしてなかったからなぁ。


あと200mほど登ると頂上のようだ。


喉乾いたけど、水筒なんか持ってきてない。


頂上までさすがにキツいな。


「頂上には湧水があって木も生えてるので、水分はそこで補給してくださいね」


「そっか、もう少しの辛抱だな。ところで考えてみると、ヘルメスから直接頂上に降下するか、飛んで頂上まで行くか出来るんじゃないか?」


コサさんがくすりと笑う。


「実は、あえて登るのも修行の一環なんですよ。古代より人間が登山するのは、大地の霊子を感じ、体内の霊子の流れを整えるためでもあるのです」


「へー、そうなんだ」


確かに登山すると充実感や爽快感あるもんな。


「わたしたちも、肉体のみでクライミングするのは楽しいものだ。コサに言われたので、サイボーグの機能をかなり限定しているのだが、確かに霊子のようなものは感じるな」


博士の言葉にリルレも頷く。


「おふたりはさすがですね。本来、第一世代(ドミニオンズ)は、試作のサイボーグでありホワイトホール・エンジンのバックアップがなければ力を発揮出来ません。ですが、体内に霊子の塊…つまり魂がある以上は、霊子力を必ず引き出せるはずなのです」


「そっか。魂は霊子力の塊なのか…。だから、俺でもヨガの修行で霊子力を使えるようになる可能性があるってわけなんだな」


「さすがサトル様。素晴らしいですわ。その通りです」


「わ、わたしの方が先に気付いたもん! ホントだもん!!」


「はい、もちろんマミムさんも気付いたと思ってましたよ」


コサさん優しー。


マミムはムフーとドヤ顔で俺を見る。


あー、めんどくさいやつ。


「さて、そろそろ行きましょうか」


それからたっぷり2時間ほど悪戦苦闘して何とか登りきる。


幸い恐れていた落石などの事故はなかった。


「うおー、すげー景色!!」


山登りの醍醐味は、苦労して登ったあとの景色だよな。


下を見ると、物凄く急な坂を登って来たことがわかる。


我ながら、よくこんなの登れたな…。


達成感が半端ない。


「ふっふっふ、わたしの力思い知ったかしら?」


マミムのドヤ顔がうざったい。


知らねーよ、俺も登ったんだよ。


姫もさすがに座り込んで息を荒くしていた。


ドミニオンズたちは、流石に平気そうだ。


しかし、ホント喉が乾いた。


紫外線も浴び続けているし、熱中症になりかねない。


「水分を補給しましょう」


しばらく歩くと、木が生い茂ってるオアシスのようなところがあり、そこには小さな湖があった。


凄く澄んでるわ。


「うわー、美味しい!!」


マミムと姫が手で水を掬って飲んでる。


俺も早速…。


「うめえ! めちゃくちゃうめえ!!」


カラカラの体に水が染み渡るぜ。


汗もだいぶかいたから、俺はその場で水浴びした。


「あ、ズルい! わたしも!!」


マミムもスーツのままバシャバシャと水浴びする。


姫も真似てスーツのまま、水浴びした。


あー、最高の気分だわ。


「さて、軽く食事にしましょうか」


コサが魔法陣から、干し肉とパン、果物を出してくれた。


そういや、よくハンガーノック(お腹が減りすぎて動けなくなること)にならなかったものだ。


山登りの基本は小まめに水分とカロリーを摂取すること。


標高差500mのロッククライミングだって同様だ。


霊子力のおかげなのかな…?


ホントは湖にいる魚を採って食べたいところだが、時間もそうない。


目的はヨガだから、修行場に急がねば。


そこから木の生い茂る森をしばらく進むと少し開けた場所があり、そこに道場のような建物があり、建物の前の土地で何人ものペッボレゲセ人がヨガのポーズをしていた。


よく見ると、見たことのない異星人も混じっている。


爬虫類人間みたいなのもいる。


うおー、すげー不思議な光景。


みんな凄まじい集中力を発揮し、俺たちが来ても気にせずヨガと呼吸法を行っている。


「まずは、ヨガの先生を紹介しましょう」


全員で建物の中に入り、ひとつの部屋の前まで行く。


「先生、コサです。連れて参りました」


『入りなさい』


部屋の主が穏やかな意識で語りかけてきた。


入ると小柄でほっそりとした、ペッボレゲセ人の若い女性が黙想し床に鎮座している。


何となく、部屋の中が神聖な空気に満たされている気がした。


目を開け俺たちを見る。


『初めまして。わたしはヨガ・マスターのエクと申します。お見知りおきを』


エク先生はゆっくりと立ち、俺たちに手を差し出した。

修行編が始まりました!

たまには主人公に努力させないといけないですからね~。

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