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41本目

前回に引き続き、ギャグがほとんどありません…。

ハゲルマドンとは思えない展開です。

法廷内が騒然とする。


『やはり! やはりそうか!!』


『どうりでハゲてるわけだ!』


ハゲ関係あるの?


しかし、これはどういうことだ?


真実の鏡とかいうあの機械に誰かが細工したに違いない。


つーか、犯人はあのジーとかいうクソ野郎に決まってる。


『静粛に! 静粛に!! 原告人、次の質問を』


博士をチラリと見るが、何か思案しているようである。


『ふたつめの質問。被告人は味方であるはずの第一世代(ドミニオンズ)テトナを密かに抹殺したか?』


「ちょっと待て! 確かにテトナは間接的に倒したが、それはあいつが姫を含め皆を殺そうとしたためやむを得なくやったことなんだ!!」


『そうでちゅ! サトル様の機転がなければ、わたちたちは全員死んでまちた!!』


『静粛に! 答えはなるべくシンプルに。テトナを殺したのか殺してないのか!?』


俺が直接殺したわけではない。


これはノーで問題ないはずだ!


「俺は直接は殺してない」


『ファイナル・アンサー?』


『ファイナル・アンサーだ!!』


真実の鏡が鳴る。


『テトナ死ねぇえええ~~~ッ!!』


『サトル、我々ドミニオンズを裏切ったなぁーーーッ!?』


凶悪な顔をした俺の手から、エネルギー波のようなものを出て、それがテトナを貫く。


首のワイヤーがますます絞まり、皮膚が裂け血が出てきた。


「おい!! こんなの嘘だ! 何が真実の鏡だ、ふざけんな!! 俺にはこんな力はない!」


痛みに堪えながら怒鳴る。


『待ってください! わたしも姫も戦いを見てたし、殺そうとしてきたのは本当にあのテトナとかいうドミニオンズだ! この裁判は無効です。真実の鏡に細工がしてある可能性がある』


モジャ大臣も堪らず訴える。


『それはあり得ません。真実の鏡は裁判所が厳重に管理しており、何重ものセキュリティで守っている。今の発言は、この国の司法のあり方に疑問を呈するものであり、最高権力者である王への反逆と捉えられてしまう可能性もありますよ!』


「何でそうなるんだよ! 管理が100%完璧とは限らないし、そのことに疑問を投げかけただけで王への反逆になるなんておかしいだろ!!」


『貴様は黙ってろ! 魔王の手先が!! 本来仲間であるはすの第一世代(ドミニオンズ)のテトナを殺したのが、何よりの証拠だ!』


ジーが口を挟んできた。


どうも、こいつは怪しいな。


「陛下、裁判官どの、これは完全におかしい。そもそも何でそのジーとかいう者が、テトナのことを知っているのか?」


「わ、わたしには協力者がいるのだ!!」


「誰だ、その協力者とは?」


「言う必要はない!!」


「とにかくこの不公平な裁判は、第一世代(ドミニオンズ)最強七人(アルケー・セプテム)ニヌ・セアルティエルの名において、中止し真実の鏡の調査をお願いしたい。これは正式な地球の大使としての要請である」


『むむ、それは無視出来ませんな…。それではこの裁判は…』


『王よ! 裁判の中止は裁判官の判断で行わなくてはなりません!!』


『確かに…。わたしは司法に口を出せない』


ジーのやつめ…。


『裁判は続行します』


裁判官が宣言した。


さっき王が最高権力者とか言ってたくせによ。


『では、みっつめの質問。先日発生したゾンビたちや衛星兵器のコカビエルがペッボレゲセに発生したのは、被告人の仕業か?』


「なわけねーだろ! ゾンビたちを殲滅するために、俺たちはわざわざ地球からやってきたんだぞ? だいたいな、俺が魔人ならこんな惑星とっくに滅ぼしてるだろうが!!」


あの恐るべき魔人、オリエンスを思い出しながら言った。


『ファイナル・アンサーか?』


「ファイナル・アンサーだ!」


真実の鏡が鳴る。


俺が魔法陣を作り、そこからゾンビがわらわらと出てくる映像が映し出される。


『クックック、これでこのペッボレゲセは我のものだ』


めちゃくちゃ邪悪な顔してるな、俺。


「ぐ……ぉお…」


首がヤバい。


このままでは、俺の首は胴体と離れてしまう。


「これはかなりおかしな映像だ。魔人が現れるためには、まずコカビエルを惑星の衛星軌道上に配置し、コカビエルの霊子力エンジンによる魔法陣でゾンビを地上に呼び出し、ゾンビによかなりの地上部分の霊子を変換しなければ、魔人は生存出来ないために召喚出来ない。すなわち、まず魔人が来てからゾンビを召喚するなどということはない。そのことからも、その真実の鏡は細工してあるか偽物である可能性が高いのだ」


『ふむ…裁判官よ。確かにニヌ博士の言う通りです。いくらなんでもこれはおかしいのではないですかな?』


そうだそうだ!


この裁判はインチキだろ!!


『王よ、司法の独立により、王が裁判に口出すことは出来ないのは、法で決まっており、王も法からは逃れられないのがこのペッボレゲセの誇りでもあるはずです』


『むむ…仕方ありません。司法の独立は認めますが、ここで王の最終権限を使わせていただきますよ。裁判官不信任案を提出する』


『それは出来ませんぞ、王よ』


傍聴席から声がする。


『ナー首相!!』


ナーと呼ばれた中年男が傍聴席から降りてきた。


確かこいつ、ジーの親父とか言ってたよな。


この親父とパニのお母さんが、ジーとパニの結婚を勝手に決めてると。


意地悪そうな嫌な顔してるぜ!


『パパ!!』


ジーの顔が輝く。


その歳にもなって、パパはねえだろパパは。


…ママはいいけどな!!


『裁判官不信任案は、王族ふたり以上と首相の同意がなければ出来ません。そして、わたしは不信任案には反対です』


『むむむ…仕方ありませんね。裁判官、裁判を続行してください』


『裁判を続行します』


ホッとした顔で裁判官が言った。


あ!!


今、裁判官と首相が目と目を交わしたぞ。


何なんだ、こいつら?


何でそんなに俺を殺したいんだ?


意味ないだろ、俺なんて殺しても。


『よっつめの質問。被告人はパニ姫を犯したな?』


「するわけねーだろが!! このクソ野郎ッ!!! 王様信じてください! 俺はそんなことやってない!!」


「ファイナル・アンサーか?」


「ファイナル…アンサァアアアーーーッ!!!」


真実の鏡が鳴り、そこにとんでもない映像が映し出された。


法廷のあちこちから悲鳴が上がる。


いくらなんでもこれは酷すぎるだろ…。


パニ姫が、わんわん泣き出す。


俺も泣きたいわ。


身に覚えがない。


ホントにやってない!!


怒りで気が狂いそうだ。


博士、リルレ何やってんだよ!


暴れてこんな裁判ぶち壊してくれ!!


「お前…一体何が目的なんだ…? ふざなけんなよ、ホント!!」


精一杯睨み付けるが、ジーはそんな俺を見て嘲り笑う。


『パニ姫…お気持ちお察しいたします。王族の婚姻前性交渉は、王族からの追放を意味します。だが!! 安心してください! わたしはそんなあなたでも愛します。追放されたら、わたしがあなたを妻に迎えましょう!』


『何て素晴らしい若者だ!』


『その深い愛…感動したぞー!!』


おいおい、何だそりゃ。


『それにつけても、とんでもないクズ野郎だ!!』


『死ねーーーッ!!』


あちこちから、俺への罵声が飛んでくる。


こいつら…マジで皆殺しにしてやりてえ!!


王様は眉間を押さえ俯いている。


パニ姫は体を震わせ、臥せったままだ。


あんな可愛くて小さい姫を、こんな目に会わせやがって…。


しかし、俺に為す術はない。


次の質問が最後だ。


そして…俺の最後でもある。


叫んだってウンコ漏らしたって、もうダメだ。


博士…リルレでもいい。


マミム…は、さっきから寝てる。


頼むよ!


助けてくれ!!


『最後の質問だ。被告人はバロアチ王と共謀して、魔王にペッボレゲセを明け渡そうとしてたな?』


『な、何ですと!? わたしはそんなことしてませんよ?』


驚きのあまり、元々ピンクがかった王様の肌が真っ青だ。


『王よ、司法の場です。静粛にお願い申し上げます』


わかったぞ!!


全てわかった。


こいつら全員グルだし、王の失脚を狙っていたんだ。


ジーは親父であるナー首相を王にし、更に姫と結婚するつもりなんだ。


「私利私欲の塊のゴミどもがぁーーーッ!!! 最初からこれが目的で俺を貶めたな!?」


こんなに…こんなに腹が立ったのは生まれて初めてだ!!


『そのサトルとかいうゴミの始末が終わったら、王よ、あなたの裁判も真実の鏡で引き続き行います。心苦しいですが、愛するペッボレゲセを守るためなのです』


いかにも演技くさい悲しげな顔をして、ナー首相は言った。


失脚どころではない。


王様を亡き者にしようとしてやがる!


『さあ、被告人答えなさい』


この裁判官め、良心ないのか!?


「そんなことやってるわけないだろ!! 全員死ね! 死んじまえーーーッ!!!」


暴れようにも、首にワイヤーが食い込み過ぎて、少しでも動くと頸動脈が切れそうだ。


『ファイナル・アンサーか?』


「くっ…ファイナル…アンサー…」


真実の鏡が鳴った。

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