30本目
「俺の前世の親父か…。世代的には俺がいた時代に近いわけだよな。ちなみにフルネームわかる?」
「…ヤマダアキオだ」
「おー、俺と名字一緒じゃん! 遠い親戚だったりして」
「そうかもしれないが、わたしはわからん。まあ、とにかくわたしはアキオに危機を伝え、ふたりで対策を練ったのだ」
「博士はこっちの世界にいても大丈夫だったのか?」
「わたしの本体はアスーラの宇宙船の中だったが、接触するのに分身を使った。そのときはまだサイボーグ化の技術も確率されてなかったからな」
「なるほど」
「ねえねえ、そのアキオって人はハゲの前世のお父さんってことは、トオルのお父さんってこと?」
俺の前世はトオルなんだから、そうに決まってんだろ!
「ああ、そうだ」
「トオルのお母さんは?」
どうだって良くない?
お母さんのことなんか。
「トオルの母親はわたしだ」
どうだって良くなかったよ、すげー核心突いて来たよ!!
え?
博士って俺の前世のお母さんなの!?
俺、前世のお母さんで股間いじってたの!!?
俺、サイテーだ…。
「は、博士が…俺の前世のお母さん…」
「博士がハゲのお母さん!! ハゲの! お母さんッ!! ハゲのぉッ!!! お母さんんんッ!!!! うぎゃぁあーーーッ!!」
どんだけ驚いてるんだよ、お前は。
いや、俺のお母さんじゃなくて前世のだけどね。
お前の驚き具合の方にむしろ驚いちゃってるよ俺。
しかし俺と博士にそんな縁があったなんて…。
前世の母親とこうして話してるって、すげー不思議。
「だから、ぼくちんはわたしのことママって呼んでいいのよー」
ひー、止めてーーーッ!!
罪悪感でいっぱいになる。
「トオルは博士が作ったの? 子供ってどうやって作るの? お母さんはわたしを猿に遺伝子入れて作ったって言ってたけど…」
おー超納得!
こいつがバカなの全て説明つくじゃん!!
それと、こいつセックスも知らねーの?
あ、そっか、今の人類は長いこと男がいなかったから、新しく作られたマミムがセックス知らねーのか。
あー、俺が教えてヤリたいぜ。
セックスしたことないけど。
「お前はリルレのクローンだ」
あ、猿じゃないのね、そりゃそうだよねーってことは、リルレもバカだったんだなー、あーわかるわかる。
「子供はセックスすると出来るぞ。わたしもアキオとヤリまくってトオルが出来た」
「や、止めろぉ~~~ッ! そんな生々しい話聴きたくない!!」
「セックスって?」
「も、もうこの話は止め!! 終わりにしてくれ!」
「何よ、急に…。じゃあ、ハゲが今度セックス教えてね」
え?
今何つった?
セックスを、俺が教える?
「ぐぉおおお~~~ッ!! アビャビャーーーッ!!! ひゃっほうひゃっほう!! ひゃっほう! うぎゃーーーッ!!!」
「俺がマミムにセックスを教える」という事柄は、39年間守り続けた童貞の俺の脳みその許容を超えていた。
「ハ、ハゲ…急にどうしちゃったの?」
「この世界に来たストレスでとうとうおかしくなったのかも…仕方ない」
「ひゃっほうひゃっほうひゃっほうひゃぶびゃッ!!」
博士のパンチによって俺は気絶させられた。
気付くと俺は自宅で寝ていた。
あー、昨日はやっちまったぜ…。
起きて顔でも洗おうかと思い起きると、俺のベッドの中に頭から触角の生えた幼女が裸で眠っていた。
え?
ちょっと事態が全然理解出来ないんですけど…。
これは俺があまりにもセックスをしたいから、その欲望が産み出した幻覚か…?
触角を触ってみると、プニプニして柔らかい感触がある。
こ、これは現実!?
ヤバい。
何でこの幼女が俺のベッドで寝ているのかわからないが、こんなとこ誰かに見られたら俺は社会的に死ぬ!
何せ幼女と一緒に裸で寝てたんだから!!
俺はロリコンでも何でもないが、世間一般はそうは思わないだろう。
そうだ、逃げよう!
今ならまだ間に合う。
逃げて、この幼女が起きてどこかに行ってくれるのを待とうじゃないか。
俺がまごまごしてるときに、幼女は目を覚ましてしまった。
「ちょ、ち、違うんだよ! 俺は何もしてないぞ。き、君が勝手に俺のベッドに入ってきてたんだ…。頼むから騒がないでくれ!!」
幼女は俺のことをぼんやり見てる。
そして天使のような笑顔を浮かべた。
『トオル、おはよー』
え、これってテレパシーってやつ?
俺の心にこの幼女は直接話しかけてるみたいだ。
「あの…俺はサトルなんですけど…」
じっと俺を見る幼女。
表情が段々泣きそうになってくる。
ヤバくね、これ?
『ピギャーーーーーーッ!!!』
幼女のテレパシーで頭が割れるようだ!
幼女はベッドの上でジタバタと泣きながら暴れてる。
「ちょ、落ち着いて! な!!」
そこでうちの玄関が急に開く。
『姫様、探しましたぞ!』
やはり触角の生えた長身マッチョな男が入ってくる。
『貴様~、姫様に何をした!? やはり地球人は野蛮だな。だから手を組みたくなかったんだ!!』
そうテレパシーで言って俺に何やら銃みたいなのを向けて来た。
えー、何これ俺死ぬの?
アンテナの先のような銃口から目を逸らすことが出来なかった。
博士がサトルのお母さんだったなんてぇえええ~~~ッ!!!




