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30/93

30本目

「俺の前世の親父か…。世代的には俺がいた時代に近いわけだよな。ちなみにフルネームわかる?」


「…ヤマダアキオだ」


「おー、俺と名字一緒じゃん! 遠い親戚だったりして」


「そうかもしれないが、わたしはわからん。まあ、とにかくわたしはアキオに危機を伝え、ふたりで対策を練ったのだ」


「博士はこっちの世界にいても大丈夫だったのか?」


「わたしの本体はアスーラの宇宙船の中だったが、接触するのに分身(アバター)を使った。そのときはまだサイボーグ化の技術も確率されてなかったからな」


「なるほど」


「ねえねえ、そのアキオって人はハゲの前世のお父さんってことは、トオルのお父さんってこと?」


俺の前世はトオルなんだから、そうに決まってんだろ!


「ああ、そうだ」


「トオルのお母さんは?」


どうだって良くない?


お母さんのことなんか。


「トオルの母親はわたしだ」


どうだって良くなかったよ、すげー核心突いて来たよ!!


え?


博士って俺の前世のお母さんなの!?


俺、前世のお母さんで股間いじってたの!!?


俺、サイテーだ…。


「は、博士が…俺の前世のお母さん…」


「博士がハゲのお母さん!! ハゲの! お母さんッ!! ハゲのぉッ!!! お母さんんんッ!!!! うぎゃぁあーーーッ!!」


どんだけ驚いてるんだよ、お前は。


いや、俺のお母さんじゃなくて前世のだけどね。


お前の驚き具合の方にむしろ驚いちゃってるよ俺。


しかし俺と博士にそんな縁があったなんて…。


前世の母親とこうして話してるって、すげー不思議。


「だから、ぼくちんはわたしのことママって呼んでいいのよー」


ひー、止めてーーーッ!!


罪悪感でいっぱいになる。


「トオルは博士が作ったの? 子供ってどうやって作るの? お母さんはわたしを猿に遺伝子入れて作ったって言ってたけど…」


おー超納得!


こいつがバカなの全て説明つくじゃん!!


それと、こいつセックスも知らねーの?


あ、そっか、今の人類は長いこと男がいなかったから、新しく作られたマミムがセックス知らねーのか。


あー、俺が教えてヤリたいぜ。


セックスしたことないけど。


「お前はリルレのクローンだ」


あ、猿じゃないのね、そりゃそうだよねーってことは、リルレもバカだったんだなー、あーわかるわかる。


「子供はセックスすると出来るぞ。わたしもアキオとヤリまくってトオルが出来た」


「や、止めろぉ~~~ッ! そんな生々しい話聴きたくない!!」


「セックスって?」


「も、もうこの話は止め!! 終わりにしてくれ!」


「何よ、急に…。じゃあ、ハゲが今度セックス教えてね」


え?


今何つった?


セックスを、俺が教える?


「ぐぉおおお~~~ッ!! アビャビャーーーッ!!! ひゃっほうひゃっほう!! ひゃっほう! うぎゃーーーッ!!!」


「俺がマミムにセックスを教える」という事柄は、39年間守り続けた童貞の俺の脳みその許容を超えていた。


「ハ、ハゲ…急にどうしちゃったの?」


「この世界に来たストレスでとうとうおかしくなったのかも…仕方ない」


「ひゃっほうひゃっほうひゃっほうひゃぶびゃッ!!」


博士のパンチによって俺は気絶させられた。


気付くと俺は自宅で寝ていた。


あー、昨日はやっちまったぜ…。


起きて顔でも洗おうかと思い起きると、俺のベッドの中に頭から触角の生えた幼女が裸で眠っていた。


え?


ちょっと事態が全然理解出来ないんですけど…。


これは俺があまりにもセックスをしたいから、その欲望が産み出した幻覚か…?


触角を触ってみると、プニプニして柔らかい感触がある。


こ、これは現実!?


ヤバい。


何でこの幼女が俺のベッドで寝ているのかわからないが、こんなとこ誰かに見られたら俺は社会的に死ぬ!


何せ幼女と一緒に裸で寝てたんだから!!


俺はロリコンでも何でもないが、世間一般はそうは思わないだろう。


そうだ、逃げよう!


今ならまだ間に合う。


逃げて、この幼女が起きてどこかに行ってくれるのを待とうじゃないか。


俺がまごまごしてるときに、幼女は目を覚ましてしまった。


「ちょ、ち、違うんだよ! 俺は何もしてないぞ。き、君が勝手に俺のベッドに入ってきてたんだ…。頼むから騒がないでくれ!!」


幼女は俺のことをぼんやり見てる。


そして天使のような笑顔を浮かべた。


『トオル、おはよー』


え、これってテレパシーってやつ?


俺の心にこの幼女は直接話しかけてるみたいだ。


「あの…俺はサトルなんですけど…」


じっと俺を見る幼女。


表情が段々泣きそうになってくる。


ヤバくね、これ?


『ピギャーーーーーーッ!!!』


幼女のテレパシーで頭が割れるようだ!


幼女はベッドの上でジタバタと泣きながら暴れてる。


「ちょ、落ち着いて! な!!」


そこでうちの玄関が急に開く。


『姫様、探しましたぞ!』


やはり触角の生えた長身マッチョな男が入ってくる。


『貴様~、姫様に何をした!? やはり地球人は野蛮だな。だから手を組みたくなかったんだ!!』


そうテレパシーで言って俺に何やら銃みたいなのを向けて来た。


えー、何これ俺死ぬの?


アンテナの先のような銃口から目を逸らすことが出来なかった。

博士がサトルのお母さんだったなんてぇえええ~~~ッ!!!

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