28本目
今回はサトルがめっちゃモテます殺してえ。
「うぉおおお~~~ッ!! やったぞぉ~~~ッ!!! 俺のウンコで魔人を倒したんだ! 俺の…俺のウンコでーーーッ!! ウンコでぇえええ~~~ッ!!!」
「「「………」」」
「やったぁあああ~~~ッ!! ウンコで…ウンコでやっつけたぞーーーッ!!! 俺のウンコでぇえええ~~~ッ!!」
俺は全身で喜びを表現した。
だってさ、あの極炎のオリエンスってやつ、第一世代のサイボーグたちを11人も殺したとんでもない魔人なわけだろ?
それを俺の機転で倒したなんてめちゃくちゃ嬉しいじゃないか。
国立大受かったときよりも嬉しいぜ。
あ、あれ?
誰も喜んでないな…。
「なあ、お前ら…どした? 喜ばないの?」
「いや~、あんた最低だわ。超汚いから近づかないでくれる?」
と、マミム。
「とうとう汚物未満のゴミとなってしまいましたね…いや、もうゴミ卒業ね。何て呼んだらいいのやら…」
と、リルレ。
「ウンコくん、超くっさいんだけど…。マジで引くわ…」
と、ワヲン。
「あのときやはり殺しておけば良かったわ~」
と、キク。
「は、博士! 博士だけは俺の味方だよな!?」
「どちらさま? そんな汚物まみれの知り合いはいないのだが…」
「そ、そんな…俺、勇気を振り絞ってウンコしたのに…。俺のウンコのおかげで勝てたのに…」
膝から崩れ落ちる俺。
「クスクス。嘘だよサトル! お前の機転のおかげで我々は勝利出来た。ホントにありがとう」
「は、博士~!!」
抱き付こうとすると、博士はヒョイと避けた。
「おっとつい」
「そんな~」
みんなその様子に笑ってる。
あー、まあ確かに汚いからな。
ヘルメスの中にシャワールームくらいあるだろ。
「さあ、帰ろう。帰ったら祝杯をあげようではないか!」
「「「賛成~~~ッ!!」」」
おっしゃ!
今日は飲むぜ!!
…あ、酒ないんだったか。
ちくしょお~、酒飲みてえよぉ~~~。
俺たちはヘルメスに乗り込み、帰路に着いた。
俺はヘルメスの洗浄システムでビッチョビチョにされる。
「なあ、この世界には酒ないの? 飲みたいんだけど…」
「酒か…。ないが、化学式さえわかれば作れると思うぞ。多分データベースに化学式の情報くらいあるだろう」
「おーーーッ! やったぜ!!」
俺たちが元いた都市州イザナミに朝方戻り、食事は軽く済ませ俺は昼過ぎまでぐっすりと寝た。
起きると早速博士の研究所に行く。
俺の頭の中は酒を飲むことでいっぱいだ。
「博士、アルコールの化学式わかった?」
「わかったぞ。早速サンプルを作ってみた」
出されたコップの中に透明な液体が入っている。
アルコール100%らしいので、取りあえず水で薄めて少し飲んでみた。
う~ん、風味とか全然ないけど、まあ取りあえずこんなもんかな。
炭酸水作ってもらって、それで割ってレモン垂らしたらイケるかもしれない。
あれ、何か気持ち悪いし目眩がしてきた。
久しぶりに酒飲んだせいかな…?
「しかし、よくこんな簡単にアルコール作れたな」
「あぁ、何かアルコールにはメタノールとエタノールというのがあるみたいだったが、燃料として使われたというメタノールを作ってみたんだ。お前のエネルギーも効率よく作れると思ってな」
「おぶぇえええ~~~ッ!! ぅおぇえええええッ!!!」
一気に吐き気が押し寄せて、俺は胃の中身をぶち撒けた。
「危うく失明しちゃうところだったぞ! エタノールにしてくれエタノールに!!」
昔、日本で大東亜戦争後、酒不足になったときに「バクダン」と称してメタノールを混ぜて飲んで、失明する事件が多発したという。
「ぼくちんはわがままだな」
わがままっていうかさ、目が見えなくなっちゃうし…。
何やかんやで博士はきちんとエタノールを作ってくれた。
うおー、やっと酒が飲めるぜ!
醸造して作ったわけではないので風味がないが、今日のところは炭酸水とレモンで楽しむことにした。
そのうち酒作りにチャレンジしてもいいな。
夜にみんなここに集まる予定だから、まだ時間がある。
ということで、俺はパーティー用の食事を用意することにした。
サイボーグは肉とかも生のままでも口に入れるとペプチドやビタミンなどに分解され100%栄養として吸収することが出来るが、普通に咀嚼して味わう食事もすることが可能らしい。
俺の料理の腕を見せて、あいつらを尊敬させてやるぜ!
博士の研究所は近いので、一旦帰ることにした。
キッチンはうちにしかないし。
何作るかな~。
ただ炒めたり煮たりだと芸がないよな…。
そうだ!
俺は以下のメニューを作ることにした。
・サラダ
・ハンバーグ
・ロールキャベツ
・オムレツ
・スイートポテト
3時間後、第一世代の博士、リルレ、キク、ワヲン、第二世代のイウ、エオカ、シス、そしてマミムと俺で博士の研究所に集まり、勝利を祝ってささやかなパーティーを始めた。
「おぉ~~~ッ! これ、ホントに全部ハゲが作ったの? ハゲにも取り柄があったのね~、ハゲにも」
何かカチンとくるが、まあパーティーなので我慢するか。
俺はというと、珍しく俗に言う裸エプロン姿だ。
みんなに料理を温め直して出したり、仕分けしたりするためである。
あー、博士かリルレが裸エプロンしてくれないかなー。
いかんいかん、こ、股間が…!!
あと、俺特製のレモンサワーを用意した。
今回は博士が合成したエタノールを炭酸水で割り、レモンを入れて風味を付けたものだ。
サイボーグが果たして酔うのかわからないが、ひとりで飲むのも寂しいのでみんなの分も用意した。
「では、みんな、極炎のオリエンスを倒したことを祝って乾杯!!」
「「「かんぱ~~~い!!」」」
俺は一気にレモンサワーを飲み干す。
うぉ~、超うめえ!!
あー、やっぱ酒だよな~。
明日博士に頼んで、醸造のやり方を調べてもらおう。
日本酒まではいかなくても、どぶろくとか、ワインとか飲みたいもんな。
「ウンコくんの料理美味しいね。ボク、こんな美味しいもの初めて食べたよ」
「ゴミの料理が美味しいなんて屈辱だわ…。あぁ、高潔なわたしがゴミの料理に汚されていく!!」
あー、俺はいつまでそう呼ばれるのでしょーか?
「ぼくちんよく出来たわねー。ママが誉めてあげるわよー」
あぁ!
ぼくちんは…ぼくちんはもう止めて!!
どれ、俺も食ってみるか。
うん、うめえ!!
オムレツもっとフワフワにしたかったけど、まあ及第点ってとこだろ。
得意のハンバーグがホントによく出来た。
噛むと肉汁が口の中に広がる。
レモンサワーと合う!
あー、幸せだぁ~~~!!
「おい、ハゲ! みんなに誉められて何デレデレしてんだ、あん!?」
いきなりマミムが肩を組んで来て絡んできた。
あー、こいつ絡み酒か…。
超めんどくせえ。
「おいマミム、少し水でも飲んだらどうだ? お前だいぶ酔っ払ってるぞ」
「はあ? あたしは全然酔ってなんかないんだよ! それよりもっとあたしを構いなさいよ!!」
俺のハゲ頭をペシペシ叩き出した。
あー、逆にもっと飲ませて寝かせちゃうかな。
「こらゴミ! わたしの娘に手を出したらぶっ殺すぞ!! 手を出すならわたしに手を出せぇ~~~!!」
リルレも俺に絡んで抱き付いてきた。
お、おおお、おっぱいが当たってる!
おっぱい…おっぱいがぁ~~~ッ!!
お、おっぱ……お…し、締め付け過ぎて息…息が……!
「ぐ、ぐるぢぃ…」
「あらあら、ママを差し置いて随分と楽しそうね~」
博士が俺の頭を掴み、リルレから強引に引き剥がす。
「おぶぁっ!!」
あれ、首が変な方向に曲がってない?
く、首…首が……千切れそうなん…です…けど…。
博士が俺の頭、ワヲンが俺の足を持って引っ張り合ってる。
「ウンコくん~、何で前世のときボクと付き合ってくれなかったんだよぉ~~~」
キクがフォークで俺の腹をグリグリしてる。
「ツルリン、殺されたくなかったらわたしの玩具になりなさいよ~」
「い、いだ…いだだだだ……」
「お姉さまたちは、何であんなやつ好きなんだろ?」
「「さあ~?」」
ヴァーチューズの3人は静かに食事をしていた。
静観してないで助けて欲しいんだけど…。
俺は次の日、なぜか博士の研究所の屋上で全身打撲むち打ち数ヶ所骨折傷だらけ状態で気絶しているところを博士に発見された。
二度と…二度とこいつらには酒は飲ませないと固く誓った。




