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26本目

ギャグ小説のつもりで始めたのですが、なんか段々とシリアスになってきちゃいました…

「この淫売めが。四天(リゾーマタ)のひとりでありながら我らを裏切り、ましてやイハの者と子を為すなど…。アスーラの誇りを忘れたか!!」


ん…?


何だろこれ?


夢…か?


クレーターだらけの不毛な大地に倒れたサイボーグたち…これは死骸か…が散らばり、空は気持ち悪いくらいの星々が輝いていて、遠くに地球…いや、周りにリングがあるので見たことのない惑星が見える。


ここはあの惑星の衛星なのかもしれない。


「フッ、お前がわたしのことを昔から想っていたことは気付いていたぞ、オリエンス。宇宙を賭けた戦いに個人的な感情を持ち出すな。わたしはただ、平行宇宙改変計画によりこの世界に生きる全ての生命が死滅するのが我慢ならないのだ」


俺の右斜め前にいる金髪美女のサイボーグが言った。


あれ?


こいつ…この人ってもしかして…。


「トオル、やつは手強い。既に第一世代(ドミニオンズ)が相当殺されてしまった。右手に気を付けろ。わたしが前衛でまず出るから、お前は後衛でリルレとやつの隙をつき殺せ」


「うん、わかった…」


「お母さん!」


ガバッと思わず起きてしまった。


心臓の鼓動が速い。


あれ、何の夢を見てたんだっけ…?


「はい、ママでちゅよー」


博士の顔が接近する。


「うわっ!」


思わず飛び退く。


俺はどうやら、マミムに突き飛ばされ博士の膝枕で少し眠っていたらしい。


「ハゲ、あんた、気を失ってるときにあのキクってのに殺されかけたのよ。博士が守ってくれたけど」


「ゴミが生ゴミになるところでしたよ」


あのポッチャリこえーな。


「めんどくさくない方法を選ぼうとしただけなのに、みんな酷いわ~」


おっとりしてるけど、こいつの頭の中どうなってんだ一体…?


「ま、キクがウンコくんをいきなり殺そうとしたのはどうかと思うけど、ボクとキクは完全にあんたのこと信用してるわけではないことをわかって欲しいね」


どうやら、昔何かあってキクとワヲンは博士に不信感があるらしい。


「お前たちの気持ちはわかるし、別に信用しなくても構わない。ただ、今回は極炎を倒すという利害が一致してる以上協力してもらうぞ」


「もちろんですよ~。わたしはあの極炎を殺したくて殺したくてウズウズしてるんですから~」


「あいつは同胞たちの仇だからね、ボクももちろん協力するよ」


「そろそろ着くぞ。皆準備は大丈夫か?」


え、もう向かってたの!?


気付かなかったんですけど…。


どうやら今度は宇宙に行かずに、ステルス機能を使って普通に空を飛んでたみたいだ。


「いつでもどーぞ」


ワヲンの言葉にみんな頷く。


俺は全く準備出来てないって言うか、行きたくないって言うか、帰って親指チュパチュパしながら夕方の続きをしたいって言うか…。


「なあマミム、そういやお前はどうすんだ?」


「わたしももちろん行くわよ。ハゲだけ行かせるわけにはいかないから」


「アホ、お前なんか来てもしょうがないだろ。お前はここに残れよ」


「嫌よ。わたしだって何かの役に立つもん」


「ねえリルレさん、こいつは置いて行くんでしょ? 言って聞かせてあげてください」


「マミム、さすがわたしの娘。よくぞ言ったわ。わたしがちゃんとあなたもゴミも守ってあげるから、安心して付いて来なさい」


「うん、ありがとうお母さん!!」


嬉しそうにリルレに抱きつくマミム。


「おいおい、俺はみんなのパンドラロックを解除しなければならないけど、お前は安全なところにいていいんだぞ」


「小さい頃から育ててくれたお母さんも博士が戦うのに、わたしが見守らないでどうするの? それにあんたを守るくらいわたしにも出来る」


「マミム…お前…」


あれ、不覚にもこのバカに感動しちゃってるよ俺。


こいつ、結構いいやつなんだな。


「マミム、トオル…いや、サトル、お前たちはわたしが必ず守る。二度とわたしは愛するものを手放さないと誓ったのだ。サトルには怖い思いをさせてしまうが、これも人類の未来がかかっている。許してね」


「お母さん…。え!? あ、いや、俺何言っちゃってるんだ!?」


「はーいママでちゅよー。博士ママよー、ぼくちん」


「や、やめっ……」


自分でも恥ずかしくて顔が真っ赤なのがわかる。


あー、何で俺は博士にお母さんだなんて…?


「ププー、博士のことお母さんだって! キャハハ」


マミムが俺のことめちゃくちゃからかってくる。


止めろぉ~~~!!


お願い止めて…。


その時ドキッとした。


博士がホントに仮面越しではあるが、俺のこと優しい眼差しで見ているような気がしたんだ。


気のせいかもしれないが。


「あと5分で都市州アメノウズメの上空です。現在、同胞たちが交戦中。敵はゾンビが10万、バスターデーモンが50、そしてオリエンスと思われる魔人が一体です」


第二世代(ヴァーチューズ)のエオカが伝える。


「キクとワヲンはパンドラロックを解除し、極炎に奇襲をかけてくれ。オペレーターのエオカを残し、第二世代(ヴァーチューズ)のイウとシスも地上に降りて、バスターデーモンたちを駆逐せよ。我々も向かいながら、レーザーで精密援護射撃せよ。敵を少しでも減らし同胞を守るんだ!」


「「「了解!!」」」


キクとワヲンは俺の指を咥え、モード『ハルマゲドン』となりすぐに飛び出して行った。


続いてイウとシスも。


つーか影薄いけど、もうひとりのヴァーチューズはシスって言うのね。


地味っ子な感じだけど、結構可愛い。


ヴァーチューズは一度俺の血でパンドラロックを解除すると、あとは埋め込まれた霊子力エンジンの力で自らモード『ストラティオティス』となることが出来る。


サイボーグって空飛べるんだ、すげー。


また立体映像が浮かび、ヘルメスと地上の様子が手に取るようにわかる。


ヘルメスからのレーザーによる初撃で、7割りのゾンビが消滅、バスターデーモンも1割りは倒したようだ。


が、すぐにバスターデーモンたちが前衛に出て、霊子力によるものなのか一体一体の前に魔法陣が出現し、それがバリアの役目を果たしてレーザー攻撃が効かなくなる。


「ここら辺りで地上に降りるぞ」


ヘルメスから半透明な筒状の光が出て、この中をエレベーターに乗ってるような感じで全員地上に降りた。


既にキクとワヲン対オリエンス、イウとシス対バスターデーモンの戦いが始まっている。


まだ解除されていないロボット状のサイボーグたちも、ゾンビ殲滅のためにレーザーを撃っている。


「さあ、我々も参戦するぞ!」


俺たちと極炎のオリエンスとの戦いが始まった。


俺は喧嘩もしたことない臆病者なので、怖くて怖くて体の震えを止めることが出来ないでいた。

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