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25本目

段々1話1話長くなってるような…。

なかなか話が切れないんですよね~。

ホワイトホールってさ、ブラックホールが吸い込んだものを吐き出すってあれだよね。


俺が元いた時代では発見されてなかったと思うけど、あったんだな…。


「ホワイトホールエンジン作動!」


「トリプル縮退炉エンジン同調開始。余剰エネルギー受け入れ準備完了。ホワイトホールエンジン作動します。トランスフォーメーション開始」


おぉ~~~ッ!!


ヘルメスが…ヘルメスが巨大ロボットに変形していくぅッ!!!


「すげ~~~ッ!! めちゃくちゃかっけぇ!」


変形の振動がブリッジにも伝わってくる。


正面モニター、立体映像を映し出してる機械的なテーブル、そして博士の艦長用の席が直線上に並んでいるのだが、ヘルメスの変形とともに博士の席も背もたれからヘッドギアがせり出て、腕かけの周りにもコンソール類が現れた。


きっと、ロボットタイプのヘルメスの操作をするためだろう。


「重力派攻撃の中和に成功。ティルヴィングが亜光速で接近!!」


「ふん、荷電粒子カッターで両断してやる」


ヘルメスが右腕を上に向け、膨大な刃状の光の粒子を放出し、亜光速で接近する超巨大な魔剣ティルヴィングを両断することに成功した。


ヘルメスに当たる寸前である。


あっぶね~。


両断されたティルヴィングは、大きく軌道を反らし、回転しながら宇宙の彼方へ消えて行く。


「コカビエルたちが荷電粒子砲を撃ってきてます」


パンゲアに着く前に俺たちを攻撃したのはこれか。


「気にするな。もはや、やつらの魔法陣によるバリアの封じ込めなど効かないからな。やつらの霊子力エンジンは強力だが、出力だけならホワイトホールエンジンの方が上だ」


さっきと逆で、今度は向こうの攻撃がバリアに弾かれて全く効かない。


そのままヘルメスは周囲を囲むコカビエルたちを荷電粒子カッターで薙ぎ払い、20機全てを切断、破壊した。


「うおぉ~~~、すげぇえええ~~~ッ!!」


「よし! すぐにホワイトホールエンジンを停止、トリプル縮退炉エンジンを通常モードに切り換えよ」


ヘルメスがまた元の機動戦艦に戻っていく。


「本来はこのままリルレとキクを収納し、極炎のところに行く予定だったが、先ほどの戦闘でリルレがモードの解放可能時間内に戻って来れなかったため、一旦地上に戻ることにする」


変形を終えたヘルメスが降下を開始した。


リルレとキクとかいうドミニオンズがいる都市州にもちょうど地下都市があり、ヘルメスを地下にあるドッグへと降着させる。


対魔王戦略地下都市は全ての都市州にあるわけではなく、15ある都市州のうち、3つの都市州の地下にしかないそうだ。


今回極炎のオリエンスとかいう魔人に滅ぼされたのは、地下都市のない小さな3つの都市州でパンゲアの外れの方らしい。


ちなみにここは、アマテラスという名前の地下都市のようだ。


イザナミに続いてアマテラスか…。


もうひとつはイザナギかな?


俺たちはアマテラスで3時間ほど休み、極炎を討つことにした。


先ほどキクのパンドラロックも俺の血で解除したが、ドミニオンズが一旦モード『ハルマゲドン』になると、3時間ほど経ってから解放しないと力に耐えきれず自壊してしまうからだ。


その間、他の都市が攻撃されてしまう可能性が高いが、今行くよりも確実に回復してから万全な状態で戦う方がより多くの人類を救うことになるだろう。


今は20時過ぎなので、深夜の戦いになる。


「さて、全員揃ったところで作戦会議を始めようか。極炎も我々もかつてほどの力は発揮できないが、向こうは我々みたく時間制限がない。そこで4人のドミニオンズで当たる」


「4人同時攻撃なのかしら~?」


おっとりした口調のキクが訊いた。


キクは第二世代(ヴァーチューズ)のイウのように小柄で、他のサイボーグたちと違って少しポッチャリした感じで、周りの人をホッとさせるような雰囲気のある女性だ。


それでも第一世代(ドミニオンズ)の中の最強七人(アルケー・セプテム)のひとりだと言うから人は見た目で判断しちゃいけないってことだ。


「いや、まずはキクとワヲンで同時攻撃をしてもらい、やつの霊子力をなるべく削ぐ。キクの超振動分子分断ブレードとワヲンの超音速加速装置による攻撃の組み合わせはやつと相性がいい。何なら殺してしまっても構わない。やつの右腕を斬り落とすか、最低でもやつの圧縮オリハルコンの装甲で覆われた強化スーツに穴を開けて欲しい。次に最強七人(アルケー・セプテム)で唯一長距離攻撃出来るリルレが、右腕の荷電粒子砲でその穴を狙って撃ってもらう。それでも仕留められない場合はわたしが出る」


「ねえ、お母さん、何でオリエンスってやつの右腕を斬り落とすの?」


マミムの質問はごもっともだ。


「魔人の力は強力なら強力なほど、霊子力の行使に制約があるのよ。極炎の力は右手で触れたものを、どんな物質でも超高熱で蒸発させるという強力なものなんだけど、逆に言うと右手に触れられなければ何ともないとも言えるの。右手の力がなくってもやつは強いけど、だいぶ戦いは楽になるわ」


「魔人は霊子力ってのを使うのに制約があるのか、へー。ハゲが生きるのにハゲなきゃいけないのと一緒だね」


「うん、そうよ~。ゴミはみんな一緒ね」


「うん!」


え、俺って生きる代償としてハゲてるの?


初耳なんですけど。


「わたしたちはどうすればいいですか?」


ヴァーチューズのイウが訊く。


「お前たちはまずバスターデーモンを足止めして全滅させてくれ。我々は制限時間があるので、極炎以外に時間を割きたくない。バスターデーモンたちを倒したあとは、極炎に外部から霊子力が流れ込まないように魔法陣で結界を張るのと、遠距離攻撃を頼む」


「魔法陣? 魔王の配下以外でも使えるのか?」


霊子ってのは確か、やつらの技術のはず。


「ヴァーチューズは我々ドミニオンズとは違い、マイクロ霊子力エンジンがチャクラに埋め込まれているのだ。ということは、ヴァーチューズは魔法を使うことが出来る。我々ドミニオンズは、地球の核に埋め込んだ巨大なホワイトホールエンジンのエネルギーを融合した高次元知的生命体…彼らはブラフマーというのだが、ブラフマーを仲介して取り込まないと高出力の力を使うことが出来ない」


「ドミニオンズは随分と不便だな」


「まあな。その代わり単純なパワーはドミニオンズの方がはるかに上だ。まあ、ぼくちんも極炎との戦闘中は手際よく我々のパンドラロックを順次解除するように頑張ってくれよ」


え?


え?


お、俺も戦闘に参加するんですかぁあああ~~~ッ!!?


「ちょ、ま、え? お、俺なんか行ったら即死だろ! 極炎ってめちゃくちゃヤバいやつなんだろ? 無理無理無理!! 何なら俺の指切り落として持って行ってもいいよ、マジで!」


「安心しろ。わたしの番が来るまでは側にいるから。それにお前の指だけではパンドラロックは解除出来ない」


「で、でも万が一何か飛んできて当たったらどうすんだ!? 死ぬよね? 絶対死ぬよね!?」


「ドミニオンズが戦うんだ。まず大丈夫」


「ねえ、他に方法はないの? ハゲなんか行ったらホントにひとたまりもないと思うんだけど…。ハゲだから」


「確かに戦闘は相当激しいものとなるわね。ゴミが可燃ゴミになっちゃわないかしら?」


この親子は俺のこと心配してるのかけなしたいのかどっちなの?


「安心しなよ、ウンコくん。多分ボクとキクだけで魔人なんか倒しちゃうからさ!」


グレーの短髪長身のワヲンが、力強く右腕の二頭筋で力瘤を作り左手で叩く。


カッコいいけどさ、ウンコくん…って俺のこと?


ウンコ…排泄物なの、俺?


「まあまあ皆さん、そんないっぺんに言ってツルリンも困ってるじゃないの~」


おー、キクさんは雰囲気通りやっぱり話せる優しい人だ!


そうそうツルリン困っちゃってるのぉ~って、ツルリンって俺のことかい!!


「別に本人が納得しようがしまいが連れて行っちゃえばいいのよ~。ツルリンの意思なんてわたしには関係ないし~」


えぇ!?


この人ダメだ!


何か一番ダメな気がする!!


も、もうダメだ…。


俺はきっと死ぬ。


今度こそホントに死ぬわ。


だって、宇宙での戦いも相当ヤバかったのに、オリエンスってやつはめちゃくちゃ強いわけだろ?


こうなったらやることはひとつしかない!


「マミム、おっぱいを揉ませてくれ。頼む!」


死ぬ前に一度でいいからおっぱいを揉みたいという、俺の純粋な気持ち…受け止めてくれ!!


「へ? お、おっぱい? またあんたそんなこと言って…。あたしのこと…好き…なの…?」


「いや、全然。純粋にただおっぱい揉みたいだ…ブベルァッ!!」


首がネジ切れんばかりの平手打ちを喰らい、俺は3mほどぶっ飛び壁に叩きつけられた。


「死ね! ホント死ね!! このスケベハゲッ!!!」


「す、素直な気持ちを…伝えただけなのに…」


そして俺は意識を失った。


「あー、最初からこうすれば良かったわね~。魂固定して肉体あれば首チョンパしたってパンドラロック解除出来るんだから~」


意識を失う寸前、そんなキクの間延びした声が聴こえた。

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