第七話 訪れる影と、落ちた魔導書は
初投稿です。小説の執筆は完全に初心者です。拙い文章ですがよろしくお願いします。この物語には残酷な表現や大人な雰囲気になる表現(※直接的な性的描写はありません)などが含まれる予定です。念の為R15に設定しています。苦手な方はご注意ください。
この物語はファンタジーな異世界で生きる登場人物たちの恋模様を描いています。
・あらすじ
魔法文明が崩壊してその文化が失われていく中、死んだと思われていたはずの魔王が正体を隠して旅をしていた。魔王は旅の中で出会った魔法に憧れる少女と偶然魔王の正体を知ってしまった大男と共に目的の旧女神城跡地を目指して旅を続ける。
「待ってください! せめて父が帰るまでは待ってもらえませんか」
「分かりました。ご主人が帰ったらご主人にも同行してもらいます」
「……」
ポーション屋の娘は僧侶と数名の兵士を足止めする。
するとそこにちょうど帰ってきた父が鉢合わせした。
「ただいま。倉庫がどうかしたか?」
倉庫の入り口に立っていた娘は父に告げた。
「お父さん、お客様が来ています。倉庫の奥です」
「何? 倉庫の奥?」
父は慌てて娘を押し退けて倉庫に入った。
そこにいた僧侶と数名の兵士に父は言う。
「お客様、勝手に倉庫に入られては困ります」
「客ではありません。あなたのところのポーションで問題が起きていると相談を受けています。なのでこれは没収します。あなたもぜひ同行してください」
「そ、そんな。それが無いとウチは商売上がったりなんです。どうかそればかりは返していただけませんか」
「教会の信頼がかかっています。見逃すわけにはいきません」
「し、しかし……」
「続きは教会で聞きます。同行していただけますね?」
「……」
そのままポーション屋の父は兵士に囲まれて教会へ連れて行かれた。ポーション屋の娘はただそれを見ていることしかできなかった。
その晩、父は憔悴しきった様子で帰ってきた。娘は気を使っていつものように迎えるが、母は呆れた様子だった。
それからポーション屋の店は、教会の兵士が来ていたと噂になりさらに客足は遠のいた。父の主力商品も没収されて赤字が続く。そしてとうとうポーション屋の母は父に言う。
「もう限界。別れましょう」
「……そうだな。俺が悪かった。全部俺のせいだ」
そう言って父は部屋に戻った。母は娘の部屋に行って家を出る準備をするように言う。娘は俯いたままそれに従った。トランクに荷物を詰めて、最後に魔導書を入れようとして入り切らずに仕方なく胸に抱えた。それから家を出る前に娘は父に最後の挨拶をしようと父の部屋の戸をノックする。
「お父さん、入るよ」
娘が戸を開けて中に入ると足元に転がっていた瓶を蹴ってしまった。娘は転がっていた瓶から滴った液体の跡を追う。椅子に座ったまま机に伏せている父がいる。
「お父さん?」
娘は近づいて回り込む。そして机に伏せた父の顔を見ると口から泡を吹いて白目を剥いていた。
「っ!」
死んでいる。娘はそう察した。胸に抱えていた魔導書が床に落ちた。
八話へ続く
ここまで読んでいただきありがとうございます。作者の心許無い灰色(こころもとないはいいろ)と申します。
そろそろ前書きで「念の為」とか「含まれる予定」と書いた文を書き直してもいいお話になってきたんじゃないでしょうか?
すでに書き終えている続きを更新するためにも後書きは短めにしておきますね。
今後も不定期の更新になりそうですが、何かしら見える形で応援していただければ幸いです。それでは次回もお楽しみにお待ちください!




