第三十一話 冷たい鉄格子を、遮る背中は
初投稿です。小説の執筆は完全に初心者です。拙い文章ですがよろしくお願いします。この物語には残酷な表現や大人な雰囲気になる表現(※直接的な性的描写はありません)などが含まれます。R15に設定しています。苦手な方はご注意ください。
この物語はファンタジーな異世界で生きる登場人物たちの恋模様を描いています。
・あらすじ
魔法文明が崩壊してその文化が失われていく中、死んだと思われていたはずの魔王が正体を隠して旅をしていた。魔王は旅の中で出会った魔法に憧れる少女と偶然魔王の正体を知ってしまった大男と共に目的の旧女神城跡地を目指して旅を続ける。
兵士に連れられて外に出た二人は手枷をつけられた。
兵士の一人が少年の頭を掴もうと手を伸ばすと、少年はその手を払い除けた。
その反応にムキになった兵士は無理やり少年の髪を掴んで引っ張り、小さな檻に少年を足で蹴って入れた。
医者がそれを見て言う。
「やめて! 嫌がってるじゃない。その子に乱暴しないで」
「化け物なんかに味方するつもりか」
「その子は化け物じゃない」
「黙れ。それ以上喋ったらこの檻を蹴る」
「……」
医者は黙って兵士を睨みつけた。それから檻の横に座り込んだ。
少年はうずくまったままで顔を上げない。それから二人は荷車に乗せられて出発する。
移動中、見張りの兵士はあくびをかいて、特に意味もなく少年が入った檻をわざと蹴る。少年がぎゅっと小さくうずくまったのを見て兵士たちはニタニタと笑っていた。医者は怒って檻の前に座り込んだ。
「やめてください」
兵士は医者の胸ぐらを掴む。
「調子に乗るなよ」
兵士は医者を睨みつけるが医者も怯まず睨み返した。
すると突然医者の背後から強烈な魔力を感じてその場にいた者たちの体が重くなる。兵士は咄嗟に医者から手を放した。
医者が振り返ると少年は兵士を睨みつけて瘴気を放っていた。
「もう大丈夫よ。ありがとう」
医者がそういうと静かに唸るように荒い息をしていた少年は大きく深呼吸して瘴気は収まった。
兵士は少年の檻に唾を吐き捨てて二人と少し距離を取った。
三十二話へ続く
ここまで読んでいただきありがとうございます。作者の心許無い灰色(こころもとないはいいろ)と申します。
今回は短かったですね。
しかもあってもなくてもいいエピソードな気がします。アニメだったら多分カットされてるかもしれません。
しかし、このエピソードがないと女神の国が少年に対してどういう扱いをしてきたのか表す隙がここしかない気がしてこのエピソードは残しました。
今後も不定期の更新になりそうですが、何かしら見える形で応援していただければ幸いです。それでは次回もお楽しみにお待ちください!




