第二十四話 冷え切った身体に、灯る温もりは
初投稿です。小説の執筆は完全に初心者です。拙い文章ですがよろしくお願いします。この物語には残酷な表現や大人な雰囲気になる表現(※直接的な性的描写はありません)などが含まれます。R15に設定しています。苦手な方はご注意ください。
この物語はファンタジーな異世界で生きる登場人物たちの恋模様を描いています。
・あらすじ
魔法文明が崩壊してその文化が失われていく中、死んだと思われていたはずの魔王が正体を隠して旅をしていた。魔王は旅の中で出会った魔法に憧れる少女と偶然魔王の正体を知ってしまった大男と共に目的の旧女神城跡地を目指して旅を続ける。
「大変だ! 子供が獣に襲われてたんだ。診てやってくれないか」
とある小さな村に狩人が慌てて帰ってきた。狩人は幼い少年を抱えていて村で唯一の医者の家に飛び入る。
「こちらに寝かせてください」
医者は診察台へ案内して少年を寝かせてもらった。
運び込まれた少年は意識がなく体中が血と泥で汚れていた。
医者はすぐに少年の体を濡らした布で拭いていくが、どこにも傷口は見当たらなかった。
「命に別状はありません。意識が戻るまで私がこの子の面倒を見ますね」
「そうなのか? 獣に食べられていたように見えたが、気のせいだったのかもしれない」
「この子はあなたの家族ですか?」
「いや。知らない子供だ。こんな山奥に子供が一人でいるなんて変だよな」
「そうですね」
「服も着てないし、こんなに痩せ細ってる。奴隷が逃げてきたのかもな」
「意識が戻ったら話を聞いてみます」
「よろしく頼む」
そうして狩人が帰った後、医者は少年の体を見た。血と泥を洗い流した少年の体には全身にびっしりと傷が治った跡があって、所々火傷の跡や皮膚が変色していて見るに耐えないほど痛々しい。折れ曲がった足の骨は変形したまま癒着している。奴隷が逃げたにしては歩けるような足ではない。それでも少年はまだ息をしていて脈もある。どう考えてもおかしい状況に医者は頭を悩ませる。
魔物かもしれない。
そんな考えがうっすらと頭によぎるが見た目は人間にそっくりで、人間の可能性も捨てきれない。医者は少年の意識が戻るまで様子を見ることにした。
医者は少年の曲がった足の様子を診る。曲がった骨を魔法の力で診察すると、折れた獣の牙が骨に食い込んでいて体の内側に入り込んでいた。そして、それ以外の傷跡はもっと前についたものばかりで、獣や魔物とは違う傷跡だった。
すると少年は痛みに呻き、悲鳴を上げながら目を覚ました。
医者は少年に呼びかけるが、少年は医者を見た瞬間、怯えて震えながらうずくまった。
人に触れられるたびに泣き叫ぶ少年を見て、最前線で魔物と戦った兵士を治療していた頃を思い出した医者は痛みを和らげて心を落ち着かせる魔法をかけた。
「大丈夫。ここは安全よ。私はあなたの味方だから安心して」
医者が少年の肩に触れても少年は叫ばなくなって、医者はそのまま少年を抱きしめる。少年の体は小さく震えたままだったが暴れることはなかった。
続く
ここまで読んでいただきありがとうございます。作者の心許無い灰色(こころもとないはいいろ)と申します。
お察しかと思いますが、過去編に突入しました。ここからの話はもしもアニメだったら個人的には劇場版の気持ちで書いています。ここからのエピソードがとてもお気に入りなのでぜひ続きを楽しみにお待ち下さい。
今後も不定期の更新になりそうですが、何かしら見える形で応援していただければ幸いです。それでは次回もお楽しみにお待ちください!




