第二十話 秘めたる心は、静かなる危機へ
初投稿です。小説の執筆は完全に初心者です。拙い文章ですがよろしくお願いします。この物語には残酷な表現や大人な雰囲気になる表現(※直接的な性的描写はありません)などが含まれます。R15に設定しています。苦手な方はご注意ください。
この物語はファンタジーな異世界で生きる登場人物たちの恋模様を描いています。
・あらすじ
魔法文明が崩壊してその文化が失われていく中、死んだと思われていたはずの魔王が正体を隠して旅をしていた。魔王は旅の中で出会った魔法に憧れる少女と偶然魔王の正体を知ってしまった大男と共に目的の旧女神城跡地を目指して旅を続ける。
「どうするんすか?あの娘を追いかけますか?」
「いや……彼女になんて説明したらいいか、考えてから話したい」
「わかりやした」
二人は町の広場を抜けてひと気の少ない細い路地の片隅に荷物を置いて会議する。
「旦那はあの娘が好きなんすよね。あの僧侶は俺がもらってもいいっすか?」
「うん……それはご自由にしてもらって構わないんだけど……タイミングが良くないね」
「旦那はあの僧侶と知り合いなんすか?」
「うーん……正直知らない。ただ、顔が女神と似てるんだ。だから相当高い階級の人だと思うよ。まあ、教会の人間なんてどう考えても女神の差し金だよね」
「連れて行くのはマズいんすか?」
「いや。別に悪いことはしてないしこれからするつもりもないから、ただの監視目的なら連れて行っても大丈夫だよ。むしろ断ったら余計な噂を立てられそうで困る」
「おっ! じゃあもう決まりじゃないっすか!」
「いや、でも……あの子が絶対に嫌がるでしょ。急に出てきた怪しい女を仲間にするなんて」
「そうっすね」
「それに、あの僧侶が僕の正体を彼女に言ってしまうかもしれない」
「あー……そりゃ困るっすね」
「だからもう、思い切って今日彼女に告白しようと思うんだ」
「いいっすね! 応援しますよ」
「ありがとう。まずは彼女にどんな言葉で伝えたらいいかな?」
「そんなの、旦那の言葉なら何でもオッケーに決まってますよ。あの娘はもう旦那にゾッコンなんすから」
「そうなのかな。じゃあ場所はどんなところがいいと思う?」
「さぁ……値段の高い店とか、綺麗な景色とか、そういうのじゃないっすかね」
「んー。でも今すぐそのロケーションを探すのは難しいなぁ」
大男は少し余所見をしていた。しかしすぐに旅人に向き直す。
「とにかくロマンチックなのがモテるんすよ。魔法みたい! って思わせるようなやつ……あれ? それこそ旦那は魔法が使えるんじゃないんすか?」
「使えるけど……そんなにロマンチックな魔法はないよ。僕が使えるのは負の力。人を呪い殺す魔法とか、八つ裂きにする魔法とか、そんなのばっかりだからね」
「物騒っすね……」
「あとは軽い魔法くらいかな。それも使いすぎるとすぐ眠くなっちゃうし、人を喜ばせるには向かないかも」
「うーん。本物の魔法はやめときやしょ」
「彼女は魔法が見たいって言ってくれてたのに、面目ないなぁ」
「もう、シンプルなのが結局一番なんすよ。好きだ! ってでっけぇ声で叫んだらいいんじゃないすかね」
「その時心に浮かんだことをそのまま言うのがいいのかもね」
「そうっすね。あとはもう当たって砕けろっすよ」
「うん。それじゃあ彼女を探しに行こうか」
「あ、そういやあの娘、さっきの僧侶と一緒にあの豪華な宿に向かって歩いてるのを見ましたよ」
「えっ……ええっ!?」
「あんな美人僧侶、視界の隅に映っただけでもすぐ気づきますよ。……もしかしてマズかったっすか?」
「も、もう、バラされてるかも。とにかく行ってみる」
旅人は慌てて大きな通りに飛び出すと町で一番豪華な宿に向かって走っていった。
「あ、旦那! 荷物っ! ……って、もういない。足早ぇな」
大男は旅人の分の荷物も持って後を追いかけた。
二十一話へ続く
ここまで読んでいただきありがとうございます。作者の心許無い灰色(こころもとないはいいろ)と申します。
今回はあまり語ることがありません。後書きって書きたいことがない時は省略してもいいんでしょうか?
無理に後書きに書く内容を絞り出すよりも本編の続きを書く作業に専念した方がいいような気がしてきたので今後は後書きを省略してみようかと思います。全部書き終わって落ち着いて、思いついてから後書きを書き足しても良さそうですよね。
今後も不定期の更新になりそうですが、何かしら見える形で応援していただければ幸いです。それでは次回もお楽しみにお待ちください!




