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終末旅行には、魔王を連れて  作者: 心許無い灰色
第四章 旅人の悪夢
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第十八話 作られた器は、赤き朝焼けに

初投稿です。小説の執筆は完全に初心者です。拙い文章ですがよろしくお願いします。この物語には残酷な表現や大人な雰囲気になる表現(※直接的な性的描写はありません)などが含まれます。R15に設定しています。苦手な方はご注意ください。

この物語はファンタジーな異世界で生きる登場人物たちの恋模様を描いています。


・あらすじ

魔法文明が崩壊してその文化が失われていく中、死んだと思われていたはずの魔王が正体を隠して旅をしていた。魔王は旅の中で出会った魔法に憧れる少女と偶然魔王の正体を知ってしまった大男と共に目的の旧女神城跡地を目指して旅を続ける。

「おい。起きろ、化け物」

人間の形をした少年が目を覚ました。

家を建てられそうなほど広く、豪華な装飾が散りばめられた部屋の真ん中で少年は起き上がる。

少年は手枷が付いた自分の手を見ていると、誰かの声が聞こえて顔を上げた。

「やっと完成したか」

「はい。女神様」

そこには似た顔の女性が二人立っていた。一人は豪華なドレスを身にまとっていて、つまらなそうに少年を見下している。

もう一人は豪華な聖職者の装いをしていて、笑顔で女神と呼んだもう一人の女性を見つめている。

「『最強の魔物』と注文したが、まるで人間そっくりだな」

「はい。魔物の力だけでは女神様には到底及びません。しかし、人間のように感情や意思による心の揺らぎを魔力に乗せられる魔物なら、瞬間的には女神様を超えることができます」

「戦闘力はまずまずといったところか。耐久性はどうだ?」

「体は不死身です。たとえ最強の破壊魔法を使って自らの身体が損壊しても、どんな状態からでも再生することができます」

「他に性能は?」

「女神様と同じような『祝福』の力を持っているので、血肉を摂取した者を支配する力が備わっています。これなら女神様とも互角に戦うことができるでしょう」

「ふむ。だが精神は人間のように軟弱だな。まあいい。これから叩き直してやる」

そう言って女神は少年に向き直す。

「おい、化け物。人間様は争いを御所望だ。貴様に使命をくれてやる。この世界を破壊しろ」

少年は女神の目をじっと見つめた。そこに聖職者が口を挟む。

「あっ、女神様。この魔物はまだ言語を習得していません」

「そうか。では行動で示そう」

そう言って女神は少年の頭に手を伸ばした。


「私はお前が嫌いだ」




「っ!」

旅人はベッドから飛び起きて何かを払い除けようとして空を掻いた。荒い息のまま、朝焼けで薄らと明るい部屋を見渡して警戒する。

隣のベッドに大男が寝ているのを見て、旅人は長く息を吐いて呼吸を整えた。

「またこの夢か」

旅人は呟いた。


旅人の頭の中は砂嵐が吹き荒れているようだった。目を開けていても、耳を澄ましても何も感じ取れない。砂嵐の向こう側に誰かがうずくまっているように見えたが、旅人はそれを無視した。


窓の外から朝日が顔を出して薄暗かった部屋に日の光が差し込む。

それに合わせて大男が目を覚ました。大男は起き上がって旅人を見て言う。

「おはようございやす。早いっすね」

「ああ、おはよう。あまりよく寝れなかったんだ」

「そうっすか。もう一眠りしやすか?」

「いや。これくらい大丈夫」

旅人は笑顔でそう言った。


十九話へ続く

ここまで読んでいただきありがとうございます。作者の心許無い灰色(こころもとないはいいろ)と申します。


今回は物語の核心に近づいてきた回でしたね。実は今回のエピソードはメモの時点では書いてませんでした。でもどこかにねじ込みたいエピソードだなと思って急遽追加しました。


今後も不定期の更新になりそうですが、何かしら見える形で応援していただければ幸いです。それでは次回もお楽しみにお待ちください!

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