第十二話 交わす優しさは、響く悲鳴に
初投稿です。小説の執筆は完全に初心者です。拙い文章ですがよろしくお願いします。この物語には残酷な表現や大人な雰囲気になる表現(※直接的な性的描写はありません)などが含まれます。R15に設定しています。苦手な方はご注意ください。
この物語はファンタジーな異世界で生きる登場人物たちの恋模様を描いています。
・あらすじ
魔法文明が崩壊してその文化が失われていく中、死んだと思われていたはずの魔王が正体を隠して旅をしていた。魔王は旅の中で出会った魔法に憧れる少女と偶然魔王の正体を知ってしまった大男と共に目的の旧女神城跡地を目指して旅を続ける。
昼食を食べ終えて片付けた二人は再び出発する。
しばらく歩いて日が傾いてきた頃、道端で一軒の家を見つけて旅人は言う。
「あの家に泊めてもらえないか頼んでみます」
「ああ」
旅人が家に駆け寄ると、庭の小さな畑で老婆が作業していた。
「すみません。ちょっといいですか」
「どちら様ですか?」
「旅の者です。こちらに一晩泊めてもらえませんか?お礼に何でもお手伝いします」
「まあ、ちょうど良かったわ。薪割りと畑の草むしりを手伝ってもらいたかったの。お願いできるかしら。ベッドなら一つ空いてるわ」
「ありがとうございます。ぜひ手伝わせてください」
大男が後から追いついて荷物を下ろした。
「泊まれるのか?」
「はい。その代わりに薪割りをお願いします。僕は畑の草むしりをしますね」
「仕事を持ってくるのが早いな。分かった」
二人が作業を始めて、老婆は家に入っていった。しばらくするとお茶のポットを持って戻ってきた。
「よかったら飲んでちょうだい。ここに置いておくわ」
「ありがとうございます」
「どうも」
大男は持ってきた斧の先端が少しぐらついていることに気づいたが、そのまま作業を続けた。
日が暮れて辺りが暗くなってきた頃には作業はほとんど終わっていた。家から夕食の香りが漂ってくる。老婆が家から出てきて二人に話しかけた。
「そろそろご飯にしましょうか」
「分かりました」
旅人はすぐに持ち場を離れた。大男はまだ少し作業を続けている。
旅人が大男に声をかける。
「夕食の時間ですよ。そろそろ戻りましょう」
「ああ。あと少しでキリがいいから先に行っててくれ」
「分かりました。おばあさん、先に戻りましょう」
「そうね」
老婆が先に家に入り、その後を旅人がついていく。
大男は急いで終わらせようと斧を大きく振りかぶった。
それを振り下ろした瞬間、斧の先端が抜けて飛んでいく。
飛んだ斧の先端が家に入ろうとした旅人の頭に直撃して刺さった。
大男は大声で叫ぶ。
「兄ちゃん!」
老婆が振り返ると旅人が頭から血を流して倒れていた。
老婆の悲鳴が響き渡る。
十三話へ続く
ここまで読んでいただきありがとうございます。作者の心許無い灰色(こころもとないはいいろ)と申します。
今回は特に続きが気になる終わり方になりましたね。なので後書きも短く終わらせてさっさと次回の更新の準備をしようと思います。
今後も不定期の更新になりそうですが、何かしら見える形で応援していただければ幸いです。それでは次回もお楽しみにお待ちください!




