第十話 繋ぐ旅路と、香るスープは
初投稿です。小説の執筆は完全に初心者です。拙い文章ですがよろしくお願いします。この物語には残酷な表現や大人な雰囲気になる表現(※直接的な性的描写はありません)などが含まれます。R15に設定しています。苦手な方はご注意ください。
この物語はファンタジーな異世界で生きる登場人物たちの恋模様を描いています。
・あらすじ
魔法文明が崩壊してその文化が失われていく中、死んだと思われていたはずの魔王が正体を隠して旅をしていた。魔王は旅の中で出会った魔法に憧れる少女と偶然魔王の正体を知ってしまった大男と共に目的の旧女神城跡地を目指して旅を続ける。
「父は……亡くなりました」
ポーション屋の娘はそう言って、大男は気まずそうに返事をする。
「えっ……そりゃ、気の毒に。悪いことを聞いたな。すまん」
「いえ、もう大丈夫です。女神様が父の魂を浄化してくださいましたから」
「そうか。ま、今は目の前の恋に集中しないとな。頑張れよ」
「はい!」
ポーション屋の娘は笑顔で返事した。
旅の途中、旅人とポーション屋と大男の三人は道端で困っている人を助けていた。
「ありがとうございます。このご恩は忘れません。何かお礼になる物を差し上げます」
「そうですね……魔導書か、それに関する情報でももらえればありがたいです」
旅人が答えた。
「魔導書……ですか? 古い物がお好きなら土産に買ったこれなんてどうでしょう?」
そう言って、古めかしいネックレスを差し出された。
「いいですね。では、それをいただきます」
「本当にありがとうございました。皆様の旅路の無事を女神様にお祈りします」
旅人はネックレスを受け取った。
三人は再び旅路を歩き出す。暇を持て余した大男がぼやいた。
「せっかく人助けしたんだから、路銀でも貰っておけばいいのに。旦那は物好きっすね」
「物の価値は人それぞれなんでね」
「でもこんだけ時間がかかってたら俺たち野宿決定っすよ」
「そうだね。日が暮れる前に安全な場所でも見つけてテントを張ろうか」
そうして三人は日が暮れる前にテントを張って夕食の準備をし始める。
「僕はテントを張るから、二人には夕食の準備をお願いするね」
「へいへい」
「はい!」
大男は手際良く持ってきた具材をナイフで切って鍋に入れていく。ポーション屋は枝を集めて焚き火を作った。旅人は手早くテントを張り終えて夕食の手伝いをしに大男に声をかける。
「何か手伝うことはある?」
「あー、旦那はいいっすよ。あっちを手伝ってきてください」
旅人は焚き火の火を起こしているポーション屋に歩み寄って話しかける。
「何か手伝うことはある?」
「それじゃあ、薪になる枝を集めてきてください」
「わかった」
三人は焚き火を囲んで座った。大男が味付けの調味料を鍋に加える。そして少し味見をして納得の様子で言う。
「よし! 完成だ」
ポーション屋も匂いを鼻いっぱいに吸い込んでうっとりしている。
「いい香りですね」
「そうだね」
旅人がそれに同意した。
大男は三つの器にスープを盛り付けて言う。
「こうやって火を囲んでると、旦那に会った日のことを思い出すな」
「そういえば、あの日もこんなふうに鍋を囲んだよね」
「ああ、あの日は散々だったっすけどね」
十一話へ続く
ここまで読んでいただきありがとうございます。作者の心許無い灰色(こころもとないはいいろ)と申します。
後書きに書くネタがなくなってきましたね。そういえば最初の頃にギックリ腰になったと書きましたが、腰の調子は良くなってきました。とりあえず眠すぎるので今回の後書きは短めにさせていただきます。
今後も不定期の更新になりそうですが、何かしら見える形で応援していただければ幸いです。それでは次回もお楽しみにお待ちください!




