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3話 ここから始まる二人の物語

 春が来た。斎の気分が軽かった。なんでだろうか。厳しい冬を乗り越えて、精神的に楽になり、コートも軽くなるからだろうか。


 「新しい季節も始まったし、僕も何か挑戦したい。」斎は春が好きだった。春は、新しい出会いがよくある。新しいことに挑戦したくなる季節だ。この、春の光が燦々と降り注いでいる感覚は、春が好きな理由だった。


 花粉で息が吸えなくなることだけが、いけ好かなかったが。


 去年の成績が良かったことも拍車をかけて、斎の気分を高揚させた。


 「いち早く、新学年ガイダンスが終わって欲しい。」元は春が嫌いだった。この何かに挑戦させたくなる季節が嫌だった。春の、この黄色っぽい、オレンジっぽい感じが、朝を連想させてくる。


 しかも、去年の成績がひどかった。前期の成績は、普通だったが、後期のテストは、翼が生えたせいで友達と過ごす時間も減り、過去問がもらえなくなった。成績表にCが並んでひどくまずい状況だ。


 「親に殺されるかもしれない。」理由は簡単だ。奨学金である。成績表にCが並ぶのは非常にまずい、どうにかしないといけない。

 しかし、どう状況を打破していいのかわからなかった。だって、翼がどうにもならないのだから。何を悩んでも、翼が全ての原因に行き着く。そうしようもないと感じていた。翼にがんじがらめにさせられていた。


 新学期ガイダンスが始まった。今年からの取り組みの発表があった。夏休み明けからゼミが始まるらしい。二人の心境はバラバラだった。


 「最高だ!」斎はそう思った。勉強は好きだったけど、いまいち大学の大人数の授業は嫌いだった。大人数の教室の覇気のない授業の感じが嫌いだった。しかし、大学は、来年から2年生の時期から、ゼミを行う予定らしく、今年の二年生は、夏前に試験を行い、夏明けにゼミを始めるらしい。「よっしゃw」小さいアクションで、拳を握りしめた。


 「最悪だ」元はそう思った。大学の授業もめんどくさいのに、なんで少人数で、また付き合いが必要そうなことをやらなきゃならないんだ。もうめんどくさい。「ハァーー」思わずため息が出た。もうたまらない。なんでこんなに縛られなきゃいけないんだ。「もう嫌だ」思わず声が出てしまった。隣の人がこちらを見ている。最悪だ。また視線の矢印でダメージを食らってしまった。

 しかし以外にも、元は、ゼミに入らなければと思った。理由は簡単だった。浮くのが何よりも嫌だからだ。ゼミに入らないことで、もともとの友達が「あいつやっぱ変わってるな」と言われるのが嫌だったからだ。


 新学期ガイダンスも終わり、ゼミの資料が配られた。以外にも二人が入りたいと思ったのは、同じものだった。『自由と笑顔の相関的な関係について』、初見で見た感想は、二人とも同じだった。「宗教くさい。」

 しかし二人とも、この文字に惹かれた。


『自由と笑顔の相関的な関係について』確かに斎は納得した。「人は自由になると確かに笑顔になるかもしれない、みんな授業がないときは笑顔になるし、自由と笑顔は相関関係というのが面白いな、求めてる答えが見つかるかもしれない。


 元は、これでいいやと思った。「自由になりたくて、翼を持っているのに、翼に縛られてる。ここで学んだら少しは自由になれるかもしれない。」


 まだ二人が出会うのは、少し先の話。



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