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2話 腑に落ちないけど、前に進む僕 藤谷斎

 俺は、何も持っていない。持ってないけど。けど、自分が何かを成し遂げる知信じている。何でどういう結果を残すかはわからない、けど信じてる。


自分のことが好きだった、周りの環境に感謝していた。みんなのことを助けたかった。だって、生かされた自分だから。


 小学生の時に、病気になった。喉が爛れて、さ行しか発音できなかった。小さなクリニックに行ったけど、なぜこんなに熱が高いのか、なぜ病気になったのか、原因が不明だった。


 大きな総合病院に行った。病気が特定された。川崎病と言われた。当時小学生の僕にはよくわからなかったけど、大きな病気なのはわかった。


 入院した。点滴につながれた、それが後で、誰かの血液からできてる薬だと知った。誰かの献身で僕は生かされたのだ。親の看病で生かされた。


 病気が治った、あとも通院した。2ヶ月間なぜかわからないけど、運動を禁止にされた。楽しみにしていた、運動会にも出られなかった。縦割り班のハイキングも出られなかった。少年野球のクラブにも参加できなかった。死んだような気分を味わった。


 病院で、心電図をとりながら、坂道を思いっきり走るという検査をした。心臓をT字型の謎の機械で覗かれた。その日から運動を許可された。生きかえった。


 大学生になって、このときの経験を振り返る。毎回思うのが、自分のために生きてはいけないと。もし病気がわからなかったら、あのとき死んでいたかもしれない。みんなが献血してくれなかったら生きていなかったかもしれない。生かしてももらったのだ、感謝だけでは返せないものを僕は、生まれて10年の時にもらったのだ。

 これを返したい。でも、誰に返していいかはわからない。少しでも誰かのたすけになりたい。少しでも誰かを笑顔にしたい。でも、笑わせに行くのは違う。自分が与えたい笑顔がわからない。言葉にできない。なんとなくはわかってる、けど言葉にできない。



でも、どうすれば、僕が与えたい笑を提供できるのかわからない。常にそこだけを迷う。勉強もできた、スポーツもできた。日本一とかそういうのじゃないけど、そこそこできた。私立では、難関大と言われている大学だし、スポーツも他の人より明らかにできた。



 他の人よりも、いい子だった。でも僕の行動で誰かを笑顔にできたことはなかった。受験に合格して、親は喜んでくれたた、けど違うと感じた。野球の試合で勝って、みんなと一緒に喜んだけど、違う。なんで違うと感じたのかはわからない。けど、心の中では、言葉に表せない何かは、違うと言っていた。なんで違うと言われているのかは正直わからない。これがわかったときに、自分の届けたい笑顔がわかる気がする。


「生きていることに感謝します。何も持ってない。けど、前に進まない理由にはならない。覚悟している、前に進むと。この体から色々教えてもらったから、嫉妬はしない。むしろ感謝してる。何もないから可能性の模索ができる。」


いつも玄関を出る時に、この言葉を胸に、一歩目を踏み出す。


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