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第31幕

☆ユニーク3000突破☆

ありがとうございます!

「嘘だ…絶対に、絶対にそんなことがあるわけがない!!戦地にはかなりの数の見回り兵を送り込んでやったんだ。」


砕石が既にされた後の岩壁に座ったまま満身創痍といった状態のアレクが僕を睨みつけて精一杯の声を出す。


「いや、あの子達は嘘をつけるほど器用じゃないからねぇ。これは間違いなく真実だよ」


僕はたった今目を覚ましたアレクに、先ほどフルとドレイクから僕の元に届いた念波の内容を伝えた。

だがアレクはそれを聞き一瞬だけ言葉を詰まらせはしたが、見ての通り先ほどから「嘘だ」と言い続けて、信じてくれなくて事態が停滞中というわけ。


そうそう。その念波の中身ってヤツはズバリこんな感じだ。


『おーいエデル!聞こえているか?

ちょうど今、我に挑んで来た愚かなアレクの手下共はお主の要望通りエレメンツドラゴン以外は、ちゃあんと全て葬っておいたぞ!

さて、我はこの通りしっかり働いたのだ。言いたいことは…わかるな?ガハハハハハハハ!』


……フルは神狼に進化した影響なのかなんなのか、かなり下品な笑い声になってしまったみたいだ。

少し前まであんなに可愛い子狼だったのになぁ……。トホホ…


『ご主人!聞こえておられるか?

こちらに送り込まれてきたアレクの手下はご主人の指示通りエレメンツドラゴンを除いて全て殲滅完了ですぞ!特にその中でご主人に対しての悪口を発していた輩には"それなりの報い"を受けさせてやりましたぞ!』


…果たして報いとはどんな物なのかはあまりにも怖くてドレイクに聞かなかったが、とりあえず念波を切る際に「おつかれ」とだけは伝えておいた。


『旦那!会場から作戦場所に逃げてきた人間共は作戦通り全員捕獲しておきましたぜ!あいつらには縄でしっかりと腕と足をギッチギチに締めておいたんで、もうこれ以上逃げ出すことはできないはずですぜ!』


ダンジョンから連れてきたモンスターの一部、ハイゴブリン達のボスで所謂希少種と呼ばれるグレーテストゴブリン君からも無事に計画が遂行したと念波で連絡が入った。


そう。つまり僕がダンジョンから連れてきたモンスター達は、作戦通りに配置についてくれ、僕の目論見通りにあの会場からの逃亡を計った奴隷のバイヤー達を一網打尽にしてくれたようなのである。


まぁ聞いて分かる通り、このユキナ救出作戦は完璧に成功したわけだ。


ただ、まだ根本的な問題は未だ解決していない。


「アレクさん!私たちはあなたにどうこうするつもりはありません。あなたの詳しい素性を教えてほしい。ただそれだけなんです。」


ユキナがアレクの手を握って熱心に説得を試みている。


…本当によくできたいい子だよまったく。僕が誘拐された立場だったら果たしてこんなことができるだろうか?いや無理だな。相手にどのような報いを受けさせるかという方に頭が働くだろうな。


だが、そんな彼女の優しさを素直に受け止めず、アレクはユキナに握られた手を思いっきり力をつけて振りほどく。


僕はその光景を見て若干ではあるのだが殺気を漏らした。しかし、ユキナはそんな僕を目で静止させると諦めずに再度説得を試みる。


「あなたは…あなたは一体何にそんなに怯えているのですか?」


まるで吸い込まれてしまいそうなユキナのそのまっすぐな黒瞳と言葉を向けられたからであろうか。アレクはユキナのその表情を数秒見つめた後にため息を一つ吐いた。


すると、それまでの強張っていた表情から少しだけ柔らかな表情になり、あれほどずっと頑なな態度をとり続けていたアレクに変化がみられた。


「………まったく。ユキナ、君のような人間には僕はどうやら弱いみたいだ。

負けたよ。僕の素性を全て君たちに話そうじゃないか。」


それからしばらく僕たちは彼の過去とその正体について詳しく教えてもらった。

その話を簡単に要約するとこんなところだ。


●スノーズという国の高貴な貴族の家庭に生まれた


●二十歳になり、その街の冒険者ギルドで受けた【職業付与】にて獲得した職業が暗殺者という貴族としての"メンツ"を潰しかねない物であった為に、怒ったアレクの両親は持ち前の財力でアレクの存在をこの世から"抹消"した


●ある日突然に訳もわからずに家を追い出された影響で底知れぬ怒りを抱えて生きるようになった彼であったが、唯一の取り柄であった頭の良さを生かして以前から興味があった【職業】とは一体なんなのかを根本から調べる研究を始ようとする。


●だが研究費なんか当然持ち合わせていなかった彼は困り果てた。すると、そんな彼に自らを【神狼殺し】と名乗る男が手を差し伸べた。


●その男の素性は誰も詳しく知らないが、2つ言えることは果てしなく強く、その背中にいつも【神殺しの邪剣】を装備している。そして凄まじいほどの財力を持ち合わせているということ。アレクは"この世の全てが憎い"という気持ちをその男に理解してもらい喜んだ。そして無類の強さを誇るその男に彼は暗殺術の全てをその体に叩き込んでもらったらしい。


●強者の周りには人が集まるとはよく言ったもので、次第にその男の周りにはその力に"惚れた"人間が集まっていき、気づけば【グラリオッサ】と言う名のバスパやその隣町まで名が知れ渡るほどの有名なパーティができていたらしい。


●グラリオッサの長はその男で、奴隷業の発案者も同様にそいつ。

アレクは研究者としての名がパーティが大きくなるにつれて知られ始めていたので、研究の為だと嘘をつき一部のギルドマスターに希少な職業を持った人物などを紹介してもらえることもあるらしい。

そんなことをする理由は単純。希少な職業持ちは高く売れるからだ。


●エレメンツドラゴンの子供については何も知らないし聞かされていない


っとまあざっと言うとこんなところかな。



…はい、気づきましたよね?ここへきていろいろな事が繋がってきましたよ。


まず、フルの両親を殺した人物はほぼ間違いなくこのアレクが属しているパーティの長である男だろう。

だって【神狼殺し】って…。ねぇ。僕はすぐ隣にいるフルを横目で見てみたが、鈍感なのか何なのかこの話に食いつくような様子は見られなかった。




それとアレクに情報を流していたギルドマスターって完全に僕の出身街のギルドマスターじゃん!絶対にあの人だって!

むぅ……。あのスーパー夏男め。故意ではないとはいえ、これはいけない事だ!今度会ったらガツンと言ってやろう。


さて、そんなことより現状で一番の問題はエレメンツドラゴンの子供とやらの誘拐事件だな。はて、どう探そうか。

僕の認識超強化はダンジョンみたいな狭くて奥行きのある空間でしか真価を発揮しないし……。

なら、軍隊指揮を用いてダンジョンから連れてきたモンスター達に探すのを手伝ってもらうか?いや、あれだけ頭数が多いとなんだか収拾がつかなくなりそうだな。


…結局のところフルに頼むしかないな。彼なら微弱なプラズマフレッグを地面の表面に流してなんでも探せる器用な特技を持っているし。

一応、両親殺しの犯人が分かったことは伝えないでおこうと思う。だって冗談なしで彼はもはや簡単にこの世界を破滅に追い込めるほどの力を持っているんだ。

仮にそんなヤツが発狂でもして破壊の限りを尽くしたら……想像するだけで恐ろしい。


という訳で僕はフルに今の要件を念波を送った。


すると【モフモフ執行2倍の刑!】と一言だけ秒で返事が返ってきた。

相変わらず、彼は見返りがあると頑張るタイプなのだな。





さて、大方自体の収拾がついてきたかな。それじゃあ僕は僕で今やるべきことを終わらせよ。


僕は目を閉じ、認識超強化でダンジョンからここへ連れてきたモンスター達と僕との間に繋がっている契約にスポットを当てる。


「それじゃあサポナビさん、ドレイク以外のテイム契約を全て切ってからメビウスのダンジョンに瞬間移動で送ってあげて!」

僕はサポナビさんに援助をお願いした。


するといつもの、どデカイ声が頭に飛び込んでくる。


【久しぶりの私の出番ですね!忘れられてなくてよかったです!

さてご主人様の命令、承知しましたよ!】


その言葉が終わると同時にモンスター達との契約が一斉に切られ、僕のSPが一瞬でゴッソリ減ったのが分かった。


考えてみたら、そりゃあこうなるよね。普通、たかが人間一人が7500体のモンスター達を一斉に瞬間移動させるだけのSPがある時点で既に既におかしな話なんだもの。


僕は一息つくためにふいに空を見上げた。気づけばあれだけデカデカとその身を輝かせ、自己主張をしていたあの満月は地平線にいつの間にか沈み、その空はまるで新しい朝を迎えるかのように少しずつ青から赤に塗りつぶされている真っ最中であった。


「もう朝になる。そういえばちょっとだけ…疲れてきたかも。」


考えてみればまだ一度もしっかりとした睡眠をとっていないのだ。当たり前か。


「疲れはしたけど、もう一踏ん張りだ」


僕は一言だけそっと、誰にも聞こえないよう小さく弱音を吐いてから、この件の後始末をするべく、また動き出すのであった。




●名前 エデル

●職業 モンスターテイマー

● HP 8261/10061 SP 3251/8212

●レベル 72

●スキル 自己回復 与ダメージ倍増

被ダメージ半減 プラズマフレッグ

瞬間移動 HP自動回復 状態異常無効

王の威圧【大】軍隊指揮 認識超強化

●特殊スキル 学びLV2

●テイムモンスター 子神狼


●名前 神狼 フル

●HP 8261/10061 SP3251/8212

●レベル85

●スキル プラズマフレッグ ????

???? ???? 自己回復 与ダメージ倍増 被ダメージ半減 瞬間移動 認識超強化 HP自動回復 状態異常無効 王の威圧【大】軍隊指揮



●名前 ユキナ メンデル

●職業 魔法戦士

● HP 1992/1992 SP893/951

●レベル 22

●スキル 火属性魔法 闇属性魔法 無属性魔法 神経支配魔法極み ????



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