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第14幕

本編にもどります

「やっぱフルには勝てないや」


『当たり前であろう!我の方がゆうしゅーなのだからな!』


「そうだね。でも、アイテムボックスは、ものすごい魔石やその他にもたくさんのドロップアイテムの量だよ。多分この2日間で50キロ分くらいは取れたよこれ!」


僕たちは今ビヤルドの街から南のダンジョン街バスパまで伸びている簡易的な人口道を南へ意気揚々とモンスターを片っ端から倒し魔石を拾い、アイテムボックスに放り込みながら歩いている。

途中からお互い熱が入り競争にもなったが、やっぱフルは早いし強く勝てるわけがなかった。

フルの基本的な戦い方は、両前足それぞれに青いプラズマを生み出し、それを帯電させて相手の土手っ腹にその前足を突くというのものだ。

これのすごい所が突きの威力はまだ大したことはないのだが、プラズマは突きを食らわせた相手を一瞬で灰にさせるだけではなく、食らった相手の半径5メートルぐらいにいるモンスターにさえも地面を伝って感電させ絶命させることができるのだ。

だが本人曰くこれはまだまだ序の口とのことです。おー怖い怖い。



さて、なぜ今僕たちがバスパへと通ずる道を進んでいるかというと、僕がお父さんにバスパのダンジョンをフルと一緒に攻略してみたいと提案したからだ。何せフルのおかげで知らず知らずのうちに大幅にレベルアップをしており試したいスキルもあったし、せっかくビヤルドの街から歩いて3日でたどり着く位置にダンジョンがあるのだ。潜らない理由なんてない。それに


「フル、僕らがこれから向かうダンジョンは僕の憧れの英雄が邪龍を倒すまでに成長させたという逸話が残ったいるんだ!とっても楽しみじゃない?」


聞いてもフルは、『ほー』と言うだけで明らかかつあからさまに興味がないことを主張してくる。ほんとにもう!


今はビヤルドの街を出て2日目の夕方だ。

バスパまではずっと一面吹き抜ける草原が続き、夕方ごろになると昼間の暑さがなくなり遠くに沈む夕日と風がとても気持ちよくリラックスできる。時間があるならピクニックでもしたいところだが、ここらはモンスターも出るし、そんなわけにはいかない。


僕はもう少し進んだらテントを張って夜を超える準備をしないといけないななどとぼんやり考えていた。すると一本道の先の方からたくさんの馬が赤色の大きくて側面の小さい窓に鉄格子のついた馬車を引っ張ってこちらの方に向かってくるのが見えた。

それらの馬を操っているのは全身黒いローブで身を包んで、顔全体も隠しているため男か女かもわからない人間。見るからに怪しかった。


そして、丁度その赤色の馬車が僕らの横を通り過ぎた時だった


「あ!あの!冒険者さん…助けてくだ…さい!」


おそらく女性だろう。側面についた鉄格子の隙間から精一杯手を振ってかすれた声で馬車の中からこちらに助けを求める声が聞こえた。

その瞬間、馬を操っていたやつがチッと舌打ちしたかと思ったら僕らが歩いて来ていた道の方に向かって馬を全速力で走らせ始めた。


「フル!一緒にあの馬車の人を助けよう!」


『まったく、仕方がない!』


何がなんだか分からないが、とりあえず英雄を目指していた人間がこんなところを放っておくわけにはいかないよ!


僕たちの初めての共闘が始まった。











オリンピック最後まで応援します。



次回更新予定

2018/2/23

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