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第15幕

「分かったフル?この作戦は君の攻撃の確実性が鍵だよ!」


『わかっておる!我に任せるのだ!』


僕たちは今、二人でどうしたらあの馬車とその中の人を全く傷つけることなくあの全速力で馬車を引き連れて走っている馬達を止めることができるかという作戦を追っかけながら共有してたところだ。

狼のフルならともかく僕の場合、レベルが上がって身体能力は以前より格段に上昇して既に半分人間離れはいるものの流石にあの馬達の全力のスピードにはついて行けずに徐々にではあるが差が開いてきている。

今その差は40メートルってところか。

見通しのよい一本道とはいえ、このままだと確実に見失う。それにちょっとキツくなってきている。


「フル!GO!」


僕の合図とともにフルはいつものように自身に透明化と両前足にいつもの赤いプラズマ能力をかけたまま猛スピードで赤い馬車を引いている馬のすぐ横まで走ったかと思うと、馬と同じスピードに調節させた。

ここでそのままその両前足でいつも通り馬を直接攻撃して殺してしまえば簡単なのだがそれだと馬車に乗っている人は慣性の力を受けてケガでは済まないだろう。だから


『我に微弱なプラズマを作らせそれを地面に流し馬を少しずつ麻痺させようなどとは考えたものだな』


『馬どもよ!痺れるかもしれぬが歯を食いしばれよ』


とその瞬間フルの前足から地面に向け放たれたプラズマは瞬時に馬車を引く大量の馬にだけ襲いかかる。

微弱とはいえ隣の馬達とフルとでは力の基盤が違う。


『ヒヒヒーン!』


最初のうちはまだ余裕のあった馬たちだが、徐々に足が痙攣してきたのが出てきたかと思ったら徐々に全ての馬も同様の症状が現れ始める。

ここまでくると馬を操っていたやつも余裕がなくなり焦りはじめる。


「おい、なに足を止めようとしてんだよ!動け!動け!俺の為に働け!」


男は手に持ったムチで馬に走るように指示を送る、しかしその行為に反してどんどん馬はスピードを落としていき、とうとう全てが痙攣を起こしその足を止めてしまった。

その間に僕は馬車にまで追いついた。

ここまでは全て予定通り。


「クソ!ったく、どうなってやがる!」


「仕方がない、馬は惜しいがここで捨ててくか。」


男は馬車から地面に降りる。

だが、そんなことしたらもちろん結果は見えている


「ウワッ!いてぇ!痺れる!なんだよこれ」


「そりゃそうだよ。馬数頭の全速の走りを一瞬で止めさせて痙攣にまで追い込ませてしまうほどの電気がこのあたりの地面を覆ってるんだもん。」

僕の場合はフルが調節してくれてるから痺れないけどね。

何?ほとんどフルの手柄だって?

大丈夫、僕の仕事はこれからこれから。


男の表情はローブで覆われていて見えないけれど馬を全速力で走らせて僕を完全に撒いたと思っていたのにその当人が今、目の前にいることに驚愕しているんだと思うよ。体が小刻みに揺れているし痺れのせいかとうとう地べたに座りこんでしまった。

そうなったところでプラズマ攻撃をやめるように念波でフルに伝えておく。一応なので透明化は解かせてないけど。


「どうしてそんなにも必死に僕から全力で逃げたの?まさか何か良からぬことでもしようとしていたのかな?」


僕は男を追い込む。側から見たらかなり趣味は悪いかもしれないけど。


男が一体何をしようとしていたかは近くでよくよくこの赤い馬車の型を見れば大方の予想がつくものなのだが


「なんもしてねぇ!おまえらには関係のねぇことだ!」


そりゃ本当のことなんていうわけないよね。もう面倒だ。


「まさか"奴隷の売買"じゃないだろうね?」


「………。」


ビンゴのようだ。男は僕の言葉にピタっと反論をやめて下を向いて完全にだんまりになってしまった。

無理もないだろう。どんな場所でも奴隷制度が硬く禁じられているから見つかれば終身刑か死刑は間逃れないだろう。


このままでは埒があかないので僕は男に馬車の鍵の場所を聞きだした。

僕に助けを呼んだ場所の中の人にこの男の処置についてどうするかを話し合おうと思ったからだ。

男の方は馬車の外で痺れて動けないだろうし一応だからフルには透明のまんまで男の見張りを念波で頼んだので問題ないだろう。


早速、鍵で馬車の後ろについている重々しい扉の鍵を外し扉を開ける。


中には壁にもつれて座っている細々とした女の人がいた。何箇所にもわたり多分男に殴られたのであろうか傷を負っていたし服も所々破れてボロボロだ。そして、おどおどしながら黒色の目を僕に向けてきている。 年はおそらく僕と同じくらいだろうか。


失礼ながらちょっとステータスを閲覧。


それと同時に僕は夕方の空に向かい絶叫しそうになる。


●名前 ユキナ メンデル

●職業 魔法戦士

● HP 211/1954 SP941/941

●レベル 19

●スキル 火属性魔法 闇属性魔法 無属性魔法

●装備 なし


えっ!ちょい待ち!この子魔法戦士だ!それにレベル19とは思えないようなHPとSPの値なんだけど!!?

だけど落ち着けエデル。冷静に。

さて、どう会話を始めるか。

そうだ


「初めまして!僕はエデル!えーっと、喉乾いてるんじゃない?そうだ!僕、今丁度スライムからドロップした聖水をたくさんもってるんだけど…飲む?」


「ありがとう…ございます。」


少しぎこちない対応となったが手渡しで女性に以前フルが北の樹海でドロップさせた時のビンに入った聖水を2本ほど渡す。

すると余程喉が渇いていたのだろうあっという間にそれらが空になる。それにさっきより少し顔色が良くなっている気がするし良かった。


すると突然、ここでフルからとんでもない内容の念波が送られてきた。


『まずいぞ!100体以上の敵の群衆がこちらに向かってきている!』


ええぇ?ひゃっ!100体!?



●名前 エデル

●職業 モンスターテイマー

● HP 2200/2200 SP865/865

●レベル 43

●スキル 自己回復 与ダメージ倍増

被ダメージ半減

●???なし

●テイムモンスター 子神狼


●名前 子神狼 フル

●HP 5451/5451 SP1882/1882

●レベル63

●スキル プラズマフレッグ ????

???? ????


今回からエデル達の成長を分かりやすくさせる為に話の最後にステータスを載せたいと思います。



次回更新予定

2018/2/24



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