↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魔導書(電子書籍版)と契約し旅にでる  作者: 弓納持水面
第19章 卵の欠片

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

395/413

昔から

視点デグです。


パーキンソン病については、作品内のサナ視点での見解であり、現実の病気とは異なる部分があります。

「『我は病で体の自由が効かない』と言う事でトゥフとは口裏合わせておる」


 大地母神殿に向かう途中でサナはそう呟いた。トゥフは、そんなサナの後を空気の様な薄い気配で歩いている。妓女の雛になる前はシーフギルドにでも居たのかも知れない。街中で身寄りの無い子供が辿る道の1つだ。


「パーキンソンとか言った脳の病に似た症状があってな。だがエルフでさえ詳細知る者は少ないので言い訳としては弱い」


 サナは聖王国禁書図書館所蔵の「転生者の書いた医学書」に記述がある。などと話していたが、自分は聞き流していた。どうやら生前のサナは貴族だったらしいとだけ理解する。


「自分はケリー上級神官宛の手紙を託されている。その間にトゥフの神官見習い手続きを済ませるといい」


「そのつもりだったのだかな。師の同門の友に我も会って見たくなった」


 リスクを避け、神殿には立ち入らない。手続き上必要なら最低限にするとしていた計画を変更したのはその為の様だ。


 神殿に到着し、トゥフの神官見習い登録手続き等を済ませてから自分達は上級神官寮に向かった。


☆☆☆


「聖戦士のデグと言う。ケリー上級神官宛に聖女レイカ様より書状をお預かりしてきた」


 寮の入口で聖印と白紐を見せて、警護の神官戦士に告げると、そう待たされずに1人の下級神官が近づいてきた。


「先生が直接、受け取られるそうです。ご案内します。そちらの方々は?」


「下級騎士デグ殿の従神官。ファルケンブルグ家のサナと申します。こちらは弟子のトゥフ。差し支え無ければケリー女史に、ご挨拶申し上げたい」


 口調も態度も、改めてサナが答えた。下級神官は少し訝しむ感じで、こちらをみてきて、試す様に質問を続ける


「発音が聖王国調ですが、お生まれは聖王国ですか?ファルケンブルグ家と言えば、私でも知る名門貴族ですけれど」


「いかにも。ただ大地母神を信仰する放蕩娘故に、家での扱いがどうなっているかまでは存じませぬが……」


 そう答えサナは苦笑する。確かに至高神を国教とする聖王国の貴族で、大地母神信仰は異端だろう。不死者アンデッドなのは異端どころではないが。下級神官は非礼を詫び、ロカと名乗った。確かこの娘はレイカ様の妹弟子なはずだ。


「ロカ殿にも別途、手紙を預かっている。後程お渡しする」


 自分がそう告げると、ロカ殿は首を傾げた。自分達3人は案内されて奥に進んでゆく。途中サナがロカの聖王国訛りを逆に指摘していた。どうやらサナとロカ殿は同郷の様だ。


 階段を上り、ケリーと名札のある部屋の前でロカ殿がノックをする。中から返事が聞こえ、レイカ様とアヤメ殿の師であるケリー殿が自分達を迎えてくれた。貴重な書物が棚にびっしり、並べられている。


「初めまして。サナスターシャ・ファルケンブルグ殿」


 部屋にすんなり案内され、ロカ殿が自分達を紹介すると少し緊張した面持ちで声をかけられた。


「初めまして、ケリー様。病で思う様に動けず、礼を逸し申し訳ない」


 サナが返答し、トゥフは礼をする。するとケリー殿はロカに目配せをして、ロカ殿は一度頷き、その後首を横に微かに振った。


「困ったものです。神殿の敷地にも、建物にも結界があるはずですが……」


 と、背後に気配がする。抜剣した下級神官が油断なく構えていた。確かルドムと言う名の神官戦士資格を持つ、ケリー殿の弟子。


「サナスターシャはムゲットの一番弟子()()()が、20年以上前に斬首されてたと聞いています」


「病と偽りしは申し訳ない。が、敵意もない。出てゆけと言われれば去りますが、一度お話がしたい」


 そして、サナは首だけの姿を晒した。下級神官ルドムが「首だけ聖女」と呻く様に呟く。一触即発の雰囲気だっだが、ロカ殿が告げた。


「敵意がない事も、話がしたい事も偽りありません。ルドム。剣を収めて下さい」


 後の神官戦士が剣を収め、ケリー殿は大きく溜息をついた。何故か分からないが、ロカ殿の発言に師であるはずのケリー殿も素直に従う。何らかの訳があるのだろうが、助かった。


「サナスターシャ殿」


「サナでよい」


「ではサナ殿。クレオと言う人物に心あたりはありますか?ケリー先生の前に師事していた[闇薬師]なのですが……」


「クレオは妹弟子。いや破門された故、元妹弟子だな。息災でおるのか?」


「貴女同様に斬首されたと聞いてます」


「……そうか。残念であるな」


 そんなやり取りの後、ロカ殿はもう一度頷いて、ケリー殿を見た。ケリー殿はもう一度溜息をつき呟く。


「昔からムゲットが絡むと、信じられない事ばかり、次々起こります」


 それを聞いて、サナが珍しく申し訳なさそうな顔をしていた。



[竜の卵]の会話

「そういえば、よく分からないけど、ナチュラルなトラブルメーカーっているよね。」

(冷夏が言うと説得力があるな)

「そうっすね」

「冷夏に茶殻。二人とも無自覚でス……」


私の黒歴史がまた1ページ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。